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まりぽん812
ネタバレ
本編の最後で気持ちを確かめ合ったハッサンとファウジがロンドンに移り住み、二年たった頃のお話。 ファウジは目の手術を受け、もののありかが分かるくらいには視力が回復しましたが、外出はハッサンに手を引かれてのようです。ツンなファウジにとっては、手をつなぐ理由があって、よかったではないですか(笑)。 夕食を食べに二人で外出したものの、「寒い、寒い」と騒ぐファウジを黙らせるため、ハッサンはファウジの…
木原音瀬 笠井あゆみ
アラブもの、獣姦、輪姦に恐れをなして、木原さんの作品の中で読むのを後回しにしていました。淫靡で過激な描写がこれでもかと続きますが、最後には愛という小さな希望が用意されており、そのコントラストに圧倒されました。こんな愛の描き方もあるのかと。 アラブの大金持ちの息子・ファウジは、白人娼婦だった母親の面影を色濃く受け継ぎ、金髪碧眼の美しい容姿を持っていました。しかし、大金持ちだった父親は没落し失踪…
木原音瀬 藤田貴美
ちるちるさんのツイートで何度か目にして気になっていた作品。でも、電子書籍化されておらず、本屋を何軒も回って紙版をやっと手に入れました。最初に出版されたものに書下ろしを加えて文庫化されたものです。 前世に想いを残して死んだ男女が男同士に生まれ変わって再び巡り合うのですが、その残った想いゆえに前世とは違う結末に魂を昇華していくお話です。 洲脇義国(前世・男・宮澤)と有田英一(前世・女・文)…
全サ小冊子だった本作品。後から木原さんの作品にはまった私には本当にありがたい電子書籍での配信です。電子書籍なのに、プリントアウトして小冊子みたいに綴じて、本編2冊と共に手元に置いているという…。思い出したときサッと手にとるには、やはり紙がよくて。何度読んだことか。もう好きすぎて…すみません(笑)。 やっと結ばれた寛末と松岡。物語は、二人が新幹線の駅で別れた後、松岡が職場に遅刻するところから始…
木原音瀬 日高ショーコ
初めて読んだとき、口絵イラストの寛末のセリフ「(松岡に)キスしたい衝動が押し寄せてきて…」に、すごく驚いたのを思い出します。上巻を読んだ後では、寛末が松岡を好きになる展開が全く想像できなくて。 付き合っていた葉山さんと別れた寛末が、松岡に「好きだと思うんだ」と告げる踏切のシーン。松岡はしゃくりあげて泣いてしまいます。『涙が落ちる分だけ、気持ちが崩れる。辛うじて自分を保っていたものが、もっと弱…
木原音瀬 禾田みちる
fandesu
電子書籍で読了。挿絵、あとがきあり。 読むのを止められなくて、こんな夜中になっちゃった。 ああ大変だ。明日(正確には今日か)も仕事があるのに! 前半1/3までは1巻の続き、それ以降はROSE GARDEN2で、この部分が『書き下ろし』になるのかと思います。 あとがきによれば、なかなかこの書き下ろし部分が書けなかったそうで。 木原さんも色々と考える部分があったのでしょう。「堂々巡り…
電子書籍で読了。挿絵あり。 この本は何となく手に取りづらい雰囲気があるのでしょうか? 木原さんのお話は大概読んでいるのですけれど、私も何となく後回しになってしまっていた本作。 どうしてなんでしょうね? 読み終えた感想は「気晴らしにBLを読みましょうか」という軽い気持ちで読むと大怪我をしてしまう様な「全くもって木原さんの本でしかない!」物語だったのですが。 悪魔(人間とのハーフなん…
日高ショーコさんのイラストに惹かれ、初めて手にした木原さんの作品でした。あまりに好きで、何度読み返したか分かりません。 優しいけれど仕事の要領が悪く、垢ぬけない寛末。人の気持ちに敏く、仕事もできるイケメンの松岡。同じ会社にいながら接点のなかった二人でしたが、気晴らしに週末の女装を楽しんでいた松岡がトラブルに合ったとき、寛末が松岡を女性だと思って助けます。松岡は自分が男だと明かせないまま『葉子…
木原音瀬 金ひかる
前作「FLOWER」で、恋人の松本を失って初めて愛に気付いた谷脇。急患で手術した自閉症の少年・佑哉に松本の面影を感じて、行き場のない彼を引き取り暮らし始めます。初めは松本の身代わりだったのに、気づけば扱いの難しい佑哉の世話を焼き、可愛く思い始めて。しかし、谷脇が佑哉自身を愛していると気付いた途端、佑哉は谷脇の元を逃げ出してしまいます。 以前、私は自閉症のお子さんの特性について知る機会がありま…
「WEED」で登場した医師・谷脇が主人公です。性悪な鬼男が最後に見せる涙に、愛の不条理さと切なさを感じました。 外科医の谷脇は気弱そうな男子医学生・松本を弄びます。まんまと松本の体と心を手に入れますが、しょせんは遊び。傷ついた松本は谷脇の元を去りますが、谷脇は松本が心底自分に惚れていると疑わず、結婚して間もなく松本の妻が死んだときも、松本を挑発します。しかし、病に侵された松本は突然この世を去…