麻々原絵里依さんのレビュー一覧

ヒトの世界の歩きかた 小説

イーライ・イーストン  麻々原絵里依 

全てを失った男の再生の物語

亡くなってしまった大切な人を思い出すのは、すこしばかり不思議な気持ちだと思います。
勿論、まだ生々しい記憶の時は悲しかったり辛かったり、心がグサグサに傷つくだけなのですけれど。
でもある程度時が過ぎて『時間薬』が効いてくると、その悲しみや辛さの中に、ほんの少しばかりの『甘さ』が混じって来る様な気がするんです。一緒に過ごした大切な時間や、もらった嬉しい言葉、与えられた影響などなど、自分の中に『そ…

14

さよならガラスの恋心 小説

伊勢原ささら  麻々原絵里依 

薄幸すぎる……

辛いことの連続で、パニック障害まで起こすようになってしまっている不憫薄幸健気受けが主人公です。
まさにガラスのような脆い心を抱いて終始俯きぎみな受けが、言葉は少ないけれど誠実な攻めに出会って救われるというお話なので、不憫受けがお好きな方は、はまるんじゃないでしょうか。

ただ不憫・薄幸受けに仕立てるために用意した過去のエピソードのあれこれが不憫というか理不尽すぎて、自分の中で消化できないまま…

6

ヒトの世界の歩きかた 小説

イーライ・イーストン  麻々原絵里依 

愛すべき犬のきもち

ヒトになれる犬たちのシリーズ2作目。1作目で出てきたローマンと1作目中で助けられた男が2作目のカプでした。犬のきもちがぐぐーーーっ!!と迫ってきて凄かったですが、アメリカで生活した事がなく細々?と思う箇所があったため、萌2にしました。やっぱり犬をぎゅうしたくなるお話、390P弱。

地域の捜査機関を集めて行われる大きな会議に出席するべく、車で向かうランス(保安官、1作目カプ)とローマン。違法マ…

9

ヒトの世界の歩きかた 小説

イーライ・イーストン  麻々原絵里依 

純真無垢なワンコ攻め

犬と人間両方の姿になれるクイックという種族と彼らの住む町の物語。シリーズ第2弾で前回の攻めで町の保安官の部下が今回の攻めのローマン。2人とも犬の体も持っているクイックですが、なんとローマンは人間の姿になってからわずか2年しか経っていません。

しかしずっと軍用犬だった彼はとても頭が良く真面目で努力家です。犬の時に訓練した人間のパートナーとの別れのシーンは涙無しに読めません。若いけど苦労人です。…

11

ヒトの世界の歩きかた 小説

イーライ・イーストン  麻々原絵里依 

あまりに純粋で深い信頼に、泣いた(´;ω;`)

人に変身出来る犬「クイック」と、人間が寄り添って暮らす不思議な町・マッドクリーク。
そこで巻き起こる事件やドラマを追った「月吠え」シリーズ第2弾になります。
主役は新カップルになりますが、前作を読んでいないと分からない部分が多いと思うので、ご注意下さい。

ザックリした内容です。
マッドクリークの正式な保安官助手となったローマン。
そんな中、町にDEAの捜査官が派遣されてきますが、なん…

10

色悪作家と校正者の多情 小説

菅野彰  麻々原絵里依 

『源氏』になぞらえちゃうとスリリングなんだよな

このシリーズ、とても楽しみで。
大吾と正祐の関係性にあまり変化があるわけではないと思うんですけれども、ひょっとしたらこの『関係性があまり変化しない』という所が好きなのかもしれません。菅野さんの長期シリーズ『毎日晴天!』でも、行きつ戻りつしながら同じ所をグルグル回っている様な大河と秀の話が好きだものなぁ……

あとね、以前にも書いたかもしれませんが『文章萌え』している人たちが、文学作品というフ…

1

寮生諸君! 小説

久我有加  麻々原絵里依 

若いって素晴らしい

なんて爽やかな!
そんでもって初々しい。そして男らしい。
明治の全寮制高等学校、それも新設ベースボール部を舞台にしたお話ですが、ベースボールだけに「ストレート、直球ど真ん中!」で、素直に楽しめました。

『寮生諸君!』の主人公は庄野、
『チームメイト諸君!』の主人公は朝妻、という構成が面白かったです。
武芸に優れていて正義感の強い庄野は、弱い者いじめをしていた元上士の息子5人を殴り飛ば…

0

色悪作家と校正者シリーズ番外編 コミコミ特典書き下ろし小冊子 色悪作家と校正者の山月記 グッズ

東堂の大人げなさがよく出た小話です

本品は『小説Dear+ vol.74 2019年ナツ号』のコミコミスタジオ限定
特典小冊子になります。

内容は雑誌掲載作である菅野先生の『色悪作家と校正者』シリーズの
番外編で、2人が白洲と伊集院の関係を知った後のお話です。

夏の土用入り、所謂土用の丑の日。東堂は西荻窪南口に戻りながら
色悪を通り越して極悪人の様な高笑いをあげ、情人であり担当校正者
である塔野を呆れさせていまし…

2

寮生諸君! 小説

久我有加  麻々原絵里依 

腐って8年、吾一生の悔いなし

個人的に明治時代のあの雰囲気が好きなので思わず買ってしまいました。(うまく言い表せませんが、あの時代の男子学生達の国を支えなければいけないという使命感(進学できるのはほんの一部のエリートのみですからね)、西洋文明化によって入ってきた新たな思想である合理性に振り回され悩み惑う感じが大好きなのです、、、)表紙も明治期の小説の表紙のようで惚れ惚れしてしまいます。背景の印刷のかすれ具合が上手く再現されてい…

9

泡と欲望 コミック

麻々原絵里依 

モダモダがいい!

うーん!
面白かったです!!
リーマンのモダモダラブですね。

営業部・中村×企画部課長・杉浦

新入社員の頃から杉浦に憧れる中村だが、
妄想したり夢見たりするのが精一杯。
また、この杉浦が思わせぶりなんですよねー
無意識なんだろうけど、もしかして気がある?
…と思わせる。

ある事をきっかけに、中村が杉浦に告白してしまい
気まずくなってしまう2人…
海外転勤を受ける中…

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