綺月陣さんのレビュー一覧

小説

綺月陣  杉本ふぁりな 

生きる場所を求めて

こういうお話を書いちゃうところがやっぱりすごいよな〜。電子版には紙本にはなかった同人作品が収録されています。そちらを読めたことで、このお話が自分の中で昇華されました。イラストご担当、杉本ふぁりなさんのショートマンガの方でもふんわりと救いをいただいたけれど、このSSでやっと、木嵜兄弟と宇野が浮かばれる思いがしました。

本作は新宿歌舞伎町を舞台に、最後のカラーギャングたちを描いたお話です。のっけ…

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殉愛 小説

綺月陣  周防佑未 

同名小説の新装版。

2011年にもえぎ文庫さんから刊行された同名小説の新装版。
旧版は未読なのでこちらとの比較はできません。旧版も電子での販売が停止になりましたが、新装版は海王社さんから電子限定で刊行されています。

旧版未読なのでもしかしたら間違っている部分があるかもしれませんが、新装版との違いについて。まず収録されているのは表題作『殉愛』、『メビウスの環』の短編2話。この2話は旧版にも収録されていると思いま…

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獅子王は熱砂の時空で愛を吠える 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

絵が好きな男の子の転生物

綺月先生の作品は初読みです。

攻が激甘ドロドロお砂糖加減多めです。
受は自分に自信がない、絵が好きな男の子。
異世界転生ものならではの、絵が好きな男の子が絵の存在しない世界に入り込み、彼にしかできない活躍の仕方は面白かったです。
また、後からわかる、ラーミーと攻ハイダルとの関係性も吃驚しました。そこが、この世界における結婚と結び付けられて説明されるのが、なかなかロマンティックであり、ハ…

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獅子王は熱砂の時空で愛を吠える 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

死後に転生した異世界で幸せに

「沼の竜宮城・・」に続く、ファンタジー。
あとがきによると、初めての異世界アラブもの、だそうです。
キャラの名前は、実際の意味からつけられている。
結末ハピエン、挿絵が綺麗。
電子版で読んだけど、これは紙版のほうが眼福。なので、紙版も買う予定。

母子家庭でそだった少年は、専門学校の卒業制作中。
少年は、絵本作家になりたかった。
幼少時に好きだったのは、中東の魔法の絨毯の話。

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獅子王は熱砂の時空で愛を吠える 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

綺月さんのアラブ!

そもそもアラブもの自体が激減している中、綺月さんのアラブですよ!
おまけに転生ものでもあるのね。
そのこと自体がすごい。

そしてもっとすごいのは、あとがきにある様に「異世界転生・アラブ・もふもふ・子供・攻めが受けを最初から溺愛・最後まで安心・ハーレムNG・ハード描写NG……この条件でプロットを立て(後略)」ということなんです。
私、このあとがきを読了後に読んだんですね……先に読めばよか…

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獅子王は熱砂の時空で愛を吠える 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

綺月先生の初めての異世界転生もの

綺月陣先生作品は「トリッキー・ゲーム」以来です。

こちらの作品は先生の初めての異世界転生ものらしく、かなり勉強なさったとあとがきにありました。
アラブ風異世界転生もので楽しめました。
特に大きな事件があるわけでは無く、攻めのハイダルが常に甘々の溺愛なので痛いのとか苦手な方は好きかもしれません。

受けの慧は母子家庭で育ち、絵本作家を目指している美術専門学校生です。ある朝に駅のホームで…

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銀の不死鳥 小説

綺月陣  yoco 

都合悪い人がいるから「問題作」なんじゃないの?

ウェブ連載で話題になった作品の再刊。
綺月陣さんは、最近ギャグコメが多いけれど、
昔の作品は社会性濃くて「背徳のマリア」も、この作品も強く何かを訴えてます。
グロいキモイと言ったって、生きるって綺麗ごとばかりじゃない。
人知れず生まれて消える存在の哀切を取り上げる執筆姿勢は、尊いです。
デザインベビーなどの実験で、生まれて潰される存在を連想しました。
名前すらない、物以下の扱いを受ける…

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温泉の底の洞窟で、冥界神がお待ちかね 小説

綺月陣  小山田あみ 

ハデス兄さん

ギリシア神話の神様シリーズの続巻です。
綺月先生もこんなコメディ書かはるんやっていうのが、まず驚き。
これ、電子で2冊同時に購入して、ついうっかりこっちから先に読んじゃったのですが、前作の設定をしらないままでも、ちゃんと問題なく楽しかった。
ひがみっぽいハデスの脳内妄想と、絶妙にすれ違いながらも成立しちゃってる角崎のオヤジギャグ感性。
そして大いに盛り上がる二人の夜!
もう、この前半で心…

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温泉の底の洞窟で、冥界神がお待ちかね 小説

綺月陣  小山田あみ 

臨場感

何が『臨場感』なのかと言いますと、このお話の語り口なんですよ。
講談師みたい。またはスタンドアップ・コメディアン。
綺月さんが講談してくれたんですよ、あたしの目の前で。
笑いありキュンありの冒険譚を、立て板に水の名調子で。
なんて贅沢!

『沼の竜宮城で、魁皇様がお待ちかね』のスピンオフです。
世界観を同じくするお話ですし登場人物も被っていますので、前作は「読むべし」と思います。なに…

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温泉の底の洞窟で、冥界神がお待ちかね 小説

綺月陣  小山田あみ 

ページ数は少なめ、でも、それぞれの愛は濃い

前作「沼の竜宮城で、海皇様がお待ちかね」では、作品のトーンに大いに驚かされたのでした。確かに今までの綺月先生の作品でも、軽妙な掛け合いなどに秀逸な笑いをチラチラ拝見することはありましたが、綺月先生の作品まるまる一冊がコメディってことが驚きだったのです。
そんな楽しく笑えた作品の続編。

今作もとても楽しかったです。
前作で、来人の職場の先輩として登場し、来人との噛み合っていない会話がめちゃ…

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