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3/3(合計:25件)
カメイ与五郎太
葡萄瓜
サテ、この表題作(すこまる王子シリーズ)に 登場する受と攻、実は完全な主役ではありません。 かと言って脇役とも断じ難く…影の主役と言うには 少し控え目の微妙な位置にいます。 その微妙な位置が作品に穏やかな暖かみを与えて いる感じがしますね。 同時収録作も味わい深い、さらりとしている様で 深みのある一冊です。
この作者さんの作品は凡そネコミミと 同じ種類のファンタジーに分類される 様ですが、若干違います。 この作者さんにとってネコミミやケモノ ミミと言うのは物語の一部であって 大道具ではないのです。 耳のある理由がきちんとあるからこそ、 切なくて優しい物語が織り成されるの です。 この本には一篇、人間同士の恋物語 「お医者さんといっしょ」も収録。
持ち味はファンタジーだけではないと 一冊挙げてきちんと証明している一冊。 ハッピーエンドが苦手な方には縁遠い 一冊かも知れませんが、味わい深い 短編集となりました。 表題作は「恋求のみなも」の補足作品。 『人魚姫』を展開させた物語です。
ファンタジーの中にも日常はあって、 そして喜怒哀楽もある。 狐と人間、天狗と狐。絡み合う二つの 恋模様は揺れながら穏やかな日常を 織り成している。
狐狸天狗の絡むファンタジーと言う体裁を とりながら、心情の描き出し方は繊細かつ 骨太。 心の結びつきで何を超えようと試みるのか、 実に味わい深い作品世界が醸し出されて いる。