木原音瀬さんのレビュー一覧

FLOWER(新装版) 小説

木原音瀬  金ひかる 

永遠に失くしてしまった花

「WEED」で登場した医師・谷脇が主人公です。性悪な鬼男が最後に見せる涙に、愛の不条理さと切なさを感じました。

外科医の谷脇は気弱そうな男子医学生・松本を弄びます。まんまと松本の体と心を手に入れますが、しょせんは遊び。傷ついた松本は谷脇の元を去りますが、谷脇は松本が心底自分に惚れていると疑わず、結婚して間もなく松本の妻が死んだときも、松本を挑発します。しかし、病に侵された松本は突然この世を去…

9

WEED(新装版) 小説

木原音瀬  金ひかる 

雑草男の清廉さと芯の強さに脱帽

肌色の表紙と強姦に気後れして、木原さんの作品の中で読むのを後回しにしていました。平手打ちを食らったような衝撃的な作品でした。恋って、こういう面もあり得るのだと。

金も地位もある自己中心的なエリート医師・若宮が、性悪セフレの谷脇と一緒に強姦した男・岡田と恋に落ちるというすごい設定。しかも、岡田の妻子は交通事故死しており、若宮の患者でした。
何より驚いたのは、奔放に性関係を楽しんできた若宮にと…

8

place 小説

木原音瀬   

ゆっくり恋愛の過程を歩んでいく二人

天使の羽を持ち、嘘と本当を感じ分けることのできる穏やかで優しい横山と、きつい性格で容赦ない口調の隠れゲイ・加賀。二人は玩具メーカーで先輩後輩として出会います。二人の共通点は、これまで誰とも付き合ったことがないこと。秘密と寂しさを抱えながら生きてきた二人が、互いに惹かれ合い、戸惑いながらゆっくり恋愛の過程を歩んでいく描写が、じれったくて切なくて。

これまできつい態度だった加賀が酔った勢いで告白…

4

アオイトリ 小説

木原音瀬  峰島なわこ 

なんだかとっても木原さん!

木原先生のオメガバースということで読んでみましたが、やっぱり木原先生でした(笑)
甘くもなくハッピーでもなく、けれど心に残るオメガバースでした。
こういう内容が書けるのは木原先生ならではだし、書けるのも(編集的にOKが出るのも)木原先生だからと思いました。
しっかりねっとりあとを引く、ビターチョコレートのような作品です。
できれば長編で読みたいです。
書いて下さらないかな。

11

ROSE GARDEN -ローズガーデン(2) 小説

木原音瀬  禾田みちる 

深い愛の物語

1巻の終わりが悲劇を予感させるものでしたので、2巻を読み始めるのが辛くて。でも、読み終えたとき、深い愛の物語に心が震えて仕方ありませんでした。

再び羽が生えてきて天使の力を取り戻したカイルは、「自分は死んだら消えてなくなる」とウォーレンをだまして、天に戻っていきます。しかし、大天使・アガサ様の傍には既に別の天使が仕え、自分の存在意義を見失ってしまいます。そして数十年の時が立ち、スネアの魂の導…

2

是 -ZE- ファンブック コミック

志水ゆき  新也美樹  北沢きょう  橋本あおい  未槻直  雨隠ギド  カキネ  三池ろむこ  立野真琴  木下けい子  ねぎしきょうこ  阿部あかね  小椋ムク  津守時生  門地かおり  夏目イサク  南野ましろ  麻生海  二宮悦巳  草間さかえ  北上れん  小鳩めばる  藤川桐子  金ひかる  木原音瀬  栗城偲  一穂ミチ  久我有加  榎田尤利 

豪華ゲスト執筆陣の「是」への愛を感じます!

ちるちるさんのくじ引きで頂いたギフト券にて、かねてから気になっていた本書を手に入れました!ありがとうございます‼︎
とても悩んだりしたのですが(ゲスト執筆陣の中には存じ上げない方もいらっしゃるので。)とても良かったです。何よりもまず、プロの方々が一ファンとして「是」を愛してらっしゃる、その溢れる愛情を感じて、嬉しい気持ちになります。そして描き下ろし‼︎ 大好きな「玄間 × 氷見」番外編。滴るお色…

4

ROSE GARDEN -ローズガーデン(1) 小説

木原音瀬  禾田みちる 

人の弱さ、愚かさを描いている

天使と悪魔という設定に興味が持てそうもなく、木原さんの作品の中で読むのを後回しにしていました。
読んで驚きました。深い示唆に富んだ作品です。天使と悪魔をモチーフにしていますが、外見や出自、能力により差別することをやめられない人の弱さ、愚かさを描いているのだと思いました。

物語の舞台は、中世ヨーロッパのような、ある村。化け物が住むと言われる森の向こうの平原、高い塀に囲まれた家に、天使・カイル…

4

キャッスルマンゴー 2 コミック

木原音瀬  小椋ムク 

優しさでつながる世界

夏祭りで女子と一緒の万を見た十亀は、万から一方的に距離を取り始めます。理由もわからず戸惑う万に、追い討ちのように、母の入院、ホテルのボヤ騒ぎと、次々と困難が降りかかります。
こういうときこそ傍にいて欲しいのに。「頼るって、相手が自分のこと思ってくれてるってわかってないとできないんだよな…」と涙ぐむ万が、切なくて。そして万は、十亀が自分を無視するのに弟には会うのを知り、悲しくて、だんだん自分の気持…

5

COLD HEART in NEWYORK 小説

木原音瀬  麻生ミツ晃 

覚悟して読んでください

年下陵辱攻め好きだし~!時間あるから気になってたしコールドシリーズでもよむか~!って軽い気持ちでポチったのが昨日の昼間。(電子版)The FInalを残して5冊分一気読みしました。電子版the Finalは3日後ダウンロード開始なので今週末に読みます...ハイ...。

何なんでしょう...陵辱攻めとかって簡単に言葉にしてはいけないものだと思い知りました。とにかく痛い...痛い...痛い...…

3

キャッスルマンゴー 1 コミック

木原音瀬  小椋ムク 

嘘から始まった恋だけど

AV監督でゲイの十亀と実家がラブホテルの高校生・万の出会いを描いた本作は、時系列的には、小説「リバーズエンド」に収録されている十亀の高校時代の話と十亀・万のその後の話をちょうどつなぐ位置にあります。さらに先の未来は、番外編集・HOLLY MIXの中の「end roll」で描かれています。小説のイラストも小椋ムクさんでしたが、コミックがあることで、二人の人物像をよりイメージしやすくなっていると思いま…

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