佐田三季さんのレビュー一覧

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

執着攻めの頂点

この小説で執着攻め萌えに目覚めました。
この作品を読んで佐田さんの既刊全巻集めたくらいです。
私の中で、執着攻めの受けに対する執着度合いが高ければ高いほど美味しく、受けはただ言いなりになるんじゃなくて攻めと対等、もしくは攻めを尻に敷くくらいが好ましいのですが、その点この作品は私の好みど真ん中でした。
それに加え佐田さんの文章が私にすごく合ってるんですよねー。
淡々とした文章に感じなくもない…

15

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

三人の物語

むっ…難しかったです…。

これは主人公の斉木と、斉木に執着する幼馴染の神成と、そして今は亡き斉木の姉・朋の三人の物語だと思います。まさに運命が絡み合っているかのように二転三転する斉木と神成の関係性に惹き込まれつつ読みましたが、もっとシンプルに生きればいいのに…と思ったりもしました。素直になれない二人は、わざと過去を持ち出して、相手というよりは自分自身を傷つけているようで辛かったです。壊れそう…

3

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

着地点が良い

新書版を持っていたのですが、文庫版の書き下ろしが読みたくて購入しました。新書版にはない二人の甘い甘い関係が垣間見れるので買って良かったと思いました。ストーカーからの恋愛関係はなかなか難しいと思いますが、一途な執着愛と考えればそれも有りかなぁと思ってしまうBL脳ってすごい変換力を秘めていると我ながら天晴と感じました。攻め様をそこまで引きつける魅力を受け様には読んでいて感じることはできませんでしたが、…

10

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

ストーカーで変態、でもときめく

攻めの執着が凄い、とちるちるのトピのどこかで見て気になっていた作品です。佐田先生の本は既に二冊読んでいましたし、麻生ミツ晃先生の表紙も素敵で躊躇せずに買いましたが、これほどとは思いませんでした。この攻め、遠藤圭祐は本物です。本物のストーカーで変態。
表題作「あの日、校舎の会談で」はもうサスペンスといっていいでしょう。主人公で受けの笠井亨と十年ぶりに再会した遠藤圭祐。二人は十年間疎遠になっていたも…

13

つみびとの花 小説

佐田三季  上田規代 

心理描写に惹かれます

佐田先生のデビュー作に書下ろしを加えた文庫版になります。あらすじから想像したよりもずっと読みやすく、完成度の高い作品だと思いました。
「つみびとの花」は攻の北川巽の視点で描かれています。妻を亡くした後、一人で娘の羽菜を育ててきましたが保育園のバス事故で失い、そのバスを運転していた氏家志信と無理矢理関係に至ります。この最初は本当に無理矢理です。
バス事故が秋の初め、年末までの間を北川は氏家の罪悪…

6

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

BLだけどちゃんと小説を読みたい方へおすすめです

攻めがストーカー→カオナシ→犬に変化します。
受けはボロボロになります。

重たい内容ですが軽快な文章で物語に引き込まれます。文章力が高くて描写もリアルなので受けに感情移入して読まれる方にはキツいようです。

佐田先生がこの設定からどうやってハッピーエンドにするのかも読みどころのひとつかと思いました。
攻め×受け×著者を上から眺めるようにして読みました。

名作です。

7

ショコラ文庫2012 フレッシュフェア citrus(表題作 お前しかいらない) グッズ

ようやくちょっと報われました

3作品のその後が収録されています。
二段書きとはいえ、B6サイズ?小冊子の各5ページなので、短めです。でもいずれも本編の受けが切なくて、両思いにはなったけれど、もうちょっと攻めからのラブを感じたかった作品ばかりなので、受けが報われた思いでほっとしました。

五条レナ『運命の男』より「お前しかいらない」
伊織(受け)は長い片思いの末、糖堂(攻め)と仕事だけでもなく公私通じた人生のパートナーに…

3

つみびとの花 小説

佐田三季  上田規代 

赦しの物語

佐田三季さんのデビュー作の新装版。
新たに後日談が二篇加わったことで、読後に温かなものがより残る作りとなっています。

小さな町の工場で働く北川(攻め)は、妻に先立たれ男手一つで娘を育てるシングルファーザー。
ある朝、送り出した娘の乗った園バスが事故に遭い、娘は死亡。
失意の北川は、バスを運転していた保育士・氏家(受け)の罪悪感につけ込み、彼を無理やり抱くことで娘を失った穴を埋めようとす…

15

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

ラストシーンだけで読んで良かったと思える

手に取った分厚さに思わず怯み積ん読してましたが、勢いで佐田さん作品3冊目。
今回も凄まじい執着攻でした……というか、この執着攻はもう佐田さんデフォなんでしょうか。
読んだ作品が全て同じ傾向だったので、正直食傷気味というか、またこのパターン??
という気持ちではありましたが、悔しいかな読み始めるとあっという間に惹き込まれてしまいます。

内容はもうとにかく重い。
知的障碍でありながら類い…

5

クライ、くらい夜の終わりに 小説

佐田三季  麻生海 

三重苦というか、設定てんこもり

佐田さん2作目。
前回がとっても良かったので期待値高すぎたのかも……。
とはいえ、とっても楽しく読むことができました。
トラウマに記憶喪失と、BLでも使い古されたこの設定をどう消化するのかと読み始めたものの、序盤から受の過去について何となく分かってしまう……。
そしてその過去に絡んでくる攻の執着っぷりが怖い。

執着攻とほだされ受を書かせたら、本当に凄い作家さんだと思います。
受が過…

4
PAGE TOP