黒沢要さんのレビュー一覧

水の春 コミック

黒沢要 

淡々と交わされる言葉がとても日本的に思えるのです

初読み作家さんです。
この作品が初コミックスだとか。
とても好きです、こういう雰囲気の作品。
無駄な台詞がなくて、控えめで、静かに時が流れていくような…。
動と静で分けると、静になると思うのですが、台詞と台詞の間の取り方とか、リズムにとても日本的なものを感じます。
読んでいて心地いいというか、落ち着く感じ。
決して派手な展開はないのですが、ハッと驚かされたりとか、意表を突く展開があって…

2

ユレカ コミック

黒沢要 

異色な魅力

「半魔」と「亜種」の二人の吸血鬼が出会い、共に旅をする。
半魔ステフは大好きだった友達を失って、自分で自分を永遠に許すまいと自ら吸血鬼になった男。
もう一人は純血の吸血鬼を父に持つシュクレイ。父を殺そうとしている。
一見耽美な設定ではあるけれど、冒頭の一瞬ハードボイルドな銃撃風景、ステフの殺し屋のような風貌とシュクレイの優しげな表情の作画、ステフの本来の姿であろう穏やかな心根や子供への優しさ…

2

水の春 コミック

黒沢要 

優しいおはなし。

メインの同級生カプと、その父親カプのお話がはいってます。最初から最後まで、ひたすら優しいお話です。
春原くんは、そんなに思っていたより腹黒くありませんwwあれくらいの裏表は、あの年頃の子なら誰でももっているんじゃないかなー。でも、そこがリアルさを感じさせていたようにも思います。
友達からそれ以上の感情を抱くとき、一番揺れて繊細な時だと思うのですが、丁寧に描かれていたと思います。
親カプのお話…

0

プラチナ文庫10周年&CannaComics3周年記念ANNIVERSARY BOX グッズ

30作品の番外編を収録

小説11編、コミック19編が収録されていますが、ページ数としては半々といった感じです。本編を読んでいなくても、二人の雰囲気がそれなりに楽しめます。

コミックは1作品だけ1ページですが、あとは2ページか4ページで4コマ作品もありました。

小説のあらすじを少しだけ紹介します。以下、敬称略です。

凪良ゆう「蟹の宿」
「お菓子の家~un petit nid~」番外編。阿木の目線で進む、…

2

イエスタデイをかぞえて 小説

綾ちはる  黒沢要 

ベタだけど、泣いた。

BLに限らず、わりとよくある死神ネタです。
ラストはなんとなく想像できるとはいえ、私は好きです。

物語の冒頭で突然死んでしまった冬至。ひとつだけ願いを叶えてくれるという死神に「人生をやり直したい」と願う。大切な恋人椿が、自分を失くして悲しむのが辛いと考え、今度は恋人にならない選択をすると決断。
一年前に戻った冬至は、椿を冷たくあしらう様努力するものの惹かれ合う気持ちには抗えなかった。

2

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

純愛なのだろう。

ノンフィクション・ノベル。読みにくかったです。冒頭、若田という元新聞記者の男が、ある時効になった事件の目撃者(一当事者)として交番に通報するシーンから始まり、それから過去に遡って物語の核となる殺人、監禁事件が紐解かれていく構成となっているのですが、それが現実なのか若田の妄想なのか、終始モヤ〜っとしていました。最後も、もしや夢オチでは?などザワザワと雑念が浮かび、個人的には世界に入り込むのが難しい作…

5

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

じわりと痛い命がけの恋

文章がやや拙く、ところどころ読みにくいところもありますが最後まで退屈させない展開で、一気に読んでしまいました。
ストーリー自体が似ているわけではありませんが、中原みすずの「初恋」的な雰囲気です。(10年くらい前に宮崎あおい主演で映画化してます)

読み始めは千夏は嫌な男だと思ってました。が、読み進めていくうちに考えが変わった。人を好きになることを覚えた彼はとても素敵でした。奇しくも拉致事件を…

2

イエスタデイをかぞえて 小説

綾ちはる  黒沢要 

惜しい!……っ惜しい!

切ない話が大の好物なのですが、バッドエンドは避けたかったので、なかなか積み本から抜けませんでした。
こちらで皆さんのレビューを参考にしつつ、バッドエンドではないようなので、期待半分不安半分で読みました。
う、うぅーん…。確かに他の方が仰るように肩透かし感は半端なかったです。
ラストまでは泣きました。冬至の痛いくらいに椿を想っての行動や言動。思い出があるからこそ、引っ張られる自分の感情との葛藤…

7

イエスタデイをかぞえて 小説

綾ちはる  黒沢要 

終盤まで、が、すばらしい

高評価が多いため、すごく期待して読みました。ですが、大変な肩すかし感が…。
結末に、納得がいかないのです。
作中に、
「納得のいかない顔をしてらっしゃいますね」
「そんな屁理屈が通るものなのか~」
という言葉があるのですが、全力で「その通りだー! 私は納得していないし、屁理屈に思えるぞ」と言おう。
表題作の「イエスタデイをかぞえて」の終盤まで、死んだ冬至が1年前からの人生をやり直すのに…

9

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

お話とイラストのシンクロ率が凄い

尾上さんのデビュー作です。
新人さんが出て来た、と当時表紙の美しさだけで購入したまま積ん読。
そのまま新作が発表されるたびに、何となく買い続け、やっとタワーを崩す気になったんですが……。

早く読んでおけばよかった……っっ!!!

文章が少し硬質な感じで、読み始めた最初のあたりは失敗したかなぁ……と思ったのですが、読み進めていくとあれよあれよという間に引き込まれ、読後に長いため息がひと…

3
PAGE TOP