一穂ミチさんのレビュー一覧

青を抱く 小説

一穂ミチ  藤たまき 

一冊まるまる青色のイメージ

今回はページを捲っても捲っても青を感じる作品でした。
海の青や空の青、深さや天候によって全然違うけど、分類するなら「青色」と表現される色。それをずっと感じていました。
一冊通してその本のイメージというか雰囲気というか・・・そういうものが全然ブレません。言葉では表現しにくいはずの感覚的なものを伝えるのがすごく上手な作家さんだと改めて思いました。

宗清が泉の弟・靖野に似ていた理由。確かにそれ…

1

青を抱く 小説

一穂ミチ  藤たまき 

かなり思い切った設定

設定がこの先生でなかったら、読めないくらいぶっ飛んだ設定で驚いた。
ネタバレはしないが、初めて読むのを投げようかと思った。
最後まで読んだのは、心情や描写がよかったから。
いつも思うのが、男男の設定より男女の設定の方がしっくりくる。
読み手を飽きさせない展開。
イラストを担当された藤先生も病気の描写が他人事とは思えなかったと書いてらっしゃるように、細々した設定に読まされた。
難しいけど…

1

ナイトガーデン 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

結局、読み手次第なのかも

最初に読んだ時は、正直おもしろいと思えませんでした。ごめんなさい。
『ふったらどしゃぶり』を読まずに、先にこちらを読みました。
評価が高い作品だし、本屋を探して『ふったら~』が見当たらず、スピンオフだけど大丈夫と判断し読み始めたのですが、登場人物たちに好感を持てず、苦手な一冊だと記憶していました。
それが今回レビューを書こうと『ふったら~』と続けて読んで、びっくり。
おもしろい。
以前は…

5

ナイトガーデン 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

和章が嫌いだとムリ

『ナイトガーデン』と、その後の二人を描いた『ブライトガーデン』が収録されています。
『ふったらどしゃぶり』がすごく好きだったので、そのスピンオフと聞いて迷わず購入しました。
が、私には合わなかった……。
うーん、趣味じゃない。
何がダメだったのかな。
多分、『ふったらどしゃぶり』の時から、和章が好きではなかったというのが、大きいと思います。
考え方にちっとも共感できなくて、勝手なヤツ(…

4

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

萩原の彼女に共感してしまった

『ふったらどしゃふり』とその後の二人を描いた『ふったらびしょぬれ』の2作品が収録されています。
BLでセックスレスがテーマって、すごくビックリ!
そんなのあり得るんかいっ!!って……。
でも、読んでいくうちに、これってBLならではこそだなって気がしました。
BLじゃないとここまで書けないな……
私は、物語に彼女が出てきても気にならないので、この作品も全然大丈夫でした。
むしろ、萩原の彼…

7

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

雨音が聴こえてくる空気感

この作品の持つ雰囲気が好きです。
雨音と一緒に雨の匂いまで香ってきそう・・・どの場面でも雨がすごく効果的だったと思います。

メールの誤送信から始まった交流。顔が見えない相手だから本音を明かせて、顔が見えないからこそ心に惹かれる。文字だけのやりとりなのに、そこから相手の気遣いを互いに感じ取るところ、いいなぁと思いました。
互いが同期だとバレた後、整と萩原がさらに惹かれあっていく過程は、雨粒…

1

ナイトガーデン 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

贅沢なボーナストラック

本作程度の甘さがどの作品にも含有されて
いれば、この作者さんの評価の振れ幅は
現状より少し狭まるかも知れませんね。
少なくとも上方向に。

本作単独で読んでも実際の所そうそう
混乱する事はありません。
そう言う所がこの作者さんは折り目正しい
ですね。
本一冊の空間を用いて力技も使わずに
世界をきちんと分けている。
しかも毎度の如く、生みの親のエゴを
極力排して産んだ子供〔小…

4

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

腑に落ちる、かも知れない

この作家さんへの評価が余りにも判り易く
二極化する要因が視えてくる様な、そう言う
一冊でした。
非常に整った世界観ですね。
そして無駄な冗漫さが入り込む余地が一切ない。
後書きにしてみても作品の補完の一部であって
作者自身の内面の吐露ではない。
観客として物語を俯瞰したい人にとっては
垂涎ものの物語でしょう。
ただ、疑似体感を読書作法として取り入れて
いる方にとっては取り付く島…

1

さよなら一顆 小説

一穂ミチ  草間さかえ 

台風の時って

頭痛くなったり、気持ち悪くなったりするの、本当にあるよね。
一穂さんの作品って、こういう気象現象とかをエピソードに絡めるのが上手いなぁっていつも思う。
確かにラブはなかなか捗らない。
坦々とした、すれ違っていることすら認識してもらえないようなすれ違いが続く前半は、この二人、本当にちゃんとラブに行き着くのか忍耐を試されるようではあるけれど、この、座波から矢神への、受け取ってもらえない感を描くの…

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おとぎ話のゆくえ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

おとぎ話とは

あ、自分はこういう無垢な受が苦手なんだな、と気づいてしまいました。なんだろうな…二人の温度差がどこで縮まったのかよく分からず、お互いに「この人じゃなきゃダメなんだろうな」という気がしませんでした。

あと、この作品には竹美家ららさんのイラストはマッチしてないんじゃないかな~。特に、隼人が普通の優しいお兄さんにしか見えませんでした。表紙絵の感じもこう、優しいしね。

作家買いしそうなほど好き…

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