六芦かえでさんのレビュー一覧

おひさま色の愛しいひと 小説

杉原朱紀  六芦かえで 

光君と若紫

千年以上経っても乙女が萌えるお話のパターンじゃなかろうか?
可哀想な受けさま(若紫を受けと言うのはいかがなものかと思うけれどお許しください)が、孤独な魂を持つスパダリに拾われ、大切に育てられるお話。

あ、源氏物語だけじゃないです。
このお話の中には、少女(あるいは少女の心を持つ者)のはぁとを鷲掴みにするテンプレートが複数入れ込んであると思うんですね。継子いじめであるとか、過去に出会った『…

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おひさま色の愛しいひと 小説

杉原朱紀  六芦かえで 

様式美です。

こちら、時代もの+シンデレラストーリーです。

身寄りも無く引き取られた先でひどく虐げられていた子供が、華族の青年に引き取られる。
そこで愛情を掛けられ、大切に育てられた子供は、やがて美しく成長してー・・・と言ったお話になります。

もうこれ、すっごいベタなんですよ。
内容としては年の差溺愛もので、不憫な受けが攻めと出会って幸せになるというのが全て。
そう、ストーリーとしても、先の先…

18

蜜月ライブラリー 小説

夏乃穂足  六芦かえで 

虚構と現実の狭間で

今回は高校の図書塔に棲む精霊と活字中毒の高校生のお話です。

胸に虚を抱えた受様が攻様の助力を得て周囲との関係を再構築するまで。

受様は活字中毒者の高校1年生です。受様は去年の夏に参加した学校説明
会で案内された古い図書塔に魅了された高校に合格します。しかしその図
書塔は大掛かりな工事のてめに受様が入学した時には閉鎖されていました。

しかも再開予定は受様の卒業後で受様は青ざめ…

1

蜜月ライブラリー 小説

夏乃穂足  六芦かえで 

登場人物みんな魅力的

わくわくするファンタジーでありながら、ハラハラするミステリーというか、もちろんBLなんですけど、たくさん出てくる本とそのストーリーに絡めた、登場人物達の隠れた傷や、わだかまりをほどいていく過程がとても見事でした。
途中急に友達をまとめて紹介される部分があって、ありゃ名前が覚えられないなぁと思っていたんですがそれぞれに対してもストーリーが展開して、慌ててページを遡ったりもしました。
しかしそのど…

6

蜜月ライブラリー 小説

夏乃穂足  六芦かえで 

ほんの少し、物足りなさが

前作『飼い犬に手を咬まれるな』から1年3か月。
『飼い犬~』での衝撃(特にあとがき)があったものですから、次作にあたるこの本がつつがなく刊行される様にと祈っておりました。
今月、もう1冊予定されておられるようですし、まずは「良かった」と思っています。
引き続き、夏乃さんのお話が読み続けられますように。

さて、お話の感想です。
やはり夏乃さんの『痛いエピソード」は半端なく、徹底的に痛い…

2

蜜月ライブラリー 小説

夏乃穂足  六芦かえで 

レーベルは大事

大好きな作家様なので、何も情報を入れないまま読み始めたのですが、六芦かえで先生のかわいらしいカバーと甘めタイトルからは想像できないストーリー展開でした。

冒頭からすごく素敵で、本好きの清良がなぜ活字中毒になったのかや、彼の家庭環境、三年前に亡くしてしまった弟との関係が少しずつ明かされていきます。

(ロー)ファンタジーがお得意の作家様なので、主人公の清良が高校の図書塔に入り込んでしまうと…

4

蜜月ライブラリー 小説

夏乃穂足  六芦かえで 

決して甘くはない

〝蜜月〟という言葉に弱くて、甘美な恋愛を想像してワクワクしてしまうのですが、全くといっていいほど甘い話ではありませんでした。
少なくとも私には重かったし、読後はモヤモヤが残りました。

活字中毒の高校生・清良は、ある日自分の胸に穴が開いていることに気が付きます。
導かれるように向かったのは、今は使われていない図書塔。
そこで図書の精霊・詞葉に出会い、開いた穴を塞ぐための契約を結びーーとい…

12

ロマンスがたりない 小説

吉田ナツ  六芦かえで 

読んでて元気が出る!

中身は小説b-Boy「おバカなこ特集」に掲載された作品で、筋肉フェチのおバカな受けが主人公です。
素朴でやさしいクマさんのような攻めと、明るくてテンション高めな受けによるラブコメで、キャラが生き生きしてて読んでて楽しい。

受けの勤務先であるスポーツジムに、理想を絵に描いたような筋肉ボディの攻めが入会したことからお話がスタートします。

タイプど真ん中の攻めとなんとかお近づきになりたい!…

2

ロマンスがたりない 小説

吉田ナツ  六芦かえで 

言い得て妙なタイトル

これ、本編に対してあらすじが長すぎる(詳しすぎる)と思うんです。あらすじ読まない方が何倍も楽しめます。本編は普通の小説の半分か、それに満たないくらいの長さなので、そして内容的にも小説入門編にはピッタリでおすすめです。イラストも『ここのシーンに挿し絵があったらなぁ』というドンピシャな箇所に5つもある。
あと受→攻→受・・・という交互視点でお話が進んでいくので両者の心情が手に取るようにわかる安心安心…

1

真白に綴る愛しさは 小説

伊勢原ささら  六芦かえで 

切なさで堪えきれず泣く

高槻士郎(32歳)ガラス工房勤務の元商社マン x 草薙凛(17歳)心的外傷で話せない元妻の弟

士郎は相手を労わるどころか、子供時代の経験から、人が苦手。
エリートだったが会社で嵌められ、長野の田舎で一人生活している。
そんな彼の元妻が、ずっと離れて暮らしていたワケあり弟の凛を、
半年間だけでも見て欲しいと連絡をしてくる。
いやいやながら、断りきれず承諾。
声が出なく、人形のように感…

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