木原音瀬さんのレビュー一覧

深呼吸 小説

木原音瀬  あじみね朔生 

深呼吸の意味

 40過ぎで淡々と仕事をこなす谷地と、彼の上司であった30過ぎの榛野のお話です。
 
帰国子女で、何でも合理的に考える榛野は、上司のリストラ対象者選考命令を受けて谷地をリストラしてしまいます。
 谷地はどこか納得できないものの、現実として受け入れ、家近くのホカ弁屋でバイトをするのですが、そこにはなぜか榛野が通い詰めているのです。その上、榛野は谷地に本を借りる口実で彼の家にまで通い詰めるよ…

5

薔薇色の人生 小説

木原音瀬  ヤマシタトモコ 

皆寂しくあたたかい

最近読みたくてウズウズしている木原音瀬さん小説。
それに加えて、大好きで止まないヤマシタトモコさんの挿絵と聞いて、買わない訳がない!
という事で、年末年始休みの楽しみとして購入致しましたこちら。

黄色味がかった背景に、色味の薄いシャツ。
手には白い薔薇。
決してもえるような赤ではなく、ピンクでもなく、果たして本当に2人は「薔薇色の人生」なのかと疑いたくなるような、そんな表情のいでたち…

4

WEED 小説

木原音瀬  金ひかる 

木原作品にしてはマトモな気が?

木原作品といえば、やたらヒドい攻めが出てきたりすることがありますが
これもそれの一種なのか?

木原音瀬作品に3Pエロエロってめずらしー…と思って見てみたら
しょ、しょっぱなから3Pですかwww
いやしかし、ここでエロスを期待してはイケナイ。

粛々と読み進めていくと、強姦した側×された側が不思議な縁で
結ばれていることを知る。
すいません、ワタクシここで心理ドラマ的な展開をもん…

3

リベット 小説

木原音瀬  藤田貴美 

全ての願いが叶うわけじゃないけれど

中出しやフェラなどの性描写が多いBL小説でエイズについてしっかり書いてあったのには驚きました。ノンケであり無病の私がこの作品をリアルだと言ってしまうのは違うと思いますが、物語特有の空想的な甘さが少ない話でした。同性愛小説はファンタジーなどと言われている中で、この作品はシビアです。

男女が対照的に書かれていたことも面白かったです。
女性たちは、自分がしてもらう事ばかり考え、好きだと告げたはず…

4

箱の中(文庫版) 小説

木原音瀬 

名作

いつかは読み返したいと思っていた作品の文庫化!
ということで、思わず買ってしまった一作。
読みたい!の衝動で買っといていつまで放置。。。ってのは
いつものことなのであります。

お話は、痴漢の冤罪で捕まった堂野(受)と、殺人の罪で刑務所にいた喜多川(攻)との馴れ初めから~から~なお話。
以前読んだ時には、もっと感情移入して読んでいた気がしたのですが
時が経ったというのか、自分の中で何…

2

男の花道 Don't Worry mamaシリーズ 小説

木原音瀬  志水ゆき 

オネエ×オタク

以前のシリーズは未読。
や、手元にはあるんです、そうなんです。
これを読んだら一気に読みたくなりました(〃´∀`〃)ノイカンネ
というわで、Don't Worry mamaシリーズ最新作!
発売してすぐにかったのに寝かしすぎた。
いい具合に熟成いたしましてこのたび~なのであります。

なんにせよ、ゴツイ髭オネエ×ロリ巨乳好きノンケなオタク
設定が斬新すぎるよ木原さん!!笑…

5

男の花道 Don't Worry mamaシリーズ 小説

木原音瀬  志水ゆき 

愛はマグナム超え

こちらでオススメして頂いた小説です。
木原さんの小説で初めて読んだのは『リバーズエンド』ですが、初めて買ったのはこの『男の花道』。
読もう、いやあとにしよう。読もう、いやもうちょっとあとにしよう。
そんな事を繰り返している内に今に至り、読み終えた感想はというと、
「早く読んでおけよ自分!」
でした(笑)

シリーズもののスピンオフとの事ですが、そちらは未読です。
あとがきにもある通…

5

情熱の温度 小説

木原音瀬  山田ユギ 

エゴイスト

99年の作品でイラストのユギ氏もまだ靫という漢字のPNだった頃の作品(ユギ絵狙いで入手)
この恋愛の不毛さ!あとがきで木原さんが、割とスタンダードで王道でしょ?っていわれてるけど・・・いや、王道じゃないから(爆!)
王道なのは生徒×先生っていうカップリングだけだからねwww
というのも、生徒の一途で健気で優しい根気強さがあればこそ。
先生に至っては、過去を引きずり女にこだわり、自分しか見て…

3

美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

傲慢で身勝手で繊細

人を強く思う事で、松岡は自分の心の底の弱い部分を露呈されていくのが分かります。
そして、思われる事で、寛末は勝手でご都合主義で人の気持ちをぞんざいに扱う自分が湧き出ます。

読み進めていくと、本当に本当に、葉子であった松岡と寛末の関係性が、見事に逆転していくのが分かる。
確かに寛末は、葉子を抜きにして松岡自身と向き合える――そう思ったから葉山とも別れたのだし、その気持ちに松岡の心は震えた。…

7

美しいこと 上 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

ジリジリと痛む胸の内

江藤葉子の気持ちとしても、男・松岡の気持ちとしても、かなり早い段階から切なさが込み上げて涙を零してしまいました。

自分を「葉子」として見て入れ込む寛末に罪悪感が生まれても、自分を欲して止まない男の姿に優越感をひたすら感じる松岡は、性別を超えて共感するものがありました。
あれだけ自分だけを求めているんだろう、と分かれば、自身の熱だって上がるんじゃないかと思うから。

それが徐々に、自ら葉…

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