Sakura0904
◆2丁目の小さな魚(表題作)
高校時代の先輩である春信を、健気に想い続けている憲二がとっても可愛かったです。ノンケな春信のために少しでも可愛くなろうと努力していたのに、いざ春信の前に立つと、口調がすっかり元ヤン風に戻ってしまうところも可愛らしくて。対する春信の方もノリも面倒見も良く、ノンケではあったけれどゲイや女装する人間にまったく偏見を抱いていない非常に気持ちのいい青年で、これは男女問わずモ…
河井先生のキャラクター設定と脚本力が光っていました。最初は弟×兄の話かと思うんです。家を出て行って帰ってこない兄・ニコを追い、家までやって来た弟・ウィル。ニコを誰にも渡したくない、自分の手元にずっといて欲しいという気持ちは誰よりも強い。でも、ニコの心にはウィルとの間にどうしようもなく厚い壁がある。彼はとにかく母に愛されたかった子供なんですよね。ウィルだけに注がれた母の愛、自分には興味を持たないど…
300ページ近い長編で、丸々表題作となっていました。楽で心地良かった関係が拗れてしまい、爛れた性生活を送るようになった山崎と竹中。お互い言葉の足りない、不器用同士の不純交遊。それを一番傍で見ていた鹿島はもどかしくて仕方なかったでしょうね。臆病さもあっただろうし、この頃は自分の相手に対する気持ちも100%理解はできていなかったんじゃないかな。最も近くにいたからこそ、本当に大事にすべき相手だと気付け…
◆青春花心中(表題作)
攻めの山崎の登場の仕方が、いかにもモブっぽいというか、当て馬になりそうな雰囲気だったので、2巻の攻めも山崎であるということにかなり驚いています。でも、最初こそ見た目も冴えなくて、清潔感もない彼に受けの竹中が抵抗することなく抱かれてしまう展開が痛ましく思えるのだけど、読み進めていく内に実は山崎が簡単に体を許す竹中を都合良く利用しているわけではなく、ちゃんと優しさだったり情…