佐田三季さんのレビュー一覧

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

ストーカーで変態、でもときめく

攻めの執着が凄い、とちるちるのトピのどこかで見て気になっていた作品です。佐田先生の本は既に二冊読んでいましたし、麻生ミツ晃先生の表紙も素敵で躊躇せずに買いましたが、これほどとは思いませんでした。この攻め、遠藤圭祐は本物です。本物のストーカーで変態。
表題作「あの日、校舎の会談で」はもうサスペンスといっていいでしょう。主人公で受けの笠井亨と十年ぶりに再会した遠藤圭祐。二人は十年間疎遠になっていたも…

13

つみびとの花 小説

佐田三季  上田規代 

心理描写に惹かれます

佐田先生のデビュー作に書下ろしを加えた文庫版になります。あらすじから想像したよりもずっと読みやすく、完成度の高い作品だと思いました。
「つみびとの花」は攻の北川巽の視点で描かれています。妻を亡くした後、一人で娘の羽菜を育ててきましたが保育園のバス事故で失い、そのバスを運転していた氏家志信と無理矢理関係に至ります。この最初は本当に無理矢理です。
バス事故が秋の初め、年末までの間を北川は氏家の罪悪…

6

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

BLだけどちゃんと小説を読みたい方へおすすめです

攻めがストーカー→カオナシ→犬に変化します。
受けはボロボロになります。

重たい内容ですが軽快な文章で物語に引き込まれます。文章力が高くて描写もリアルなので受けに感情移入して読まれる方にはキツいようです。

佐田先生がこの設定からどうやってハッピーエンドにするのかも読みどころのひとつかと思いました。
攻め×受け×著者を上から眺めるようにして読みました。

名作です。

7

ショコラ文庫2012 フレッシュフェア citrus(表題作 お前しかいらない) グッズ

ようやくちょっと報われました

3作品のその後が収録されています。
二段書きとはいえ、B6サイズ?小冊子の各5ページなので、短めです。でもいずれも本編の受けが切なくて、両思いにはなったけれど、もうちょっと攻めからのラブを感じたかった作品ばかりなので、受けが報われた思いでほっとしました。

五条レナ『運命の男』より「お前しかいらない」
伊織(受け)は長い片思いの末、糖堂(攻め)と仕事だけでもなく公私通じた人生のパートナーに…

3

つみびとの花 小説

佐田三季  上田規代 

赦しの物語

佐田三季さんのデビュー作の新装版。
新たに後日談が二篇加わったことで、読後に温かなものがより残る作りとなっています。

小さな町の工場で働く北川(攻め)は、妻に先立たれ男手一つで娘を育てるシングルファーザー。
ある朝、送り出した娘の乗った園バスが事故に遭い、娘は死亡。
失意の北川は、バスを運転していた保育士・氏家(受け)の罪悪感につけ込み、彼を無理やり抱くことで娘を失った穴を埋めようとす…

15

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

ラストシーンだけで読んで良かったと思える

手に取った分厚さに思わず怯み積ん読してましたが、勢いで佐田さん作品3冊目。
今回も凄まじい執着攻でした……というか、この執着攻はもう佐田さんデフォなんでしょうか。
読んだ作品が全て同じ傾向だったので、正直食傷気味というか、またこのパターン??
という気持ちではありましたが、悔しいかな読み始めるとあっという間に惹き込まれてしまいます。

内容はもうとにかく重い。
知的障碍でありながら類い…

5

クライ、くらい夜の終わりに 小説

佐田三季  麻生海 

三重苦というか、設定てんこもり

佐田さん2作目。
前回がとっても良かったので期待値高すぎたのかも……。
とはいえ、とっても楽しく読むことができました。
トラウマに記憶喪失と、BLでも使い古されたこの設定をどう消化するのかと読み始めたものの、序盤から受の過去について何となく分かってしまう……。
そしてその過去に絡んでくる攻の執着っぷりが怖い。

執着攻とほだされ受を書かせたら、本当に凄い作家さんだと思います。
受が過…

4

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

怖すぎるんだけど怖いもの見たさで続き読んじゃう

とてつもない執着攻ものですが、このレベルは突き抜けすぎてて衝撃でした。
初読み作家さんでしたが、この腹の底から気持ち悪い、最早恐怖と言えるような執着を書ききってるのに驚きです。

理解不能で気持ち悪い、言葉の通じない相手、しかもそのストーカーっぷりたるや、受が警察に相談することを本気で悩むレベル。
受は受でごく普通の性癖をもってたはずが、親友として付き合ってた相手がどんどん豹変し、監禁強姦…

6

クライ、くらい夜の終わりに 小説

佐田三季  麻生海 

受けがかわいそう……

 私は基本、切ないお話が大好きなのです。でも、この作品は読んでいてとても苦しくなったので、評価を中立にしました。
 受けが、かわいそうすぎるんです……

 この作品のキーワードは「いじめ」だと思います。この「いじめ」が、酷いんです。作品全体を重苦しいものにしています。
 昔にいじめで辛い思いをした分、受けは幸せになっているかと言えば、そうでもない。全体的に理不尽で、現実的な雰囲気の作品だと…

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「クライ、くらい夜の終わりに」番外編ペーパー「きみの手と手と」 グッズ

笑顔が欲しかった

本編の須田の過去がキツくて、読了した後でもまだ心臓がどきどきしてる状態で、続けて読んだペーパーでした。

どうにも素直になれない、いや素直なのか?という須田と、須田が可愛くてたまらない寺岡の後日談でした。本編からどれだけの日数が経ったのかは未記載ですが、それほど月日は経っていないのかな。

ラスト、寺岡の掌を握り締める須田なのですが、そこで笑みを浮かべて欲しかったです。本編で須田の笑顔が見…

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