青石ももこさんのレビュー一覧

アンフォーゲタブル 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

互いの核を信じて

明光新聞社シリーズ、第4弾。
読み始めると文章の一つ一つがひときわ精彩を放っているように思えるのは、
特に好きなシリーズ故の欲目だろうか。

本作を含めてシリーズのうち3作が、長い時を経て結ばれる話で
それも個人的にはツボ!


時は21世紀までまだ3年を残す、1990年代後半。
明光新聞社に勤める和久井冬梧は、ある日証明写真を取っているボックスに
泥酔して飛び込んできた有村望…

19

アンフォーゲタブル 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

17年越しの恋

新聞社シリーズ第4です。
20代の西口や静なんかもでてきます。

いつかスクープ記事を書きたいと夢見てたが、問題を起こし社会部から整理部に異動した和久井冬悟。
ある日、好きだった先輩の通夜帰りの泥酔した有村望に絡まれ、それをきっかけに2人でご飯を食べに行く関係になる。会社の先輩(静)には彼女が出来たのかとからかわれるくらい、整理部に来てから元気がなかったのに楽しそうになるが、ただの友達と思…

9

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

見出された美しい化石

◆あらすじ◆

主人公・名波碧(ななみ へき 26歳)の仕事は、国会速記者。華やかな政治の舞台の隅で裏方に徹する速記者は、今や機械で代替できる消えゆく職種でもあります。
弁当男子の彼は、毎日、昔ながらの和の惣菜を詰めた自作弁当持参で通勤。弁当に限らず、彼のライフスタイルは、古き良き時代の日本人のそれそのものです。
公私ともに、ともすればアナクロで、否定的に見られがちな彼の生き方ですが、彼自…

9

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

うーん。。。

高校時代の話はとっても萌えました。
しかし、13年後の話が何とも言えません。
佐伯との関係をいきなり放り投げて圭輔のところへ行ってしまう一束。
私的には納得をするのが難しかったです。
もう少しゆっくり話を進めればいいのになと思ってしまいました。涙
それと、文章がくどいなぁと思ってしまうところがありました。
話はおもしろかったです。
でも、その二つのことが私的には気になってしまいました。…

3

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

潮が満ちていくような、必然への回帰。

◆ダイジェスト◆

新聞社に勤める静良時(しずかよしとき)(43歳)は妻の浮気で離婚したばかり。
独りで暮らし始めた彼のマンションに、妹・十和子の夫で同僚の佐伯密(さえきひそか)(43歳)が、十和子に離婚を言い渡され、転がりこんで来ます。

密と十和子は、幼い頃、数年間を同じ病室で過ごした闘病仲間。十和子を介して知り合った良時と密も、32年来の友人です。
20年前に結婚してからも、本当…

7

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

作品が受けの地味さに侵食

ネタバレなしで書きたいと思います。

『is in you』『off you go』と同様の新聞社が登場する作品。
今回は、政治部記者×速記者。


攻めは新聞社の記者で40代のバツイチ、西口。
わざとチャラチャラ見せている部分がありますが、年相応の大人さや狡さも持っています。

受けの碧が国会の速記者。
時折見かける西口の声を記憶に残していました。
毎日、自作のお弁当を持参…

7

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

戦友だったから

『is in you』『ステノグラフィカ』そして今作は、同じ新聞社に勤める同期たちが主人公であったり主要人物であったりするのですが、『off you go』は二冊目にあたります。


攻めの良時は新聞社勤務の43歳、バツイチ。
体が極端に弱い妹・十和子は、良時の幼馴染みでもあり友人でもある密と夫婦。

受けの密は切れ者の特派員で、香港から日本へやっと戻されたばかり。
良時とは幼馴染な…

5

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

必要な時間

『ステノグラフィカ』『off you go 』と世界観が同じ作品。
時系列にいっても、最初の作品です。
攻め、受けの両方の視点が楽しめます。

受けの一束は香港からの帰国子女。
高校時代はクラスに馴染めず、旧校舎の空き教室が唯一息抜き出来る場所でした。
現在は29歳。
堪能な中国語を使い、香港で仕事をしている。

攻めの圭輔は高校時代は水泳部。
世話好きで気さくな性格。
旧校…

7

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

全てが愛おしい

一穂作品の中でも最も好きな一冊です。
やはり佐伯という人物の強烈な魅力が大きいですが、
文章や物語の構成も素晴らしい。


四十代半ばの幼なじみ男女三人。
根の深い三角関係の正体を、過去-現在をオーバーラップしながら徐々に解き明かし、ある一点で爆発してまた穏やかな日常に戻る…という構成に大変引き込まれます。

この繊細な物語世界を、
三人のうち最も鈍感でまとも(に見える)良時の視…

11

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

ハードルを上げすぎたかな

そろそろ新しい作家さんの作品も読んでみようかなとレビューで高評価だった一穂さんの作品に初めて挑戦してみました。
が、ちょっとがっかりです。
確かに言葉遣いも丁寧で書き込んでいらっしゃるんですが、それが周りくどくて私には合いませんでした。
高評価の作品だから面白いだろうという前提で読み出したからかもしれませんが、なかなか萌にいきつかず疲れて読むのが嫌になりそうでした。
違う作品も読んでみて無…

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