ふばば
分かりやすくBLらしいのは最初の短編くらいで、あとは時折BLっぽいシーンや好きでもない男に犯されるシーンがありつつも、どちらかというと主人公1人の心の中で完結してしまう作品が多かったように思います。テーマも恋愛がメインというよりは、小説や漫画を生み出す際の苦しみや、自分がこの世の誰よりも地位が低いように感じてしまう生き辛さなんかがフォーカスされていた印象が強いです。
BL作品として萌える…
前巻の茜新地よりずっと読みやすい続編でした。単純に、言葉が間断なく羅列された長文のモノローグが減ったというのもあるし、物語が結末に近づくにつれ、メインの登場人物達の心を取り巻いていたベールがどんどん剥がれ落ちていき、いろんなものが簡素化されていったからでもあると思います。そう、この作品に描かれていたことは、実はとても単純なことだったのです。愛というものの本質を知るまでに、あまりにも長い時間がかか…
この作品の中で起こる出来事自体は、どれもそこまで痛々しいとか凄惨だとかいうわけではありませんでした。少なくとも、禍々しい表紙や不穏なタイトルから想像するほどではなかった。ただ、登場人物達の心情描写への熱量が半端ではない、これに尽きます。溢れて、零れ落ちて、怒涛のように流れ出すモノローグの嵐。単純に文字の量も多いので、精神力と共に集中力も求められます。とても万人に薦められる作品ではないけれど、こう…