木原音瀬さんのレビュー一覧

吸血鬼と愉快な仲間たち 5 小説

木原音瀬  下村富美 

勇気を持ってページを開いて

「なんでアルが黒髪?」
 下村さんの美しい絵を見ながら感じた疑問が読んでいくうちに解明します。 自立していく彼がまぶしくて嬉しい。

 番外編は…
 眠れなくなるかもなので、覚悟してお読みください。
 木原音瀬さんの人間描写は本当に容赦がなくて、辛いけど、大好きだ。

 暁にとっても。
 何故、アルでなくてはならなかったのか。
 それがよくわかる一冊です。
 一巻からまたちゃん…

3

嫌な奴 小説

木原音瀬  坂井久仁江 

「FRAGILE」と共通するものが

むつこさんと同じでこの作品の基本的なテーマは「FRAGILE」と同じ流れなんだと思う。
まああっちの方が描写的にはエグかったりとありますが、感情の流れは一緒なんですよね、三浦〔攻〕は和也〔受〕の事が好きで好きで愛しているんだけど、和也の方は三浦が嫌いで彼の愛情を受け付けない。
そして三浦は和也が自分の事を嫌っているのを知っているんだけど、それでも愛する事を止めない。
執拗に追ってくる、どこま…

1

プレイス 小説

木原音瀬  館野とお子 

不思議な感じ

背中に天使の羽を持つという横山〔攻〕、空だって飛べちゃいます。
ファンタジー設定なのに、普通に会社員していて、あまりファンタジー色は感じなくて話自体の基本はリーマンモノに近いと思う。
でも横山には羽だけでなく、人の心の真実が分かるという能力も持っている。

そんな横山が営業でコンビを組んでいるのが仕事は出来るけれど何かとキツイ事ばかりを言って協調性にかける加賀〔受〕
横山は最初は加賀との…

1

FLOWER 小説

木原音瀬  金ひかる 

やりきれない

表題作「FLOWER」はWEEDで出てきた谷脇〔攻〕の話なんですが、これが何とも切ない……。
WEEDを読んでなくても分かるけど、あらかじめそちらを読んでいた方が分かりやすいと思う。
最後に号泣する谷脇の姿に名作映画フェリーニ監督の「道」のラストでのザンバノが嘆くシーンを思い出しました。
失って、そしてその時じゃなく後になって自分の気持ちに気付く、どうにもやりきれないそんな話です。

「…

1

片思い 小説

木原音瀬  桑原祐子 

痛くない木原さんと思いきや…

表題作と、短編。
おお、これは痛くない木原さん作品だなーと思ってたら、本編じゃなくて同時収録の読みきり短編の方が痛い系来たですよ!
話的には、自分は表題作より「花の宴」の方が好みです。

「花の宴」
両親離婚後、父親に引き取られている雅人。
父親は再婚しますが、雅人はこの義母とは折り合いが悪く嫌われている。
そんな時、雅人は、連れ子の義兄と父親がセックスしているのを見てしまうのですな…

0

眠る兎 小説

木原音瀬  車折まゆ 

嘘と嘘と

木原作品の好きなところの一つには
「おいおい勘弁してくれよ」と思っていた相手に
いつの間にか夢中になってしまうなんとも可愛いキャラクターであります。
もちろんいろんな意味で心にグサっとくるイベントがな気にしもあらずなのですが、含めてのキャラクターたちが私は好き。
今回の二人は生徒×教師。
最初の出会いはいたずらで出した手紙。
嘘を連ねた言葉と設定と。実は相手も同じように嘘をついていて

5

夜をわたる月の船 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

人生、これ以上の萌えは無い・・・

帯文句を見た時、なんちゅうステキな言葉をばらまくんだ!!!と驚喜しましたが、読んでみてさらにびっくり。
はっきり言って、この本で初めてオヤジが大好きになってしまいました。
最後の最後まで、主人公の相手、おっさんは心の内を小説の中で心を書き表せません。それが見たいい、聞きたい、虐めたい、の読み手を煽り続け、新手の「エロエロナンセンス」か!!!!!とも思いました。少なくとも、嗜虐的な性を好む私とし…

6

吸血鬼と愉快な仲間たち 5 小説

木原音瀬  下村富美 

ここで、こうきたのか

第4巻で、アメリカに置き去りにされたアル。
この巻では、その後の、アメリカに残されたアルの話「吸血鬼と愉快な仲間たち5」と、暁の過去を描いた番外編が収録されています。
っていうか、分量的には「番外編」の方が多くて、こっちがメインかな。

本編は、アメリカに残されたされたアルが、完全な吸血鬼キエフや、暁の友人でエンバーミング施設を営むパットと暮らしつつ、ただ暁に依存しているような一方的な恋か…

10

place 小説

木原音瀬   

なかなか不思議

おもちゃメーカーの営業の、地味なサラリーマン横山は、背中に大きなヒミツを背負っていました。
それは真っ白な天使の羽根。
その横山と組むことになった加賀は、仕事は出来るが辛辣な物言いと冷淡な態度で、、、

めんどくさ!
この加賀が、非常にめんどくさくて、バカです。
木原先生の作品の登場人物には、人としてこれは不味すぎないかって言う、容赦ないダメ人間が出てきがちですが、この加賀も、かなりな…

2

リベット 小説

木原音瀬  藤田貴美 

淡々と

親友と思っていた男に強姦され、更にそれによってエイズになってしまった初芝。
その親友は既にエイズで亡くなっていて、怒りをぶつける先もないという全く理不尽でやりきれない酷く残酷な目にあった初芝。
ホント、木原さん痛い設定でやってくれるなあ……。

初芝はその病を隠しつつ、恋人(女性)と付き合い、教師をしています。
しかし後輩教師の乾は、初芝がエイズである事に気付き何かしらと世話を焼き心配を…

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