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まりぽん812
ネタバレ
父親の葬式の後、明渡と二年ぶりに体を重ねた苑は、翌朝、眠る明渡を起こさず、一人東京に旅立ちます。 SSペーパーは、一人目覚めた明渡の視点です。 苑の姿はなく、ちゃぶ台の上には『鍵は新聞受けに』と、そっけない書き置きだけ。 明渡が家に戻ると、果菜子が、営業部の社員と付き合っていて、結婚して会社を継ぐからね、と告げてきます。そして、「いつ出てってくれる?」と、暗に「苑を追いかけて東京に行きな…
一穂ミチ yoco
作家買いだったのですが、初めて読んだときは、これまでの作風とのギャップが大きくて、戸惑いました。一穂さんの作品は、物語の早い段階で登場人物に魅力を感じたり、透明感ある心理描写に惹かれることが多かったのですが、本作品は一読目ではそんな風に感じることができなくて。多分、明るく強引な明渡と感情薄い苑の対照的な人物像にも馴染めなかったし、私にとっては前半のエピソードが多すぎたのかもしれません。 でも、結…
一穂ミチ 竹美家らら
なぜでしょう。本作を読み返すほどに、志緒に共感できない自分がいて。本編と「青」では、結ばれるまでの桂のためらいや志緒の真っ直ぐさに、とても感情移入できたのですが。 結婚できない。一緒のお墓に入れない。志緒が悲しそうに悩んでいるのが、どうしてももどかしく感じてしまいました。 私が若い頃の気持ちを忘れてしまったからなのか。それとも、ここ数年で同性婚に関する社会の変化を見聞きして、「なんとかでき…
ももよ
話しとしては、すごく好きで、表現が綺麗で、ほわっとしているかと思えば、直球な会話で一気に進む展開だったり。 特に、桂に振られたりかの代わりに、志緒が怒りに行く場面。 いきなりの志緒の告白に、私があっけにとられました。 なんだ?!この急展開! いつ?!いつ好きになった?! 何となくは分かっていましたが、ゆる~やかに気持ちが傾いているんだと思っていたので、びっくり。 そこからは、桂の過去や…
茎わかめ梅しそ
この作品を機に、一穂先生の作品を何冊か読んでみましたが、これ以上に心に残る作品には私は出会えませんでした。 感想やお話の解釈は他の皆さんが素晴らしい物をたくさん挙げていて、その中のお一人と私の解釈や感想がほぼ一致しているので、この作品をおすすめできるタイプの方を考えてみたので、それを挙げようと思います。 おすすめできるタイプの方 ・行間を読んで、登場人物の心情の変化を読み手として自分…
一穂ミチ 雪広うたこ
暁行は、夜の観覧車で遥から好きと言われた。 三年間友だちとして一緒にいた同性からの告白。気持ち悪さはないが、同性からの告白を受け入れることはできない。自分には彼女もいるし。。。でも遥との友人関係は心地よい。 その悩みをblogで綴るようになる。 暁行があまりにノンケすぎて、この話は悲しい終わり方をするのでは?!と思うくらいでした。 受け入れてもらえると思っていないから、今まで通りでいい…
東雲月虹
シャワージェル(ボディソープ)がほのかに香るってエロいですね。 香水妖怪は論外ですが(つけ過ぎな人っていますよね?) 嫌いだと思った香りも恋人から漂ってくると嫌いじゃないかもなんて 整のかわいいことったら。 引き出物でいただいたものだから捨てるわけにいかないとか律儀な面も。 お酒の場で流れとは言え突拍子もないことを言ったり 誰にも見せない姿を一顕にだけはすべて曝け出してしまうところも。…
本編を読み返したら、こちらも久しぶりに読みたくなりました。 同人誌とショートストーリーで構成された本作品。まるで、一つの作品のように、二人の恋の軌跡が鮮やかに描かれています。 北海道で気持ちを確かめ合った桂と志緒の「bitter,bitter,sweet」、 キスしろよ、ばかやろう、と志緒が焦れる「Why don't you」、 志緒のグラつく前歯を桂がディープキスで奪う…
同人誌は購入済みでもちろん読ませていただいておりますが このように一冊になってまとめて読めるとなると幸福感の宝箱!!!!! 新郎側の幹事を任された一顕が 新婦側の幹事の女性にこっそり想いを寄せられ LINEのやりとりを見てもいいと言われても ちょっとやきもきしてしまう整が可愛い『恋をする/恋をした』の続きだという 書き下ろしの『恋をした/恋をしている』がとても嬉しくて アルコール度数…
自分が一穂さんにはまるきっかけになった作品でした。 読後は、こんな恋があるんだ!と心が真っ白になった感じで、うまく言葉が出てこなくて。感受性の鋭い主人公たちの恋は、言葉にしない想いすら伝わりあって、でも、言葉でも伝えあって。読んでいて、そのダブルパンチに言葉が奪われるような気がしました。 高校時代の恋の痛みを抱えて生きてきた高校教師・桂と、思春期の壊れそうな自我を持て余す志緒。二人が惹かれ…