六青みつみさんのレビュー一覧

12の月と、塔の上の約束 小説

六青みつみ  白砂順 

切なくて甘いお伽話

『光の螺旋』シリーズ6巻目ですが、他作品とまったく話は繋がってないので単独でも楽しめます。
他作品も読んで世界観を理解した上で読んでみたら、また一段と物語の深みが増す素晴らしい作品です。

光の螺旋シリーズは他もすべて読んでいますが、この作品は他のものに比べてドラマティックな展開があまりなく、攻と受のラブラブっぷりを楽しむことができます。
受がひどい暴力沙汰に巻き込まれることもなく、安心し…

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王様の大切な青い小鳥 小説

六青みつみ 

ハンカチを

商業誌「王様と幸福の青い鳥」の番外編4編。全頁2段組。ハンカチのご用意を。レビュー書いている時点で「通販している」と先生がつぶやいておられますので、本編大好きだった方はすぐにお探しを。

1.コルソ 7P
 本編でイリリアを助けた、あの森の方です(涙)。
 イリリアを助けた時のエピソードなので、
 涙無くしては読めませぬ。あのセリフ「空が見たい」もございます。号泣。

2.レグリウス…

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黒曜に導かれて愛を見つけた男の話 小説

六青みつみ  カゼキショウ 

レンドルフ視点

黒曜の災厄は愛を導くのレンドルフ視点のお話です。

長い!果てしなく長い。

そして前作ではわからなかったレンドルフの内面がしっかり書かれていて、また秋人に会えない間に何をしていたかもしっかり書かれています。本当に忙しかったんですね。大変でした。
そして終盤も秋人視点ではなかったエピソードも入ってますね。レンドルフの秋人への愛が溢れて深いです!

レンドルフがそんなに秋人を愛していた…

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黒曜の災厄は愛を導く 小説

六青みつみ  カゼキショウ 

主人公が辛すぎて

異世界トリップファンタジーですね。長かった!
しかも主人公は巻き込まれてトリップしたモブだという。

もう主人公が可哀想で気の毒で辛くて、これでもかとひどい目にあって、何度も先のページを確認したくなりました。
黒髪黒瞳というだけで迫害され生き延びる為に葛藤しながら盗みをしたり野山で野宿したり殺されかけたり。
そして共にトリップした正反対の境遇の春夏に私も何度嫉妬を抱いたか。

秋人の…

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寄せては返す波のように 小説

六青みつみ  藤たまき 

ピュアって最強

かなり前から読みたかったのですが、手に入らなくて。
電子で販売してくれてありがとう!一作目の『蒼い海に秘めた恋』と併せて、やっと読めました。
大人の身勝手さや狡さ、臆病さなどが、とてもお上手に書かれています。
それに向き合わないと幸せは掴めないよね。
だけど、それを自覚して更に立ち向かおうと決意するためには、かなりの犠牲が必要だった訳で。

今作の語り口もお伽噺風。藤画伯のイラストもそ…

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蒼い海に秘めた恋 小説

六青みつみ  藤たまき 

私も『人魚姫!』と思いました

私も「これ、人魚姫だよねー」と思いました!
ちらっと見た姿に憧れて、自分の住んだところとは全く違う価値観の場所に飛び込んじゃうとか、恋する相手に本当のことを言いたくても話すことが出来ないとか、決定的なのは『自己犠牲』ですよ!
結構シビアなことが繰り広げられる部分でも、文章がそれを煽らない語り口の『お伽噺テイスト』なので余計そう感じました。藤たまき画伯のイラストも絵本風だし。
そんな風なので、…

2

ruin -傷- 小説

六青みつみ  金ひかる 

ガルドランが1番魅力的。

大人の立場から言って、ライオネルとカレス2人の愛は互いに依存している。幼い頃から愛に飢えていたカレス。初めて愛してくれたライオネル。彼には他の人が全く見えていない。
また、ライオネルがエリアを好きだと知って、自分が彼を愛していると初めて気づいたと言う記述がありましたが、それって裏返すと大事な宝物を、他人に取られそうになって慌てて執着するような愛ですよね。恋情か情愛かの区別が曖昧。それは暴行された…

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空の涙、獣の蜜 小説

六青みつみ  稲荷家房之介 

恋の不思議

この度、電子で読みました。私の読んだものには稲荷屋画伯の(多分)美麗なイラストはなし。
その所為かな?陵辱強姦がそれほど「痛い」と思わなかったのは?(紙の本を見ていないのでよく解らないのですけれどもね)

レビューが沢山ございますので、感想のみを。
若かりし頃、恋愛体質の友人の恋バナを聞いていて「あー、道を歩いていて水たまりを踏んづける様に恋に落ちちゃうんだなー」と思ったことがあります。

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寄せては返す波のように 小説

六青みつみ  藤たまき 

無意識で恋をするということ

前作はCDで聴き、続編もたいへん切ないと話題になっていたので手に取りました。
素晴らしい作品です。

個人的に『良い!!』と思ったポイントは
ルースが記憶を忘れても、夢を通してエリィを無意識的なレベルで認識し続けている点。
どんなに意識的な部分(すなわち記憶)を失ってしまっても、本人が統制できない無意識のレベルで恋情が蓄積されていく描写が印象的でした。

ルースが記憶障害であるがゆえ…

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騎士と誓いの花 上 コミック

六青みつみ  九重シャム 

リィトの素直さが切ない!

原作未読のままこちらから。
上巻読んで、胸が痛い!
痛いというか、切ない……!
リィトが健気で!

まぁあの境遇で助けられれば、誰だってその相手には懐くと思いますが、
その気持ちがまっすぐな分、役割が切ない。

リィトがまっすぐな分、グリファスの画策が黒く見えてしまいますが、
彼は彼なりに背負っている物があり、葛藤してる。
それがちょっと自己完結し過ぎで、自分勝手な奴に見えちゃ…

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