トジツキハジメさんのレビュー一覧

不連続世界 コミック

トジツキハジメ 

透明な執着、仔犬パワー、ボコり、片想い、不憫

2006年発表の短編集。

「不連続世界」
親友の兄が好きで。
でもそいつは軽くてろくでもないヤツ。
気持ちを知っててからかってくるから、監禁してやる。
…といっても何となく空気感が軽くて、怖さも暗さも変態性もあまり感じません。
それどころか、その後「被害者」が戻ってきて「加害者」を誘惑する!

「スター!」
元スターだったというプライドに縛られてる男と、まるでマルチーズのよう…

1

前略 コミック

トジツキハジメ 

きてくれたら、どこまで行こう

祝!電子化!
以前紙で持っていたけど手放してしまい、今回電子になったので驚きとともに急ぎgetしました。
何と言っても「暗夜行」の印象が強くて……

「前略」
「草々」
「追伸」
目立たない郵便局員の八角の日常は、イケメン高校生からもらうラブレターで一変する…
もちろんノンケの八角だけど、どんどんその子・北沢が気になるようになって。
「草々」ではもう2人で手をつないで外出なんてし…

2

物語は死で終わらない コミック

トジツキハジメ 

低温度でじっくりと

◆シュガーフリー
 ゲイとノンケの駆け引きがとっても可愛い作品でした。泥酔した夜、一線を超えたかどうかをどうしても思い出せない虎。悶々とする彼に答えを与えることなく、ゲイである琉王は会う度に着実に虎の心へ引っかかりを残していく。琉王の飾らないけれど余裕のあるところ、ノンケ相手だからけっして強引には迫らないところ、それでも虎が惹かれずにはいられなくなる魅力が、素敵だなと。結局、自分の方から好意を伝…

0

千一秒物語 コミック

トジツキハジメ 

兄弟だからこそ、重たい一歩

 二卵生双生児の兄弟の物語。血が繋がっているというだけで、なぜ想いを伝えてはいけないのだろうという千のモノローグが印象的でした。男同士であることよりも、兄弟であることを2人とも気にしてるんですよね。兄弟というのは一生続く関係なのだ、どんなに嫌でも子供のうちは同じ家に帰らなければならないし、大人になって離れたとしても、何かあれば他人ではいられない。長い目で現実的に見ていた一の言葉が重かったです。兄弟…

1
非BL作品

NEIN 2 非BL コミック

トジツキハジメ 

みんな孤独なまま

こちらの2巻は「非BL」表記ですね。確かに恋愛的要素は限りなく薄く、もちろんエロは全くありません。
いよいよ兄の死の真相を探る後輩・碵(せき)が過激さを増し、「兄を殺した悪魔」を呼び出そうと考え始め。
クロオを表に出している間深層に潜んでいる千架は中で悪魔に会ったと言い、悪魔と何かを約束したらどうなるんだろうと考え始め。
父や一尋はクロオを切り離して千架だけを助けたいと考え始め。
悪魔はク…

5

NEIN コミック

トジツキハジメ 

オカルト風味のファンタジー

2007年発表の「ナインストーリーズ」の完全版という位置付けでいいのでしょうか。本作のタイトル表記は数字の9(NINE)ではなく「NEIN」(ドイツ語ではノー)の方になっています。

帰国した神父の後任として教会に赴任?してきたキリスト教関係者の父子。
その小さい男の子・千架(ちか)が教会の周りを歩いて、外壁に埋め込まれたマリア像に咲いていた花を手向ける。
するとマリア様が具現化して現れ、…

4

徒然 コミック

トジツキハジメ 

その火を飛び越してこい!

「徒然」という物語を構成する、全ての要素が大好きですっ!

Tシャツの襟は伸びていて 風呂は五日おき。
でも、インディーズシーンで絶大な人気を得ていた 元バンドマンだったりする恩田寛斗の今の職業は エロ漫画家。
そんな恩田さんに「俺にはおまえしかいねーよ」と言わしめる技術(プロテク)を持つ相良の職業はBL漫画家で、恩田さんのアシスタントとしても五年の付き合いだ。

「恩田です ヨロシク…

6

カナさん コミック

トジツキハジメ 

人が遺す記憶の愛しさと哀しさ、そして影響力。

表題作の「カナさん」シリーズ。
バンドマンのカナさんと居酒屋のアルバイト・ヒロセが出逢い、運命が一瞬くっついたようにほんの短期間での(おそらく恋愛未満の)関係が切ない。
ヒロセはカナさんを「大事な人」とちゃんと認識しているけれど、カナさんはヒロセへの想いを表出する前にスルッと消えるように亡くなってしまう。
ヒロセに愛用のギターを遺してカナさんはこの世を去り、そのギターを持ってバンドメンバーに…

4

カナさん コミック

トジツキハジメ 

だいっっすきなヤツ

トジツキさん作品の中でもだいっっすきな本です。
BL、死別、バンドものだけどパンクもしくはメロコア(多分)、プロレスだけど新日本プロレスじゃなくて大日本プロレス(多分)、文学、刺青…最高か!!!awesome !!!

物語が違えどセリフ、ナレがどれも秀逸です。小説のような詩のような。
求心力ある言葉の紡ぎ方。
トジツキさんの描く人物からは60kg、70kg?その体型なりの体重がキチンと…

6

不連続世界 コミック

トジツキハジメ 

満を持して

トジツキハジメさんのコミック作品を初めて拝読しました。初見は小説「獅子座の男」シリーズのイラストだったので自分としては「満を持して…!」という感じでした。

さて、本作は読み切り作品集です。計5作品が収録されていて、ページ数はどれもほぼ同じです。

表題作は、片想いが暴走して、束の間、相手を監禁してしまう学生のお話。ちょっとヤンデレっぽい物語ですがトジツキさんの硬質な画風のおかげでそこまで…

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