一穂ミチさんのレビュー一覧

ワンダーフォーゲル 小説

一穂ミチ 

切なく愛おしい、彼らの人生

off you go の番外編5つ。
良時と佐伯の関係自体の話というより、色々な角度から彼らの人生が垣間みられ、
関係を立体的に浮かび上がらせる小さな物語達。

非常に独特で魅力的な人物、佐伯密。
表題にもなっている最初の「wandervogel」は、
いきなり佐伯がベルリンで浮気をしている話。
こんな嘘つきで前科がありまくりで真っ黒な彼の、
普段は見せないけれどその行動の裏側にい…

6

はるのうた 小説

一穂ミチ 

卒業の日に

一穂先生のデビュー作「雪よ林檎の香のごとく」の番外編で、
志緒の卒業式の前々日から当日の話。

たどたどしいピアノの音、淡々とした卒業式、写真のエピソード、
高校生という年齢にとって、卒業式ってこんな風に微妙な感じだよなぁ…
どうしてこんな繊細な心理を、さりげなく描写することができるんだろう…!

卒業式の後、図書室へ向かう志緒。
図書室は、桂が泣いているところを見かけ、言葉を交わ…

7

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

穏やかな気持ちになれます

はらはらドキドキなBLにちょっと疲れている時…そんな時におすすめの作品です。

碧は純粋で真っ直ぐで素直で、、その上、家事万能で…本当にいい子なんです。どうしたら今の時代にこんな子が…って思いますよ。

対して西口は、一見すると飄々として軽くて、なのに実はプライドが高くて、煩悩まみれで……
その上、部下から好意を寄せられているのを知りながら、面倒くさいと言ってしまうような男なんです!!
離婚歴があ…

5

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

Crazy about it

一穂先生の作品はもともと好きなのですが、
これはもうどうしようもない位好きっ!
3月に読んで、はやくも今年のベストが個人的には確定してしまった作品です!


幼なじみで、義理の兄弟で、同僚でもある二人。
海千山千、頭がよくって性格が悪くって口も悪い佐伯が、良時にだけ向けていた純愛。
長い年月、知っていて、でも知らないふりをして生きてきたバランスが崩れる…

初めて出会った小学生の…

23

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

ラブ控え目。 一穂先生のオヤジは良い!!

受け様(碧)の「国会速記者」という職業ですが、何とも地味なお仕事でして…。
国会議事堂の会議場における発言を 話すのと同じ速度で逐一書き留め、議事録として記録に残す作業をするお仕事。
勿論、発言者の妨げにならぬよう、ひっそりと目立たず、透明人間のような存在でなければいけません。

速記者の心得―
いかなる時にも不偏不党、公正中立であれ―
この職業が、受け様の気質をよく表しています。

国会議事堂の…

8

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

相変わらず文章が好みです。

久し振りに一穂先生のを読みました。
前関連作は未読です。
タイトル、意味分からないけどカッコイイです。
一穂先生の、ちょっとした仕草や背景や音が、読者の頭にちゃんと広がってくる文章が好きなんです。
本作もちゃんと一穂節だなと安心して読みました^^

44才×26才で、政治部記者×衆議院記録係です。
西口、仕事に前向きで部下に頼られ、あちこちにソツなく顔の利く人。
碧、炊事も生理整頓…

5

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

一昔前の花形職業ですねぇ~

今回は国会内が舞台のお話、でも直接政治とは関係ない裏方的な仕事のお話ですね。
一昔前は速記の習い事が流行った時期がある程人気の職業だった覚えがある速記者。
今でも通信講座でやっているのでしょうかね?なんだか懐かしく感じてしまいました。

今回の受け様はそんな職種の国会速記者、まさに目立たず黒子と称した職種ですね。
そして攻め様が政治部記者で、年の差カップルの恋愛ものでもあります。
二人…

7

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

碧のお弁当~

一穂さんの描く年の差カップルが結構すきです。
シュガーギルドもそう。
職業や仕事の描写がかなりリアルできちんと描かれているところや独特な表現の上手さにいつも脱帽です。
しかも今回は主人公碧の作るお弁当ったら!
本人は至って普通のどこにでもある珍しくもない弁当と謙遜していますが、主婦歴だけは無駄に長い私にとってはもう、参りました〜って感じです。
家事も淡々とソツなくこなして、それが全く当た…

11

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

恋愛も、恋愛以外も

明光新聞シリーズ第3弾。
off you goにちょっと出て来た領収書が杜撰な、でも実は意外に鋭くって良時を悶えさせちゃった政治部の西口が主役です。
お相手は消え行く職業とも言える速記者、碧。
こういうなかなか珍しくて興味をそそられる職業と、それに生きる人を味わい深く描くのも一穂先生の魅力です。

とても賢くて実は強くてでも影のように淡々と生きている碧が、西口に「見つけて貰えた」喜び。

13

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

真逆の二人だからこそ

…どうしてこう、ミチさんの文章は私の心を捉えて離さないのでしょうか…。
どうやって敬意を表して良いのかわかりません。

年の差ラブ、と言ってしまえばそれまでかもしれないんですが、
この度も素晴らしい心情の描写の嵐!!!

大体にして、速記者を主人公にするあたりから凄いですよ!
色々勉強なさったでしょうね…。
頭が下がる思いになってしまいます。
正直、私は頭が悪いので国会や政治の事…

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