麻生ミツ晃さんのレビュー一覧

君に降る白 小説

朝丘戻  麻生ミツ晃 

恋愛感情描写は神なんですが

帯『本当は恋をしました。罪を犯すように-…。』

夜は売りをする藍[受]と彼の客成瀬[攻]との淡々と交わされる会話が丁寧に書かれています。
彼等2人の感情が繊細に綴られて行きます。
それにどっぷり身を任せて読んでしまえばこの世界に浸れるのですが、
(でも藍が必死に売りする必要がどこに?)
そう思った瞬間にそれがふいに元に戻されちゃうんですね。

藍は昼は古本屋で働き借金も無く地味に…

4

酷いくらいに 小説

高遠琉加  麻生ミツ晃 

7歳差がちょうど良い感じ

帯『優しさだけなら-いらない。』

兄の元同級生で元恋人の秋[受]と、彼に恋した弟、広見[攻]との話。
前半は広見視点、後半は秋視点で語られます。
兄と秋とは同い年で、広見はその7歳下。
この位の年齢差があるので、若さゆえの勢いや怖いもの知らずっぷり、あとエリート一家の次男での立ち位置に説得力があった様に思います。
広見視点なので兄はやや身勝手に描かれますが、そうする事によってむしろ兄…

3

酷いくらいに 小説

高遠琉加  麻生ミツ晃 

難しい問題に真っ向から向き合った、真摯なお話でした。

事故にあって両親をなくし、自らも車椅子生活になってしまった秋と、秋の犬を思いっきり散歩させるために毎朝秋の元を訪れる広見の繋がりが、とても丁寧に綴ってありました。

秋との関係の深め方はもちろんだけど、それよりも広見とその兄との秋に対するスタンスの対比がとても分かりやすかったです。

こういう問題って難しいですよね。
身体障害者側からすれば、「同情されたくない」って思いもあるんだけど、そ…

6

ドラマ 小説

朝丘戻  麻生ミツ晃 

透き通る純愛

この本の著者の特徴でもある、切ない恋愛です。
この本に出会ったときは、
『好きで、好きで、だからこそ、別れる・・・。』
という考えが未熟な私にはまだわからなかったのですが、この本では痛いほど共感できました。

この本には何度泣かされたことか・・・。
何回読んでも泣けるんですよね。。
しまいには結末を思い出して途中で泣き出す始末・・・(笑)

私にとって、大切な大切な一冊となりまし…

1

酷いくらいに 小説

高遠琉加  麻生ミツ晃 

同情の優しさと愛情の優しさ

凛とした強さが切なさを凌駕して、主人公達の自立した強さが印象的なお話でした。
05年にビブロスの小説雑誌に掲載されて、単行本化されていなかったのでしょうか?
それに書き下ろし『ひとの望みのよろこびよ』を足して一冊が構成されています。
何と言っても注目は、主人公・広見の勤めるレストラン設定があの「ル・ジャルダン・デ・レーヴ」ということ!
名前は出てきませんが、あのお話のその後ということになる…

1

ティアドロップ コミック

麻生ミツ晃 

荒削りの魅力

帯『近づきすぎないって、約束したから-。』

表題作は、出会い系サイトの募集書き込みから関係が始まる話。
募集条件が結構細かいので魔性の美少年風かな?と思ったんですが募集主の悠介[受]はゲイである事以外はやんちゃな現代っ子少年でした。
性的経験もそれ程無く、本番は剛毅[攻]が初めてでってとことか青年ってよりは青年になりかけてる少年って感じです。
剛毅の過去も含めて2人の関係を丁寧に描いて…

6

スイートビターキャンディ コミック

麻生ミツ晃 

透明感

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
挿し絵で見かけた時はさほど心惹かれなかった麻生さん。いやはやたまげた!
漫画になると、絵の魅力が抜群に増す方なのだなぁ。

時々、絵ありきの作家さんに出会います。
有名どころでは、中村明日美子さん、それから草間さかえさんやbossoさんなんかもそう。(あくまで主観です)
絵ありきというのは、綺麗だとか可愛いだとか完成度が高いという意味ではなく、線に情…

6

拙い指きり 小説

椿めい  麻生ミツ晃 

拙いお話

作者さんの初単行本だそうです。
小さい頃に両親は離婚、小さな工場を経営する父親と2人暮らしは、とても幸せだったが、中学生のある日ある事で父親が自殺。
天涯孤独の身となった主人公・遊は、高校からずっと一人暮らしで、もう誰も愛さない、愛されるに値しない自分と思い、父の遺言を守りバイトしながら大学に通う男子。
ある時、酔客にからまれたところを助けてくれた男性・赤木と知り合い互いに惹かれていくが、ど…

2

ティアドロップ コミック

麻生ミツ晃 

大人になる。

帯を読んで、頑なでおとなしい感じの受を想像していた。
帯にある台詞の抜粋や煽り文のイメージは結構、中味の印象と違うと思うことが多々あるのですが。笑

この作家さんはホントどのお話も繊細で必要以上に文字で説明しない。
雰囲気やキャラの表情など、まさに絵で読ませる漫画家さんだなぁと思います。絵はホント緻密で奇麗ですしね~
そしてほんとエロがえろいよね、いいよね(*′Д`)
以下それぞれ端的…

5

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

こわい(涙)

BLを読み慣れてる人ほど衝撃を受けるんじゃないかな。
拉致監禁レイプな展開にまったく衝撃を受けなくなってくるのが腐の宿命なんだけど。
で、この話は拉致監禁レイプと比べればよほど緩いことしかしてないんだけど、そこにあるリアリティが怖い。どんどん恋の狂気に蝕まれていくストーカー攻めが怖い。
ストーリーが面白いというのもあるけど、BL脳をリセットするのにもいい一冊だと思う。

笠井の人物造型がとくに凄い…

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