Sakura0904
◆くいもの処 明楽(表題作)
攻め受けのビジュアル(特に攻めの鳥原)はとても好みで、キャラ設定も掴みは良かったです。ただ、ストーリー展開には少し違和感を覚えてしまいました。鳥原から告白された受けの明楽が、じわじわと鳥原のことを受け入れていくという流れなんですが、正直どこがターニングポイントになったのかよく分からず。あれ、この2人っていつの間に付き合い始めたんだっけ?とページを戻る羽目になりまし…
今までで最も、非浦英莉可という存在に重点を置いていた巻ではないでしょうか。彼女の過去もまた、冷川ほど壮絶ではないにしろ、何とも虚しいものでした。周りに信じられる人間がいない、一度信じられた人間もすぐ疑ってしまう非浦。唯一側近の逆木にはすべてを晒け出しているけれども、彼には霊感も特別な力もなく、そういったものに関する非浦の感情にまでは共鳴してもらうことはできない。非浦は本当に誰も頼れず、ずっとたっ…
若干箸休め感のあった4巻から、この狂気と執着の入り乱れた世界に一気に引き戻されたような5巻でした。毎回終盤に進むにつれてストーリーの濃度が高まるので、読み終わった後に冒頭のストーリーを思い出すのが大変です。正直今は冷川の幼少期の記憶のことしか思い出せない。強烈な過去でした。他人の機微に疎いというか、分かっていてもそれを容易に無視することができる今の冷川が、なぜそんな人格になったのかすごく納得でき…
三角の自我が、前巻までよりは少し強くなってきているのかなと感じた4巻でした。怖がりなのは相変わらずだし、自分に向けられる他人の気持ちに疎く無防備なところはなかなか直らないけれども、少なくとも本人は自分の意志を蔑ろにして誰かの意のままに動く気はないし、自分の能力は悪用させないという想いは強いみたいですね。自分の芯を確立させようとする男らしい彼も魅力的だと思う反面、何でも受け入れてしまいがちな隙だら…
非浦英莉可が先生と呼ばれる新たな登場人物と共に悪いものの掃き溜めのような「罠」を作っていることが分かり、一体どんな展開になっていくんだろう、「罠」の目的は何なんだろうと謎が深まるばかりの3巻でした。とにかくストーリーとコマ割り、人物の表情で魅せますね。ヤマシタ先生の高いセンスを感じずにはいられない作品だと改めて感じました。
三角は前巻よりもさらに強く冷川と同調するようになっていて、彼と一…
一応新たな案件を受け持って除霊するシーンもありましたが、非浦英莉可の存在感が増し作品全体を牽引していました。彼女が呪いの元凶であることは間違いないみたいですが、どうやら彼女にも一筋縄ではいかない背景や想いがあるようです。最後に彼女が冷川と三角に言い残した、「あんまり嫌わないで」という台詞がなんだか印象に残りました。
そして、肝心のメイン2人の関係性については、非BLなんて嘘だろ!?とツッ…
非BL作品ということでそういう方面にはまったく期待をせずに読み始めたのですが、下手なBL作品よりも余程エロくて萌えるし、腐女子にとって読み応えたっぷりな作品だと思います。公式が非BLだと言うんですからそこに異論を唱えるつもりはありませんが、私の中では限りなくBLに近い作品でした。
簡潔に話の流れを纏めると、除霊師であり耳の良い冷川と、霊感があり目の良い三角がタッグを組み、第三者から依頼さ…