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木原音瀬 茶屋町勝呂
ふばば
ネタバレ
まず、茶屋町勝呂さんの暗い色合いの、切り絵のような表紙・挿絵の迫力が凄いです。題名の「秘密」との相乗効果で、追い立てられるような、色のない作品世界が迫ってきます。 (ネタバレ注意) 知的障害っぽい攻めと統合失調症っぽい受けの物語。 攻めの杉浦充の障害は、実際はディスクレシア。識字障害というものです。知能指数的には決して劣ってはいないけれど、その違いのわからない厳格で権威主義の父親から…
木原音瀬 高緒拾
薄雲
ピンクの背表紙と、それに相反するようなハード表紙。 近年あまり手を出していなかった【全裸の受に首輪付き】ですよ。 読む前からヤバイ香りが全面に押し出されてますが、読み始めると自分の読みの甘さにのけぞりました。 鬼畜犬プレイがガチすぎです! 受の大河内が徹底的に嫌なやつすぎて、同情する気にもならないのですが、攻の青池のヤンデレっぷりももう半端なくて、完全にヤバイ人です。 普通にこん…
木原音瀬 あじみね朔生
表題作が受け視点で、後日談あるいは同時系列が攻め視点、というパターンはBL小説ではよくあると思われます。そしてもちろん視点は違えど破綻などはないのが当然… ですが、この「深呼吸」。 表題作「深呼吸」と後日談「深呼吸2」では、視点の変化とともに受けも攻めもまるで別人のように立ち現れる。 「深呼吸」では、リストラされて今はお弁当屋さんでバイトの40代谷地が、その向上心のなさや慣れに流されていく勤…
木原音瀬 深井結己
こわい。 木原音瀬さんはどうしてこういう物語を書けるのだろう…? 「さようなら、と君は手を振った」 なぜこのラストで「攻めザマあ」と思えないのか… 酷く残酷な男誠一。最後に誠一を切り捨てる啓介だが、啓介の真意、それを理解する誠一の2人共が哀しくて、こんなろくでなしに恋をしている啓介が哀しくて、誠一が初めて知った絶望が哀しくて。 「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」 私はこの…
木原音瀬 山田ユギ
暗い、重い、しんどい、と心理面にクリティカルヒット系でした。 【振り向かない相手を無条件に想い続ける】という、攻の吉川の健気でせつなすぎる行動が見ててつらいです。 そして教師である受の泉野がもの凄く嫌な奴なんですよね……。 自分はノンケなのに吉川の一途な想いに甘えきって、それを自分の寂しさを埋めるために利用し続けるんです。 ただ本当は吉川の事が好きなのに、保身や体裁を考えて他の人と付き合っ…
木原音瀬 稲荷家房之介
中学生の頃、北澤は電車で大宮という男から痴漢に遭います。 それをネタに金をせびり、ご飯を奢らせ……と何だかもう序盤から北澤の傍若無人っぷりがすごい。 家庭環境に恵まれず両親が離婚したことで愛情に飢えてる北澤は、誰よりも自分を欲してくれる人間である大宮を利用し尽くします。そして最後に捨ててしまう。 それから5年。 再会したふたりは惹かれ合って付き合うようになるんですが、北澤の可愛さが破壊…
木原音瀬 北畠あけ乃
表題作よりも、1作目の【水のナイフ】が衝撃でした。 この作品、投稿作品で期待賞を貰ったそうなんですが、投稿作品でこの鬼クオリティって……と愕然とします。 もう先が気になって気になって、大事に噛みしめるように読もうと思うのに、それを許されずにぐいぐい強制的に引っ張られます。 読んでると周囲の音がなくなるくらい、夢中になってしまいました。 作品自体がかなりの昔になるので、携帯電話が存在しま…
木原音瀬
豆まめ
今さらではありますが。この作品はBLにおけるお約束の展開、萌え、非日常などエンタメ要素のみを求めておられる方には受け付けないかと思います。こうして一般書としても刊行されたことが示している通り、BLというジャンルで括るにはあまりに人間臭く、文学的で、お決まりのロマンティックさはありません。 私も当初、BLにはエンタメ性だけを求めていたため、予備知識なく初木原さん作品「熱砂と月のマジュヌーン」を…
木原音瀬 元ハルヒラ
霧笛丸
タイトルだけ見るとどんな感じなのか分かりませんでしたが、歳の差ラブのステキな話でした。 攻めの大宮と受けの北澤は14歳差で、大宮が中学生の北澤に痴漢をしたのが二人の出会いです。時にドロドロでいて微笑ましいラブが「ライン」から「dessert box plus」の4編に渡り描かれています。 中学生に振り回される大宮と、不安定な中学生からいい感じの大人になっていく北澤と、美形なのに酷い役回りの千博…
ゐずみ
萌えるかどうかではなく、評価という意味では間違いなく神作品です。 一般文芸としてとか、BLとしてとか、括って考れば 異なる評価になるとも思いますが、細かいことはどうでもいいと思わせる熱量があります。 傷ついた堂野が自分を一途に必要としている喜多川を受け入れたのは理解できても なぜ喜多川が堂野に執心したのかは読了後もよくわからない。 (なつやすみやすすきのはらなどの番外編は未読なので) …