木原音瀬さんのレビュー一覧

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

純愛の極地!

木原先生作品の中でもこれはことにお勧めしたい一冊。

元・恋人を殺して冷凍庫に入れた啓太と、ちょっとオツムの弱そうな充を中心に進んでいく話ですが、
そんな、はたから見ればイビツな二人がたまらなく愛おしく、美しい。

恋人になじられ、はずみで絞め殺した啓太は、苦悩の末、大型の冷凍庫を買い込んでそこに死体を入れます。
しかし、それからというもの、日々、殺した恋人の幻影に悩まされ、自宅に帰れ…

7

WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

BLにもこういう作品が必要

何度も読み返したい作品かといわれるとそうではない。
胸糞悪いです(苦笑)
BL版バトル・ロワイヤル?うーん、ドゥームズデイ?
ただ、やたらナンセンスな甘さだらけのBL界にあって、一石を投じるストーリー。
ま、文学界全体から言えば、特段、目新しさはないので、そう考えるとこの程度で賛否両論になるBLってまだまだ文芸として底が浅いなってことになるんですが。

えー、しかしあえて神評価。
何…

7

嫌な奴 小説

木原音瀬  坂井久仁江 

和也から三浦に共鳴していくグラデーションが圧巻!

世の中、どーーーーしても気に食わない奴っていうのはいるもんです。
そういえば、ワタクシにも学生時代、どーーーしても気に食わない奴がいたなぁ…。
しかも、結構しつこくつきまとわれていた。
まぁ、ワタクシの場合、大学を卒業したら、その後、音沙汰ないけどね。

これは、大学4年間どころの騒ぎじゃない、それこそ小学生の頃からずっとずっと、嫌いな奴に追い掛け回される不幸な男の物語。
んんー、わか…

8

FRAGILE 小説

木原音瀬  高緒拾 

愛憎という言葉がピッタリな作品

こうくるか、こうくるかと何度突き落とされたことか!
容赦ない展開に痛い、痛いよ~っ!となりつつも、最後まで目が離せないのです。
息苦しくて、読み始めた当初はもんのすごい展開に「これ、ラブはあるのか…?」とも
思ったのですが…そんな愛とか甘さだとか全部置いといて、まず浮かぶ言葉は
「愛憎」です。
あらすじに『2人が踏み込んだ愛憎の迷路』と書かれていたのですが、
まさにこの作品にピッタリで…

6

恋について 小説

木原音瀬  大竹とも 

「愛しいひと」の素直ヴァージョン?

レズビアンと偽装結婚をした、冴えない公務員・笹川と、気配りのできるブライダル・コーディネーター・朝霞。
地味めな男と、どこか華のある男のカップリングって…「愛しいひと」に似てないか?

もっとも、木原先生作品には、平凡で取り得に欠ける人というのが出てくるので、そこはお約束かと。
どちらもノンケでじれったく牛歩のリズムで進んでいくイライラ感には慣れましたが。
木原先生作品にしては動悸・めま…

2

The drop of summer 小説

木原音瀬 

NOW HERE続編

NOW HERE続編を読みたくて、購入した本作。

仁賀奈と福山の続編。
ラブラブ後日談かと思いきや、やはり、
完全なあまあまにはならないとこがミソですね。

仁賀奈は福山と仁賀奈の趣味のバードウォッチングに行き、
車の中でエチを。これだけ書くと、あまあまじゃんなのですが、
仁賀奈視点での展開なので、仁賀奈にとっての引け目が
なんとも、痛くなります。
若い福山を利用してしまって…

2

恋について 小説

木原音瀬  大竹とも 

ゆっくり進む

実は、同人誌の「The drop of summer」を読もうとしたときに、
本作の番外編も入っていると知り、読むことにした作品であります。
なので、正直に言いますと「強く、読みたい!」と思った作品ではなかったです。
ところがなのか、だからなのか、非常に素敵な作品でした。

ブライダルコーディネータの朝霞は、初めて担当した
顧客カップルの笹川に再会した。挙式では、
あまりに素敵なカッ…

2

パラスティック・ソウル -おわりの章- 小説

木原音瀬  カズアキ 

予想以上の面白さ

おわりの章の発売が遅れて、まだかまだかなんて待っていたので期待が膨らみ過ぎて
でも、その期待を裏切ることが無い内容で満足の1冊になっていました。
前作のキーマンである天才科学者のブロイルスが作った薬によって
運命が大きく動き出した前作の主人公たち、最終章は前作に引き続き翻弄される
主人公たちと、ついにキーマンのブロイルスが登場します。
その一辺倒でないストーリーの内容に度肝を抜かれそして…

9

美しいこと 上 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

ずっと大切にしていきたい作品

次の日朝から仕事だとわかっていながらも、『寝不足になってもいいやい!』と
一気に上下巻読み切った、大好きな作品です。
もう、胸が苦しいというか、えぐられるというか、なんと言ったらよいか…。
とにかく『この作品に出会えてよかった』と心から思えた作品でした。

どうして木原先生はこんなにも深い物語を書けるのか、そして日高先生の絵も
美しいこと美しいこと…!(シャレか!)

「江藤葉子」…

4

さようなら、と君は手を振った 小説

木原音瀬  深井結己 

淡い狂気のスパイラル

見栄っ張りで浮気性の誠一に憎たらしさを感じる読者って多いんでしょうが、むしろ、相手にされるがまま、全てを受け入れてしまう啓介の方が嫌だった。

いやなんですよぅ、こういう菩薩のような「受け」。
誠一のような身勝手なヤツには「理想」そのものなんでしょうが。

ところがどっこい、チャラ男の誠一は何を思ったか、今までの悪の数々を正して、啓介一筋!5年も待ってしまうという徹底ぶり。
そしてめで…

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