梨とりこさんのレビュー一覧

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

居場所のない二人、野良猫と仔猫

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
ヤクザの下っ端チンピラ・信二と、いじめられっ子の中学生・路彦の、出会いから9年の二人の遍歴を、上下巻でがっつりと。

ヤクザといじめられっ子。
弱肉強食のヒエラルキーでは明らかに最上と最下の組み合わせなのに、予想と違って泣き虫で幼い路彦こそが、ヤクザの信二を「守りたい」と思うのが面白いです。
おかげでどっちが受け攻めなのか、読みつつやきもきしちゃいまし…

5

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

ションベンタレの弱虫は力強い家族になりました

木原作品が痛いからといって、構えた自分がバカでした。
家族にこだわり、一番大事なものを守りたい気持ちにこだわり、不器用なヤクザが、何年もかかって本当に大事なものを見つけた。
そんな話だったのだと、上下巻読んで思いました。

中学時代いじめられっ子で、ションベンたれと呼ばれ、弱かった路彦は、身体も心もすっかり強くなり、信二に甘えている部分もあるものの、きちんと自分で考えて、行動力のある賢くて…

7

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

まだ序章、これからどうなっていくの!?

今回は上・下巻と長編の作品です。
まず、上巻を読み終わって不思議な感覚に囚われています。
木原作品に大体登場すべき痛い人々はいずこ?
確かに、ヤクザが登場して(だが派手なものでなく地味で弱小なのが現実味を帯びている)、いじめだの、人が死んだりと、暗い要素があり、主人公の少年は、どこか欠如しているような、でもこんな子いるかもしれないと思わせる人間だし。
いじめのシーンにしても、こんな感じだよ…

7

甘い絶望の夜を捧げて 小説

義月粧子  梨とりこ 

長くて一途な片思い

攻・霧嶋隆俊 IT企業社長 霧嶋組の組長の息子
受・芳野一葉 霧嶋組のヤクザ 

霧嶋組の組長が倒れ跡目争いが勃発。
息子の心配をした姐さんに依頼され、一葉がボディーガードとして現われます。

一葉は4歳の時に霧嶋組の庭師夫婦に引き取られ、9歳で隆俊に引き合わされてから高校卒業まで、ずっと一緒に育った幼なじみでした。
秘書として働くなら側で守らせてやると命じる隆俊の言うままに働く一葉…

9

恋―La saison d’amour 小説

  梨とりこ 

自信のない大人って

春夏秋冬、4章からなるこのお話。四季を追うごとに、だんだんと二人の絆が深まっていくのがよくわかります。しかも、若月もどんどん和泉にメロメロに。

大人なふたりなんだけど、和泉ってば今まで自分から告白したことがなくて。かといって、経験がないわけでもなく、強く迫られ流されるように抱かれたことしかないという、なんとも未熟な恋愛(とは言わないなぁ)経験しかないんです。
それがいろいろとせっぱ詰まって…

1

甘い絶望の夜を捧げて 小説

義月粧子  梨とりこ 

サイコー

いいヤクザものだった!
小さいころからずっと一緒に育ってきた2人。でもとちゅうでその道が別れてしまって、疎遠になったまま大人になってしまったなんてところから話は始まる。
攻はヤクザ組長のぼっちゃんだけれどもいまはIT関係の社長をしている男。受はヤクザの道をつきすすんでいる男。
話は攻の父親であるヤクザ組長が倒れて後継問題が勃発。勘当されていまは関係ないはずの攻にも魔の手がのびてくるから、その…

5

涙の中を歩いてる 小説

水原とほる  梨とりこ 

愛で痛みは相殺できるのか?

厚い割りに読みやすかったのですが、熱くなりきれなかったので、自分のブログでは五段階評価の3でした。
ユウが従順過ぎたからなぁ。

ゲイをカミングアウトして大学生活を送りながら、ゲイバーに癒されにいっていた有也は、子供の頃に世話になり憧れていた医師・高林と偶然再会します。
彼のサディスティックな性癖を承知で誘いに乗り、辛いことを強いられるようになるのですが・・・

この作品において作者は…

2

甘い絶望の夜を捧げて 小説

義月粧子  梨とりこ 

一葉、できすぎ!でもそこがいい

あとがきにもありますが、幼馴染みで主従関係である、ヤクザの組長の息子とヤクザのお話です。

長い長い片想いのお話でもあります。

ヤクザを継ぎたくない息子・隆俊と、組長に恩義のある一葉。
子供の頃は兄弟のように育った二人が離れ離れになり、再会し、結ばれるまでが描かれていますが、ヤクザの世界だからこその上下関係に雁字搦めにされていたり、謀略や襲撃、拉致などのサスペンス含みであったりと、なか…

1

涙の中を歩いてる 小説

水原とほる  梨とりこ 

今度の受けはちょっと違う

今回は小児性愛疑惑の真正ドSのお医者様が攻めであります。
かたや受けは健気ですが、きちんと世間とコミュニケートできているまともな乙女男子です。
攻め様が鬼畜でしかも自分の気持ちをなかなか吐露しないので、水原カラー特徴の淡々とした展開はそのままですが、今回は受けが、健気でただただ耐えるだけではなく、きちんと自己主張して、自分から進んでいく前向きな、しかも女子より乙女な性格の男子の組み合わせでした…

5

甘い絶望の夜を捧げて 小説

義月粧子  梨とりこ 

幼馴染の主従もの

普段あまりヤクザものは読まないのですが、これは久々によかった・・・!
主人公二人は幼馴染で両想いにもかかわらず、家のことに縛られてお互い言い出せないまま十何年も表面的には主従関係を貫いているわけです。隆俊への熱い想いを抱えたまま、強姦されても襲撃されても大怪我したって隆俊を守ろうとする一葉の健気過ぎる姿が泣けます。また、淳也が登場してからの二人がくっつくまでのジリジリとしたせめぎあいもよかったで…

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