綺月陣さんのレビュー一覧

梔子島に罪は咲く 小説

綺月陣  高緒拾 

梔子島のモデル

実存する島を題材にして、こんな事もあったかもしれない、というサスペンス浪漫でした。著者は、BL作家というより、社会派なのかもしれない。
著者の作品のシナリオのアイデアは、なにかの報道を読んで、ヒントを得ているようです。
「背徳のマリア」も、実際に「男性の出産は可能」という研究論文が報道にありました。この作品のモデルの島も実存しています。
誰も触れたがらないタブーに目を向けて、BLのテーマにす…

5

祈り 小説

綺月陣  梨とりこ 

痛いの痛いの飛んでかないぃ!

うん、かなり痛い。読み手を選ぶ作品なのは間違いありません。けれど神評価にせざるを得ないなと唸ってしまう、凄まじいものを読んでしまったな、の一言に尽きます。

とにかく痛いのが苦手な人にはオススメしません。個人的には木原音瀬先生の『FRAGILE』『灰の月』辺りがダメな人は回れ右して下さいといった感じです。

全編通して読んでいてまぁ辛い場面の多いこと。序盤からフルスロットルではないものの、…

4

沼の竜宮城で、海皇様がお待ちかね 小説

綺月陣  小山田あみ 

沼の竜宮城で海皇様?

小山田画伯の美麗な表紙絵に目が引き付けられてしまって、タイトルの不条理に気づかないところでした。
沼には竜宮城はないし、竜宮城にいたのは乙姫様のはず……気づいた時点でトンチキ好きの私の期待度が上がる上がる!

で「トンチキだったのか?」と問われれば、トンチキと言うよりはスラップスティックの香りが強い様な気がします。
ゼウスと天照大御神が和服デートを繰り広げるというこのお話は『何が出て来るか…

10

沼の竜宮城で、海皇様がお待ちかね 小説

綺月陣  小山田あみ 

伊勢の海底神殿 

ホントで、電子版を購入。

あらすじは、先にレビューがあるので割愛。感想だけ。
伊勢の神島の海底神殿の噂を聞いたことがあるので、興味津々、期待を込めて読みました。伊勢の海底神殿 というか、日本の古さを証明する品々の宝物庫があるそうです。当然そういう所には、番人役も昔から居て、人でない魔物だったり。伊勢や和歌山、出雲や四国、九州だとトンカラリンがある辺りは面白い所らしいです。

「背徳のマ…

7

背徳のマリア 下 小説

綺月陣  AZ Pt.(AZ Pt ) 

・・・

titleつけようが無いです、どう表現したらいいのか、分からない。
タブーを犯す黒崎と彰の愛には、凄みと哀しさを感じます。

彰の人生の選択は、圭介に愛されたい為に、タブーへ挑むことになりました。誰も出来ない事をやってのけていく彰の一途な気持ちは批判出来ないけれど、圧倒される凄みと怖さと憐れを感じました。
特に、彰が受精卵を埋め込む為に独りで手術を行い、失血死寸前まで行った場面は本当にド…

2

背徳のマリア 上 小説

綺月陣  AZ Pt.(AZ Pt ) 

男性の妊娠出産

男性の妊娠出産はもうSFじゃなくなっています
背徳のマリア  → 龍と竜 虹
謎の黒崎医師は、竜と竜にも登場するマッドサイエンスな美貌の医師というキャラ。

上:目次は下記
人魚の声が聞こえる:安藤の執刀で性転換手術をした彰はとても深く圭介を愛している
体温は証明する: 北海道の診療所で働く彰たち。子宮外妊娠で死産した胎児をなでる彰。
背徳のマリア(前):男性に受精卵が着床できるか実…

3

龍と竜~清明~ 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

6巻目は完結のやり直し版:巣立ちと別れ 

この巻のテーマは「家族の形の模索」とあとがきに有りました。
これを踏まえて読むと、ナルホド。結婚式と巣立ち、子離れと親離れ、夫々の道へ進む別れの巻です。
面白いのは、この巻の挿絵は漫画。文章もまるで漫画。そのまま絵を描けそう。
龍と竜の結婚式を颯太が企画するイベントで〆になるのですが、この巻は全ての総集編で、ほとんどが過去の回想。ややコメディで、笑う箇所が沢山入っています。

「うみのそ…

1

龍と竜~啓蟄~ 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

5巻目は、完結巻と休筆告知

颯太が大学一年生。
16才年上の竜城は・・。立ち仕事がきつくなる年ごろに。
小説とはいえ、月日の経過は光陰の如し・・早いなー。

顔はソックリ、だけど性格に大きな違いがある颯太と竜城。兄より颯太は身長が3センチ高くなった。作品中で一番の器量よしはやはり、兄。
颯太が、相変わらず続く次郎の浮気の相談を竜城にすると、竜城が一度だけした浮気の経験を話し出す。
・・・調理師免許を取得する学校で…

0

龍と竜 ~虹の鱗~ 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

4巻目 颯太の反抗期

「乙部辰城」は、竜宮城の乙姫に因んでいるんですね。だから竜城は、常に浄化されて汚れない美しい人なのか。

「龍と竜~銀の鱗~」で、颯太は自分の次郎への気持ちが恋慕だと気づいたけれど、兄と外観が似ていても、恵まれた環境で甘やかされて育った颯太は、兄の竜城と違って、忍従が出来ない。我儘は、止めるものが無く暴走する。
相手は次郎、任侠の世界や商売の駆け引きもある、子供には理解できない金儲けの妖怪が…

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龍と竜 小説

綺月陣  亜樹良のりかず 

1巻 文章力、表現力がスバラシくて、泣けます

作者の文章力が高くて、読みやすいことに吃驚しました。スイスイ滞らず読み進めます。
子供の描写が上手で、読みながら、颯太の仕草や台詞に何度も涙してしまいました。

色々感じたことを書きたいのですが、読んでもらえばわかるかな、ということで終り。良い作品でした。愛人の子に産まれた二人兄弟が懸命に生きる様子をこの巻では描いています。それに、恋人の龍一郎が関わって、運命が変わっていく。
今回は、龍と…

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