河井英槻さんのレビュー一覧

Thank you my God コミック

河井英槻 

ニコが幸せを見つけるまで

心に深い傷を負ったニコが、息苦しい家を飛び出し、異国で出会ったエリと幸せになるまで。そんなお話です。

母親にないがしろにされるとは子供にとってどれほどつらいことかと思います。残酷すぎる。弟だけをかわいがった母、何か理由があるのでしょうか?
ひたすら努力し、勉強が出来たニコですが、ついに家を飛び出す。

そしてエリに拾われ、そこで給仕のバイトをしている。いつかは出て行かねばと思っていたけ…

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Thank you my God コミック

河井英槻 

エリの落ち着いた男前さに惚れる

 河井先生のキャラクター設定と脚本力が光っていました。最初は弟×兄の話かと思うんです。家を出て行って帰ってこない兄・ニコを追い、家までやって来た弟・ウィル。ニコを誰にも渡したくない、自分の手元にずっといて欲しいという気持ちは誰よりも強い。でも、ニコの心にはウィルとの間にどうしようもなく厚い壁がある。彼はとにかく母に愛されたかった子供なんですよね。ウィルだけに注がれた母の愛、自分には興味を持たないど…

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青春花心中(2) コミック

河井英槻 

鹿島ちゃんと吉村もいい人過ぎるから幸せにしたい

 300ページ近い長編で、丸々表題作となっていました。楽で心地良かった関係が拗れてしまい、爛れた性生活を送るようになった山崎と竹中。お互い言葉の足りない、不器用同士の不純交遊。それを一番傍で見ていた鹿島はもどかしくて仕方なかったでしょうね。臆病さもあっただろうし、この頃は自分の相手に対する気持ちも100%理解はできていなかったんじゃないかな。最も近くにいたからこそ、本当に大事にすべき相手だと気付け…

1

青春花心中(1) コミック

河井英槻 

苛めてきたクラスメイトに反撃できる受けが好き

◆青春花心中(表題作)
 攻めの山崎の登場の仕方が、いかにもモブっぽいというか、当て馬になりそうな雰囲気だったので、2巻の攻めも山崎であるということにかなり驚いています。でも、最初こそ見た目も冴えなくて、清潔感もない彼に受けの竹中が抵抗することなく抱かれてしまう展開が痛ましく思えるのだけど、読み進めていく内に実は山崎が簡単に体を許す竹中を都合良く利用しているわけではなく、ちゃんと優しさだったり情…

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Chance! コミック

河井英槻 

じんわり心に染み込む感覚

この作家さんは綺麗で儚い感じの絵を描きますよね。
テレフォンカードとかポルノ映画館とか、舞台は少し現代より昔なのかな?
絵柄と合わさって、なんというか不思議な独特の世界観を感じました。

時代とともに変化して行く街並みとか、人の死とか、借金とかどうにもできないことを題材にしてるから読んでるとかなり切なさを感じるけど、だからこそこの2人の純愛っていうのかな、綺麗な愛がより綺麗に引き立てられて…

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青春花心中(2) コミック

河井英槻 

切な苦しくて最高

すごくよかった。河井先生神すぎと思った感動した。
プロサッカー選手の竹中は膝の怪我が原因でチームを解雇される。そんな竹中の前に現れたのは地元の先輩の山崎。初めての男で先輩でも好きでも何でもない人。
竹中の思いは出てった地元の記憶へと繋がる。
竹中の初恋から、前彼そして山崎先輩への複雑な思いがちょっとづつ破かれていくように分かっていくのが良かった。
河井先生イタイ表現がが容赦ないんだけど、最…

5

青春花心中(2) コミック

河井英槻 

終わりがものすごく好き。

いやー 本当に最後の最後の最後でぐわーっと感動します。

二巻も辛くて重苦しい過去の話が続きます。
ひた隠しにしていたのにゲイである事がバレて友達を失った学生時代、初恋相手であった友人の裏切り、唯一いい友達になれるかもと思っていた山崎先輩にも裏切られ、母親にはゲイバレした挙句に隣の県の精神病院へ連れていかれ…。
そんな「腐ったドブ川のような世界」を捨てて、スカウトされた東京のチームへ。

5

青春花心中(1) コミック

河井英槻 

【置いてけぼりの街と僕と君と。】に神を捧げます。

表題作【青春花心中】
攻めの山崎先輩の初回登場時のブサイクぶりには判ってても見るたびうわぁ…と思う。
腫れぼったい目、芋虫のような唇(と受けの竹原が述べてる)横に広がった低くてゴツイ鼻。息はカレーとミントが混じった嫌な臭いらしい。うわぁ…。
こんな醜い攻めはそうそうお目にかかれないです。しかしご安心を。
1話の冒頭ではブサイクモブ顔だったのが、過去になるに従い次第に鼻がすんなり尖り始め、中…

3

2丁目の小さな魚 コミック

河井英槻 

体格は大きいのに可愛く見える


表題作は二丁目で女装して働く男性を主役にしたお話です。
表紙を見たら女装ものという感じはしませんが、「女性になりたい」という願望から女装しているという感じではありません。
気持ちが女性であるわけではなく、好きになった人はノーマルで、彼女がいて、いつかは結婚してしまう。思いつめて自分も女性の格好をするに至るというストーリー。

重いお話ではないのですが、切ないです。せつなくて綺麗なお話で…

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Chance! コミック

河井英槻 

「自分が壊れ物になったような気がした」

九条の腕の中で「自分が壊れ物になったような気がした」と思う水村。
ここが一番好きです。

祖父母が大事にしてきたポルノ映画館の立ち退き要求に伴う執拗な嫌がらせや暴力行為が日常生活を脅かしている。
そんな水村が毎日祈って唱えていたのは「九条」でありもはや信仰に近い想い。
「九条の名前を唱える時、彼の姿を想う時少しだけ。世界が美しく見えた。」

祖母に代わって何とか自分が…と思いつつも、…

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