本仁戻さんのレビュー一覧

グラン・ギニョール コミック

本仁戻 

単純な攻め受けを超越した2人

 ここ何年かでデビューされたBL漫画家さんではなかなかお目にかかれない、禁欲・禁忌・背徳がこれでもかと詰まった、濃厚な薫りに噎せ返るような雰囲気の作品でした。これを描き切ってくださった、本仁先生の執念とエロスへのこだわりには本当に感謝。攻めも受けもお互いを愛しているなら他の人間とは絶対に寝て欲しくない、という方にはまったくオススメできませんが…。2人の愛を感じられさえすればどんな展開もOKという私…

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ラ・ヴィアン・ローズ 小説

山藍紫姫子  本仁戻 

ぶっ飛び世界、アナザーワールド

耽美の女王・山藍紫姫子先生の文章プラス、ザ美麗画の本仁戻先生の挿絵とくれば!
どんなドロドロ美かと思いきや、ずずっと読みきることができる非常に読みやすい作品でした。
初版は1995年発表。

「ラ・ヴィアン・ローズ」
男を渡り歩いた美貌の母の元に最初の婚外子として生まれた横田一眞。
彼が自分では全く意図もしないし望んでもいない自らの「魔性」で、次々と男たちを吸い寄せていくオハナシ。

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グラン・ギニョール コミック

本仁戻 

一見耽美派なんだが。それは醜悪な執着と悪趣味なデカダンス。

最初読んだ時、うわっ‼︎って、ビックリして。
そろそろ大丈夫かしら? と再読してみれば。やっぱりダメかも。
昭和の最初の頃、もしくは大正時代? 実際にあったかもしれないと匂わせるメロドラマ。
何よりこの表紙の様に、美しいのかと思いきや、である。
美しいドイツ人のコンラートは、使用人や没落子爵の妻に恨まれ、肥溜めの中に落ちた煙草入れを拾う羽目になる。小蝿が飛び交い臭そうな糞まみれになるコンラ…

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探偵青猫(6)(表題作 「ネペンテスの袋 序章・其の壱~其の参」) コミック

本仁戻 

グロテスクなエロチカ

6巻。
一応ラスト巻です。2つの物語収録。

「夜の骨牌」(上)(下)
再び大人の虎人と、同じく大人の洵(まこと)の切なすぎる物語。
自殺未遂の果てに、男娼だった過去や青猫に愛された記憶を失い、緑川伯爵の家で暮らす洵。
しかし、言葉の家庭教師に襲われて快楽と共に全てを思い出し、自分は汚れているからもう虎人と会えないと言い出す。
舌ったらずな洵の一生懸命な言葉の切なさ。
「対のカルタ…

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探偵青猫(5) コミック

本仁戻 

早乙女巻

5巻。
5巻は3つのエピソード収録。そして「早乙女伯爵大特集」巻。

「うぐいす」
元芸者の母と、貴族か政治家かの父、の料亭「よしの」の息子・鶯。
15才で女衒となる鶯、18才で早乙女が父なのかと疑うが…
大切なひと(←青猫の父男爵・恵太郎)を喪った早乙女が、鶯を抱く…!

「早乙女」(其の壱〜参)
父男爵・恵太郎と早乙女の、言葉にはしなかった告白の行方は…⁈
扉絵は燕尾服での…

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探偵青猫(4) コミック

本仁戻 

カサノバ・青猫の遍歴

4巻。
4巻は4つのエピソード収録です。
(3巻で成長して超美男になったハズの虎人は、この巻ではまたコドモになってる…)

「夜啼き鳥」
蜂王子刑事活躍編!
硝子蝙蝠の挑戦状、「夜啼き鳥」と名付けられたダイヤモンドの盗難予告に対抗して、青猫が蜂王子を「生き人形」として女装させて…
…という展開で、美しい貴婦人になった姿と、硝子蝙蝠と対決する凛々しい姿が拝めると同時に、青猫と蜂王子の間…

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探偵青猫(3) コミック

本仁戻 

心理戦〜早乙女・鶯vs恭二郎〜

3巻。
3巻では大きく2つのエピソード収録。そして、BL要素モリモリです。

「アドニス」
なんと、虎人少年が17才の美青年に!
虎人は30才になった青猫に恋をしている?そして青猫も虎人を…⁉︎
しかし、親と慕った硝子蝙蝠と関係した自分の過去があるから、虎人に手を出すことができない。
なので女性をあてがおうとしている。
虎人は虎人で、青猫の情婦・菊川男爵夫人相手に童貞は捨てていて、…

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探偵青猫(2) コミック

本仁戻 

青猫をめぐる人間関係〜虎人、硝子蝙蝠〜

2巻。
3点のエピソード収録です。

「僕の先生」
1巻から続きのエピソード。
青猫の記憶を失った洵(まこと)は、虎人に会いに青猫の屋敷にやってくる。
青猫も前作での経緯はなかったことにして、優しいお兄さんみたいに振舞っています。
洵のことばかり可愛がり虎人をこき使う青猫に、世間は非難し虎人は同情されるが…
虎人の方が青猫を見守っている…⁉︎のです。
ここでの洵と虎人はすごくショ…

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探偵青猫(1) コミック

本仁戻 

ロマネスクと猟奇

本仁戻先生の絵柄が超絶好きなのです。
耽美っぽいというのか。
本作は6巻ものの第1巻。大きく3つの話で構成されています。
まず冒頭が「マリアの涙」。
処女が触れると透き通るという巨大ルビー「マリアの涙」を盗む、という怪盗「硝子蝙蝠」と、暇つぶしに探偵業をやっているという青猫男爵の頭脳戦。
シリアス度は薄く、仰々しくギャグテイストの推理ものの雰囲気。
続いて「マノ・ア・マノ」。
青猫お…

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スタンレー・ホークの事件簿(4) 冥罰 小説

山藍紫姫子  本仁戻 

完結⁉︎

スタンレー・ホークのシリーズ第4作にして最終巻。
短編2編と、出版社によるあらすじによれば「外伝」が収録されています。

ところがですね…
これは完結してない、ですよね。いわゆる「外伝」も外伝というより新たな不気味な事件の開幕のようで、この1編がある事でスタンレー・ホークのシリーズが終わらない感じになっている。
こ、ここで終わり⁈という満たされない気持ち…

「FILE 8 冥罰ーリ…

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