木原音瀬さんのレビュー一覧

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

面白くてどんどん進む

まさか一体誰がしょっぱなから冷凍庫に○○が入ってると思うよ?
という感じなのですが、これ…BLでよかったんですよね………?
な感じの読み始め。
序盤で謎解き出来てしまい、以後安心しながら読むことが出来ました。
とはいえ、お話は至って真面目。
純粋すぎるくらいに純粋な心を持った攻の杉浦と、卑屈で微妙に根暗な受の啓太。

このお話はそれぞれが持つ『秘密』に焦点をあてたものだとは思うんです…

5

リベット 小説

木原音瀬  藤田貴美 

蒼竜社さんありがとう

BL界では多分、よっぽどのことがない限りはNGネタ。
蒼竜社さんがまだ木原レーベルと言われてた時代に発行された作品ですが、この出版社さんと木原さんだからこそ世に出せた野ではないかと思います。

10t級の重さのテーマ、今回はエイズ感染者が主人公です。
軽々しく扱える題材ではないのを理解してて、それでも書いてしまうのが
この作家さんの凄いところだと思います。
正直言ってBL的ハッピー展開…

7

あいの、うた 小説

木原音瀬  宮本佳野 

ある意味現実的すぎて痛い

物語は始終淡々としていて、夢に破れた男達の話が延々続きます。
それはもうしつこい程に。もうわかったら、その辺で傷口に塩すり込むのはやめといてあげて……と思わず木原さんの背後から肩を叩きたくなるような気分。

いつものような痛い描写があるわけではないんですが、随所に出てくるセリフに、胸がクサっと突き刺されるような気持ちになります。
傷つくとかそういった感情ではなくて、せつなく優しい、そして歯…

3

恋について 小説

木原音瀬  大竹とも 

この表紙すごい好き

攻は何の取り柄もない地味でいけてなくて優柔不断な攻と、若干空回り気味で色んな意味で不憫な受。
何の変哲もない地味な設定なのに、最後まで一気読みしてしまう吸引力がありました。

とにかくね、すれ違うすれ違う。
もう何をどうやってどの辺のボタンを掛け違えたらこうなるのかって勢いで、見事なすれ違いっぷりでした。
そのすれ違いがまた切なくて、この冴えない攻を見てると、イライラしっぱなしなんですが…

1

美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

せつなくて震えるぜ!

上巻の感想は上巻に書きました。こちらでは下巻のみの感想です。(愛しいことまで読後ですが)
松岡が気になる、この気持ちは何なのか。寛末の気持ちの決着を付けようと、また会い始める二人ですが、常に気遣いを忘れない松岡の姿が健気で切なかったです。寛末は、結局自分の松岡への気持ちが恋じゃないと結論づけますがなかなか言えません。酷い奴だとつくづく思います...。でも女だと思って恋していた憧れの人が実は男だ…

6

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

読んで放心する本

いやぁ……前作を読んでから、いてもたってもいられずに手を出しました。
翌日仕事で眠くても、眠さなんて吹っ飛ぶくらい引き込まれます。
心をごっそり持ってかれてしまって、真夜中に放心状態です。
心をね、抉られてしまう。

結局はハッピーエンドなんですが、これは単なる恋愛ものではなく、家族愛に恵まれなかった喜多川の生涯の物語だったんだと思います。
堂野が喜多川にむけた愛は恋愛感情での愛ではな…

13

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

これは是非2冊揃えてから

冒頭から心ごと持っていかれてしまって、もう最後までノンストップ。
これ以上読んだら展開的にヤバイ……次をめくるのが怖いと思いながらも、先を読まずにはいられない。
おそろしいほどの吸引力で、途中でページを閉じるのを許してくれません。
というくらい話がしっかりしていて面白かったです。

痴漢に間違われて服役している受と、ある理由から殺人罪で服役していた攻の、もう不器用すぎるくらいにせつない恋…

1

眠る兎 小説

木原音瀬  車折まゆ 

時代を感じる媒体

不器用で卑屈で人間の負の部分を全面に押し出した受が登場。
嘘で塗り固められた恋の始まりは、今ではなかなか見ることの出来ない出会い方。
好きになる程に嘘が苦しくなり、5歳年下の攻に年齢差で不安を感じてた所に、じつは5歳じゃなくて10歳も年下でした。
しかもアンタが勤めてる高校の生徒でした。
という、体裁を気にしすぎる真面目な受にはもう衝撃の事実。

はじめは面白半分だった攻も、あまりにも…

4

美しいこと 上 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

心に響く切なさ、、、

美しいことを読もうと思ったきっかけは日高ショーコ先生の絵でした。でもその後、箱の中シリーズで木原音瀬先生に魅了され、こちらの作品を購入しました。
美しいこと上巻、下巻、愛しいことを読み終えて一週間程経ちましたがまだ熱りが冷めません。今でも松岡と寛末の色んなシーンを思い出しては切なくなって泣きそうになります。こんなに心に響くBL小説は初めて読みました。BLにハマってまだ日が浅い私ですが、この作品は…

15

ergo vol.5 ~木原音瀬セレクション~ コミック

木原音瀬 

木原音瀬作品の入口に是非

木原音瀬作品のコミック化作品が連載形式で読めるという何ともチャレンジングなシリーズ。こういう企画が成り立ってしまうこと自体、さすが木原音瀬さん…!と感心してしまいます。

このvol.5は完結編に当たります。原作を一つも知らなくても楽しめると思いますが、原作を知って読むと何倍も面白いシリーズです。内容には興味があるけど小説は苦手~…と感じている人にとっては木原音瀬作品への入口になるのかも。

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