木下けい子さんのレビュー一覧

待ち合わせは古書店で 小説

榊花月  木下けい子 

淡々としたお話

 男やもめの古書店店主・涼介が、万引き犯だと間違えた高校生と交流していく話。
 万引き犯だと思って捕まえた高校生・波頭は、実は違っていて、「何かお詫びを」という涼介にどういうわけだか、だったら「飯を食わせろ」と言う。
 そのまま、頻繁に食事をしにくるようになった波頭であるが、高校生がそんなに頻繁に人様の家で食事をしていていいのだろうか? また、こんなところにきて楽しいのだろうか? と疑問に…

1

薄情な男 小説

高岡ミズミ  木下けい子 

どっちつかずが惜しいです

高岡さん、1月に新刊出て以来久しぶりの登場です。
新作は、何となく軽そうなノリを装っているのに明るくなりきれない、何となくもやもや~としたものを、煮え切らないものを感じてしまいました(涙)
展開は、高校卒業以来連絡が途絶えてしまった実にお神酒徳利だった幼馴染が突然10年経って主人公の前に現れる。
彼女に振られ結婚が駄目になり、会社も辞めて地元に戻って来たのだと、主人公の元に転がり込むのです。…

2

オールトの雲 小説

一穂ミチ  木下けい子 

淡々と続く愛情

前作を読んだどきはくせのある文章だな、と思いましたが、慣れてきました。

淡々と進む文章の中で、流星が泣くイラストにすごくグっときて、もらい泣きしそうに。

木下けい子先生の表紙もとても良かったです。
なつかしいような切ないいいお話でした。

この作家さん、無理にエッチシーンをくつけなくていいと思います。

2

薄情な男 小説

高岡ミズミ  木下けい子 

健気で一筋な攻め様

幼なじみで親友だった攻め様からの音信不通から10年、       
突然の訪問に唖然とする受け様。                  
嬉しさと懐かしさ、でも裏切られたようなもどかしさや       
ためらいがあり、素直に再び会えたことを出せない受け様。
そんな受け様に何事も無かったように振る舞う攻め様。
攻め様に押し切られる形でしばらく居候させる事に。
どうしても思いを断ち切る事が…

3

兄弟とは名ばかりの 小説

渡海奈穂  木下けい子 

家族愛だよなぁ~

お互いを苦手にしていた高校生の二人が
親同士の再婚で兄弟になり、距離を縮めながら
かけがいのない唯一の存在になっていくお話。
片や生真面目で品行方正成績優秀な母親思いの
攻め様、片やだらしなくとても面倒くさがりで
外見も派手だがもめ事が嫌いな受け様。
まるっきり性格も考え方も違う二人。

いつも、服装や態度の事で攻め様に小言を言われ
うんざりしている受け様、でも親の前では二人とも…

0

カフェオレ・トワイライト 小説

松前侑里  木下けい子 

父親への反発

松前さんらしくゆっくり静かに時間が流れて行く様な、そんな作品。

舞台は主に大学で、真樹〔受〕は川に落ちそうになった指輪を拾おうとしていた所を自殺しようとしてたと間違えられ、祐介〔攻〕と知り合います。
それ以前にもお互いに馴染みの定食屋の常連で名前だけは知っていた仲。

祐介は大学で演劇科講師を務めているんですが、真樹は己の父親が劇団主催者で家庭を顧みない男だったのに反感を抱いていて、そ…

0

「君の指が好きと言ったら」特典書き下ろしショートストーリー グッズ

嬉しさ倍増なデートです

本編後、恋人になった聴覚障害の芳郎と、兄と一緒に実家の工務店を継ぐことにした元道。
彼等のデートの風景は、健常者ならわりとごく当たり前のものなのに、芳郎に障害があったことで、それが普通に叶えられないからこその、ほっこりアマアマな部分が見られて、風景としてもあったかいものがありました。

身体が弱い為に海へはほとんど行けない芳郎に、秋になって元道は連れて行くのです。
普通乗用車でなくて、仕事…

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君の指が好きと言ったら 小説

小川いら  木下けい子 

初めての友達と恋人と

主人公には聴覚障害があって、耳が聞こえなければ話すこともできません。
こういうコミュニケーションに支障をきたす場合の恋愛ってどんな風に進むんだろう?
興味本位ではありませんが、ハンデを乗り越える場合、主人公の設定によって大きく物語というのは違ってくると思います。
このお話は、主人公がそこそこ裕福な田舎の地方の医者の家の生まれで、親・兄弟などの愛に保護されて、当人自体も外交的ではないにしろ、そ…

2

君の指が好きと言ったら 小説

小川いら  木下けい子 

穏やかな恋

聴覚障害者を主人公にした穏やかに進むストーリーでした。
受け様は聴覚障害があるものの、とても環境にも恵まれ
家族にも愛されてきた誠実で優しいお人です。
攻め様は、今どきの若者って感じですが、
こちらも偏見すら無い男前な攻め様でした。
受け様は家族に支えられながらも実家の医院の医療事務で
働いていますが、聴覚障害もあり、あまり社交的でないので
庭の散歩や俳句などを趣味としている落ち着い…

1

鏡の中の九月 小説

榊花月  木下けい子 

なんだか初心に戻る感じ

まさに、初恋という感じのお話です。
主人公は20歳の大学生なんですが、今まで恋をしたことがないという、かなり稀有な種類の人物です。
もう大人といっていい年なのに、恋愛に関しては中学生が初めて付き合うような、何にどう反応していいのかさえよく分からない、という状況。
攻めの生方は、恋愛に関しては経験豊富そうな感じがするのですが、決して秋雨にプレッシャーをかけず、秋雨から心を開いてくれるのをじっと…

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