尾上与一さんのレビュー一覧

天球儀の海 小説

尾上与一   

期待し過ぎたみたい

ここでの評価が凄く高かったので、期待して読み進めました。途中から、自分が何を読んでいるのか良く分からなくなりました。
衝撃的なシーンには目が覚め、涙腺を刺激されましたが、また読み進めていくうちに、先程の涙は何だったのか…という気分にさせられてしまいました。

萌評価にとどまった理由は3つあります。

予想を裏切られる結果に一時は興奮したものの、ああやっぱりね、に落ち着いてしまったこと。

17

天球儀の海 小説

尾上与一   

だが、それがいい。

初のレビューです。
よろしくおねがいします。m(_ _)m

尾上さんの作品ははじめて読みましたが、いやー、よかったです。
皆様がビシッと懇切丁寧にレビューを書かれていらっしゃるので、(私の文章力がショボいので)
そのへんはこれ以上は書き込みは必要ないかと。

でも私の感想をちょっとだけ書かせていただくと、皆さんと同じく資紀の希に対するはじめての出会いからそこまで執着する経緯というか…

14

天球儀の海 小説

尾上与一   

インパクトはあるんだが…。

はい。予想通り、神評価がズラリと並ぶ結果になっております(苦笑)。

尾上与一先生の作品には色彩や音がうまく織り込まれていて、非常に詩的で美しい。
かといって、本作を大絶賛できるかというとちがうかな。

第二次世界大戦中を背景とした、という点においてはかなり斬新だし、
タブーに近い挑戦かもしれないんですが、
逆にそれがBLに『悪用』されているような気がしてしまうのはワタクシだけか?

36

天球儀の海 小説

尾上与一   

狂気を孕んだ一途さ

暗い時代背景の中、鮮烈な物語だったと思います。

太平洋戦争の末期、九州大分の名家跡取りの海軍士官・資紀。
面子を立てる為に特攻隊員を出さねばならない家に、
資紀の身代わりになるべく養子に迎えられた、天文学者の家の四男坊・希。

希は幼い頃に資紀に命を助けられた経験があり、以来ひたすら彼を想っている。
心優しくまっすぐな希の、資紀の為ならば命も惜しまぬ健気な恋心。
しかし、彼以上に…

11

天球儀の海 小説

尾上与一   

お互いを想い合う熱い心

楽しみにしていた尾上さんの新作。
でもその時代背景と特攻の文字に、ちるちるさんから届いた本を開くのがためらわれ、タオルを用意して思い切って読み始めたのを思い出します。あれから二週間、何度この本を読み返したでしょうか。そのたびに、希と資紀の一途さに心を打たれ涙が出てきて、タオルを手元に引き寄せています(笑)

ネタバレ有りで。

幼い頃自分の命を救ってくれた名家の坊ちゃんである資紀をずっと…

9

天球儀の海 小説

尾上与一   

電車の中で滂沱。なのにページをめくる手を止められない

 待ちに待っていた、尾上さんの新作。
 ちるちるさんから本が届いた日、上京せねばならず後にしようかと思いましたが我慢できず、新幹線の中で読み始めました。
 相変わらずの不穏な始まりと、美しい情景描写に胸がときめきます。
 あとはもうこの作品の世界に没入していました。
 大宮駅について、ギリギリに気が付いて慌てて降りましたが。
 乗り換えで湘南新宿ラインの電車を待ちながら、彼らの佳境へ。

18

天球儀の海 小説

尾上与一   

不器用だけど精一杯の愛情を捧げる

天球儀、右手のホクロ、シリウス、片思い、反転、いくつかのキーポイントの言葉が
後半に怒涛のように押し寄せてきて唐突に真実が降り注いでくる。
う~ん、訳が分からない滑り出しですが、読み終えると浮かんでくる言葉の数々。
幼い日の二人の偶然の出会いが、その後の二人の一生を左右する事になります。

時代は戦時中、終戦間近の年代の神風特攻隊と言われていた航空特攻を背景にしてる話で
村の旧家で地主…

6

天球儀の海 小説

尾上与一   

愛する人を守りたい

戦争末期の特攻を背景にしたお話。
そう聞いただけで、脳裏には過去june作品にあったような魂との再会や、生き延びてしまった恥を感じて病むとか、または体が不具になりという、悲しいお話を想像してしまいます。
しかし、これは現在のBLです。
戦争・特攻という背景をうまく使い、互いの、互いを想う気持ちのスレ違い、しかし深い想いという、愛情をきちんと真ん中に据えた安心して読めることのできるお話です。

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彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

重く冷たい心象風景とどこか抜けた笑いのバランス。

尾上与一さん。今後、炸裂する「何か」がある作家さんゆえ、
少し、辛口レビューといきましょうか。
この方の作品はまだ二作目ですが、「なんだなんだ!?BL版梶井基次郎か!?」と
思わせる強烈な色彩感覚と、独特なシュールさはありますが、
下手すっと破綻寸前の危なっかしさが残る…。

風景の書き出しは非常にいい。
「二月病」では寒々とした田舎の風景、本作では山寺のゆっくり流れていく時間が体感…

5

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

冷えた世界で揺れる言葉が圧倒的な迫力

ある種、幻想的な作品、といったらいいのか。
四国の田舎で起きる唐突な事件、それにたった一人で向かう青年。
そしてそれを苦々しくも甘い思いで見つめる元・新聞記者。

およそ現実的ではないシチュエーションの数々なんですが、
無機質な鉄塔と、切ないほどの思いの対比が素晴らしい。
なんか映画でこういうのあったよなぁ~…と思わせる。

四国の片田舎で、高校生・蒼司は謎の集団に捕えられ、監禁さ…

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