尾上与一さんのレビュー一覧

碧のかたみ 小説

尾上与一   

一番星

シリーズ2作目。
前作の受である希のお兄さんのお話ですね。
前作のイメージで、けっこうごつい男をイメージしてたんですが、
や、兄弟だものねww小柄でヤンチャな兄が可愛かった。

というよりも、前作がわりと殺伐としているというか、
強姦ありスプラッタありだったので、ドキドキしていたのですが
雰囲気がガラッとかわってにぎやかな1作でした。

赴任先のラバウル。
問題児と噂される恒と…

5

天球儀の海 小説

尾上与一   

オリオン

ローレライの表紙にひとめぼれをいたしまして、
読みたいなーと思っていた矢先にシリーズかよwwな始まり。
評価も高そうだったので、どうせならシリーズ1からと思い
シリーズを大人買いさせていただきました。

第一段ですね。

幼いころに助けられた恩がある。
その恩人の代わりに命を捨てるのならば
こんなにうれしいことはない。
あこがれ続けた相手の為に。
冒頭から健気な展開なのであり…

2

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

おさめどころ

高評価を得る作品には二つのパターンが
あると評者は愚考します。
文句なくBLとしての傑作であるから
高評価であると言うのがおおむねの常道。
そして今一つは、BLと言い切ってしまうには
色々含みがあるのだけど、BLの文法を
使わないと落とし所が見つからない快作。
この作品は、評者にとっては後者にあたります。

では仮に、この作品がBLの展開を軸にして
構成されていたとしたら評者は…

7

葉隠否定論 小説

尾上与一  asaemaru 

天球儀の海を再読せずにはいられない!

尾上さんとの出会いでもあった天球儀の海がまるっと資紀視点で描かれています。
天球儀を読んでる時「多分資紀もこういう思いだったんだろうけど、でも実際どうなの~~~!?」と思う箇所がいくつもあありましたが、
これを読めばそのもやもやもすぱっと解決。

ほとんど天球儀の海と同じ時系列で描かれているので、天球儀の海を並べて一緒に読むと「あーー二人は互いに勘違いをしてるなあ」とか、「資紀そんな覚悟で…

13

『籠の鳥を逃す』 蒼穹のローレライ書き下ろしショートストーリー小冊子 グッズ

塁がラバウルに行くことになった経緯が書かれています

コミコミスタジオさんで購入すると特典でいただける小冊子です。A5サイズで、小説部分は7ページ。個人的にコミコミさんの小冊子がとても好きで、この小冊子が特典でついている時はなるべくコミコミさんで買うことにしていますが、「蒼穹の~」の小冊子は2段組なんですよ。特典で2段組ってちょっと珍しいなあ、と思いつつ、それだけ文字数が多いのか?と尾上先生の読者サービス精神に感動したりしながら読みました。

さ…

4

彩雲の城 小説

尾上与一   

何度も読み返したくなる

私は悲しい物語だと思います。藤十郎と伊魚の幸せを願わずにはいられない…。二人にはそれぞれトラウマがあって出会うことで少しずつ乗り越えていくそんな健気さに目が離せません。伊魚がモールス信号で藤十郎の名前を呼んでいるのが切ないようなもどかしいような場面も印象的で好きです。冗談交じりの会話にたまに笑ってしまいます。このハッピーエンドにはどんな悲劇でも乗り越えていけるんじゃないかと思ってしまいます。
ま…

2

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

相手を想う気持ちに落涙

尾上さんの書かれる1945シリーズはいつもランキングでも上位に上がり評価の高い作品ですが、個人的にどうしてもツボに入らず、4作目にあたるこの作品も手に取るのをためらっていたのです。が、腐姐さま方のレビューを拝見し読んでみたくなり購入。

いや、よかった。すごく良かった。このシリーズで初めて泣きました。レビューしてくださった腐姐さま方、ありがとうございました。さて、内容はすでに書いてくださってい…

19

蒼穹のローレライ くまざわ書店オリジナルペーパー グッズ

今夜のために必要なものは?

くまざわ書店限定ペーパー。
ネタバレであらすじを記します。

          :

「俺だけのものになるか」と塁に言われ、
塁とならばそうなりたいと願い、夢のように嬉しいと思う三上。

心の中でひとしきり嬉しがったあと、具体的なことに思いを馳せる。
まずは身を清めよう。そして……
契ると言ったって塁は何をするのか分かっているのかと
心配になる。

そういう三上自身今一…

8

蒼穹のローレライ 初回特典ペーパー グッズ

ラブレターへの返事

三上徹雄は、最愛の人の遺した懐中時計と一緒に暮らしている。

本編で、城戸の息子が届けてきた一通の手紙。
18年の時を超えて届いた、塁の真実の思いに
人前であることも忘れて号泣した三上の、そしてその夜。

ラバウルから大切に持ち帰り、戦後修理をして
毎夜眺めている塁の懐中時計に、月の光の中で語りかける三上。

その三上の一人で語るセリフが美しい。

戦後落ち着いた時代を迎え…

7

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

切なくも優しい涙が溢れる

1945シリーズ、4作目にして零戦乗りが主人公。
そして、シリーズ中最も深く心に沁みる物語だった。

キュッと口を結んだ碧眼のまだ若い青年が一人の表紙。
この美しい表紙の彼は、何故一人なのか……

          :

神様のいたずらか、純粋に日本人なのに青い瞳で生まれた浅群塁。
それだけでも大きなハンデキャップを背負った人生だったのに
17歳の時に一家を襲った酷く陰惨な事…

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