山岸凉子さんのレビュー一覧

非BL作品

日出処の天子(8) 非BL コミック

山岸凉子 

平行線の愛

 毛人は王子と何度も深い繋がりを持ったけれど、結局最後まで相容れない関係のままでしたね。こうなることは分かっていたような気がしますし、私は王子よりも毛人に共感することの方が多かったので、辛さは感じませんでした。毛人は確かに鈍感だったかもしれないし、狡い態度もとったかもしれない。でも、彼の布都姫を愛する心はたとえ一時は王子を愛する気持ちと併存していたとしても本物で、自分の都合を無理に人に押し付けたり…

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非BL作品

日出処の天子(7) 非BL コミック

山岸凉子 

歪に築かれた道は反発して元に戻る

 刀自古が王子と結婚、そして実質的には毛人の子である赤子を王子の子として産む。かなりドロドロの展開ですね。といっても、毛人だけが王子は何も知らないと思い込んでいて、もちろん王子は分かっているし、王子が何もかも承知であることを刀自古も知っている。鈍い男ゆえに疎外されても仕方ないんですかね。でも、私にはまだ毛人がさほど悪いとは思えないんですが。

 刀自古と王子はお互いを愛することはできないけれど…

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日出処の天子(6) 非BL コミック

山岸凉子 

話は面白いけど好感度は下がっていく

 とにかく毛人が周りに振り回されていたという印象の強い巻でした。もちろん、王子の気持ちを察せずに彼自身に布都姫を自分にくれるよう頼むのは鈍感で酷いと言えるのかもしれませんが、この状況で王子がまさか同性で身分も下の自分を恋愛的な意味で好いてくれているとは余程の人間でなければ気付けないと思うのです。王子と夢を行き来した経験があったり、特別な関係であることは毛人も自覚はあるでしょう。でも、そこから思考が…

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日出処の天子(5) 非BL コミック

山岸凉子 

この時代の女の不自由さ

 メインが毛人と王子の関係性なのは分かっているのだけど、どうしても毛人と布都姫の悲恋の方に気持ちが向いてしまいます。彼女が自ら志願して斎宮になったのならもう少し客観的に見れると思うのですが、彼女の意志で斎宮になったわけではないでしょうから、還俗する不名誉と恋心の間で揺れ、毛人以外に大した味方もおらず、泊瀬部と王子の勝手な思惑に振り回される彼女に感情移入してしまいました。

 かといって、王子を…

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日出処の天子(4) 非BL コミック

山岸凉子 

刀自古には可能な限り抗って欲しい

 即位した泊瀬部の周りでいろいろバタバタしていた印象ですが、大王となった彼よりも厩戸の方が人望厚いのは変わらず。それでもまったく気の毒だという感情が湧きません(笑)。王子は感情を露わにすることがかなり多くなりましたね。毛人のこととなると、大胆な行動に出る。わざわざ毛人の想い人の所まで行って、親切にしてもらったにも関わらず無愛想に振る舞った上、呪いのような捨て台詞を吐いて去る。清々しいほどに嫌な奴に…

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日出処の天子(3) 非BL コミック

山岸凉子 

毛人の器の大きさ

 王子の心が揺らぐシーンも徐々に増えてきて、1巻の得体の知れない人物だった頃よりもずっと親しみが湧いてきました。どんなに大人びて見えても、異能の力を持っていても、まだ10代半ばの子供には変わりないのですね。誰よりも先を見通していて、その場その場での機転の利かせ方にはいつも驚かされますが、案外子供っぽい態度をとるなというシーンもあり、彼の弱点も理解し始めました。

 一方の毛人は、仲違いしてしま…

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日出処の天子(2) 非BL コミック

山岸凉子 

一貫して落ち着いている毛人が好き

 1巻に比べると少し厩戸王子の隙も見えてきたというか、王子も焦ったり感情が揺らいだりすることもあるのだなと分かり、共感の余地が出てきた気がします。それでもまだ毛人の方が気になるのだけど。王子の躊躇のない行動についていけないと正直に伝え、王子に避けられるようになる毛人ですが、そこで動じず丁寧な態度、真摯な態度を一向に崩さない様子は、ひょっとして王子を上回るのでは?というほどの器を感じさせますね。様々…

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日出処の天子(1) 非BL コミック

山岸凉子 

厩戸王子の聡明さの影

 傑作と名高い、非常によく耳にする作品でとても気になっていました。山岸先生の作品はこちらが初めてです。逸話の多い聖徳太子がどのように描かれるのか、わくわくしながら読み進めました。まったくあらすじは読んでいなかったので、厩戸王子が超能力を持っているという面がかなり強く描かれていて驚きました。1巻時点では、まだミステリアス過ぎて彼の魅力は掴めていません。主人公である蘇我毛人の方が賢明で落ち着いている上…

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日出処の天子 第1巻 完全版 非BL コミック

山岸凉子 

美しすぎる聖徳太子

聖徳太子のBL……。ダレトク?
初め友達にそのように説明されこの本を貸されたときの私の感想である。聖徳太子に対して、ギャグマンガ日和や旧一万円札のイメージしかなかったその時の己を今となっては理解できない。
今までこのように美しい聖徳太子がいただろうか。山岸先生の手によって描かれる繊細かつセンスに満ちたイラスト。(聖徳太子以外の、例えば蘇我馬子といったおじさんたちはあまりやる気が感じられない。)…

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日出処の天子 第1巻 完全版 非BL コミック

山岸凉子 

全ての漫画ファン必携の書

何度も出版されている作品ですので、レビューするにしてもどちらに書くべきか迷いますね。他のレビュアー・茶鬼様と同じように、私も連載をリアルタイムで読み、単行本を買い、文庫版が出たら買い直し…というどっぷり組でございます。

こちら、今では読んだことはない人でも名前くらいは知っている有名作となりましたので、そうなってからの状況しか知らない人にとっては、当時の「え? 聖徳太子をテーマに少女漫画? し…

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