葛西リカコさんのレビュー一覧

恋を綴るひと 小説

杉原理生  葛西リカコ 

幻想的な物語の暖かな救い

郊外の池の側に建つ古い家に住む、浮世離れした小説家・和久井、
そこに時たま訪れ食事を作ってやったり世話を焼く
大学時代の友人・蓮見。

葛西さんのイラストが雰囲気によく似合う
幻想小説のような作品。
はっきりしない靄がかかったような読み心地なれど
それが独特の味わいになっていて、徐々に世界が沁みてくる感じ。

和久井の浮世離れした生活ぶりの背景にある、彼の孤独。
そんな彼に振り…

7

彷徨者たちの帰還 ~守護者の絆~ 小説

六青みつみ  葛西リカコ 

まさかの攻め?!

このシリーズで初めての聖獣攻めであります(笑)

今回はどういう出会いや過去がと思いながら読んでましたが
やはりあまり嬉しい楽しい内容ではなかったですね。
だけどお互いを守り合いながらの絆は最初から一番強く感じました。

対の絆となるキースは全く聖獣の事も知らずにフェンリルを育ててるんだけど
その為に凄く自分を犠牲にしてて自分たち以外を信じることができない。
そんな頑ななキースの心…

3

彷徨者たちの帰還 ~守護者の絆~ 小説

六青みつみ  葛西リカコ 

代償シリーズ攻め編

代償シリーズの4作目ですが、今までとは少し違った雰囲気がありましたね。
どちらかといえば4作目と言うより番外編のような感覚を持って読みました。
聖獣が攻めになるのも大きな今までにない違いで自ら発情しない訳ですから
対の絆の人間側が襲い受けになるのかと想像しながら読み始めたら、
発情はしないけれれど、心は立派に攻めの聖獣でした。

人間だったら独占欲と束縛の強い嫉妬深い男になったかも知れ…

7

彷徨者たちの帰還 ~守護者の絆~ 小説

六青みつみ  葛西リカコ 

新しいパターンのシリーズ4作目!

『代償シリーズ』4作目。
あとがきで作者も触れているように、今回はタイトルに代償がつかないので
絆シリーズ、もしくはモフモフシリーズ4作目というべきか。

このシリーズは、やはり好き!!
よく練られたファンタジーの世界観も素晴らしいし、
聖獣の可愛らしさ、対の絆の互いに一途な健気さにやられ、
この作者らしい痛ましい味付けが、結ばれた後の甘さを引き立る。

個人的にはシリーズ2冊目…

11

闇を照らす君の指先 小説

千島かさね  葛西リカコ 

どうか、2人に平穏を。

この設定はツボです。
稀(攻)と満智流(受)が、それぞれ違った不幸、不遇といった不の境遇に
阻まれ幸せを享受できていなかった。
お互いがお互いを必要とし、埋めあう存在になっていく…
なんとも美しい物語でした。

もちろん波乱も満載で何度、ああ神様~と思ったか知れません。
連れて行かれた満智流を助けに行くため、傷だらけになる稀の姿と言ったらもう…
後半は泣きっぱなしでした。
でも最…

4

孤独な犬たち 小説

愁堂れな  葛西リカコ 

生きる目的ってなんでしょうか…

死んでもいい…そう思うほど追いつめられていた主人公の美山香介。
唯一の肉親を爆破事件で失くしてしまっていた。
そんな中、兄を殺した、と言う加納という男が現れる。
加納の登場で死にかけていた香介の心が憎しみ、敵を討つという復讐の炎に包まれ、
辛いリハビリにも耐えた。兄が死んだ爆破事件で巻き込まれていた香介を心配する
刑事から、加納の存在を聞き出す。
加納が警察と相対する存在だと知りながら…

3

あなたは僕のマスコット 小説

鳩村衣杏  葛西リカコ 

どちらも魅力的なキャラ!

鳩村さんのお仕事BL、今作もお見事でした!
お仕事のお話に比重が傾くと恋心が薄くなってしまうし
恋心ばかりになるとお仕事の内容が浅くなってしまうし。

主人公の譲は、人や物をカテゴライズするのが嫌いで
深く理解しようとする事がなかった為
「他人に興味が無いのね」と付き合った女性に言われた事があります。
そんな譲が勤めている出版社の専務秘書から法務に異動になって、
取引先のグッズ関連…

3

お菓子の家~un petit nid~ 小説

凪良ゆう  葛西リカコ 

スピンオフ作品

「夜明けには優しいキスを」の暴力男加瀬が主人公の話。
普段なら絶対に好きにならないような暴力を振るう男なんだけど、なんでだろう、加瀬にはすごく惹かれるものがあった。そのせいか前作の要と公平が霞んでしまいそうなほど。
加瀬の欲しいと願っているものが人によってはとてもささやかなものなんだけど、わかるような気がして(´;ω;`)
短編の甘猫の阿木視点からの話も良かったwww

「夜明けには優し…

3

お菓子の家~un petit nid~ 小説

凪良ゆう  葛西リカコ 

可愛いノラネコ

作家買いです。

凪良さんは「人の孤独」を書くのがとてもお上手な作家さまだと思います。
誰もが本当の一人ぼっちにはなりたくない。でもそうせざるを得ない事情や環境もあって。

受けである加瀬くんもそうです。彼の生育環境は最悪と言っていいほど悪く、そうした事情もあって彼は人に心を開くことができません。常に警戒しているため目つきも悪く、愛想も悪く、リストラされるという悪循環が繰り返されます。

15

愛を乞う男 小説

五条レナ  葛西リカコ 

事故多発

似たような過去を持ち、苦しみを背負う2人が、それ故に惹かれあっていく話。

宗方が非常に強烈な性格で…さすが芸術家とか思ってしまった(゜Д゜;)
そして三島は最初の印象からは想定しない甲斐甲斐しさを発揮していましたw

それにしても…事故りすぎだー(;´Д`)
どんだけって勢いですw

庭の緑や木々の描写が何か鮮やかに感じました。
また、鳥籠の作品や粘土細工などの小道具も上手く活…

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