本仁戻さんのレビュー一覧

蜂の巣の秘密 コミック

本仁戻 

(多分)デビューコミックス

本仁戻先生のデビューコミックス。短編集です。

「蜂の巣の秘密」
植物が生い繁る温室、叔父の精液を口から溢れさせる母、陰から見てる少年…
そしてまた少年は見てしまう。父が叔父を押し倒すところを。
そんな舞台設定がすでに非現実的な耽美さに満ちている。
少年は成長し、見た目だけは全く変わらずに美しい叔父に対峙するが…
やはり彼は叔父に惑わされたのか、それとも叔父の老いに目が覚めたのか?

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飼育係・理伙 テツ×リカ コミック

本仁戻 

結局誰だって無意識の内にエゴイストなのだ

 久々にすごいものを読んだ…!と暫く放心状態でした。『飼育係』本編の方ではストーリー自体は面白くても、そこまで萌えを感じなくて萌評価にしたのですが、スピンオフのこちらは神一択でした。萌えとストーリーと心情描写がすべて秀逸。本編では各々のキャラの回想から想像するしかなかったテツという存在が、これほどまでに凄まじく激しい人間だったとは。想像の遥か上を行ってくれました。

 彼と彼の母親、弟であるヒ…

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飼育係・理伙 下  コミック

本仁戻 

集団心理の誇張だとすれば、そこまで現実離れしてるわけじゃないのかも

 タイトルを鑑みればこの作品の真の主人公は理伙なのかもしれませんが、私はやはりヒロのことがとても気になってしまいます。冷静で、肝も据わっていて、理伙に喰われていたようだったのがいつの間にか理伙を宥められるくらいになっていて。けれど、過去の傷に苦しんでいる。こんなキャラを放っておけるわけがない。マキが本当にヒロを欲しているのか、まだ何か裏があるのかも気になります。

 テツがいた頃と、彼亡き今、…

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飼育係・理伙 上 コミック

本仁戻 

設定はぶっ飛んでるけど、主人公を応援したくなる

 レイプだけに留まらず、刃物で傷付けられたり階段から突き落とされたり、物理的に痛々しいシーンが多々描かれている作品。読む人を選ぶかとは思いますが、私はこういったジャンルに耐性がある方なので、なんとかそこばかりに引っ張られず、ストーリーを読み込むことができました。上巻では気になる点がたくさん出てきて、それがどう回収されるのか、今後の展開が楽しみですね。

 最大のキーとなってきそうなのは、ヒロの…

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グラン・ギニョール コミック

本仁戻 

単純な攻め受けを超越した2人

 ここ何年かでデビューされたBL漫画家さんではなかなかお目にかかれない、禁欲・禁忌・背徳がこれでもかと詰まった、濃厚な薫りに噎せ返るような雰囲気の作品でした。これを描き切ってくださった、本仁先生の執念とエロスへのこだわりには本当に感謝。攻めも受けもお互いを愛しているなら他の人間とは絶対に寝て欲しくない、という方にはまったくオススメできませんが…。2人の愛を感じられさえすればどんな展開もOKという私…

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ラ・ヴィアン・ローズ 小説

山藍紫姫子  本仁戻 

ぶっ飛び世界、アナザーワールド

耽美の女王・山藍紫姫子先生の文章プラス、ザ美麗画の本仁戻先生の挿絵とくれば!
どんなドロドロ美かと思いきや、ずずっと読みきることができる非常に読みやすい作品でした。
初版は1995年発表。

「ラ・ヴィアン・ローズ」
男を渡り歩いた美貌の母の元に最初の婚外子として生まれた横田一眞。
彼が自分では全く意図もしないし望んでもいない自らの「魔性」で、次々と男たちを吸い寄せていくオハナシ。

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グラン・ギニョール コミック

本仁戻 

一見耽美派なんだが。それは醜悪な執着と悪趣味なデカダンス。

最初読んだ時、うわっ‼︎って、ビックリして。
そろそろ大丈夫かしら? と再読してみれば。やっぱりダメかも。
昭和の最初の頃、もしくは大正時代? 実際にあったかもしれないと匂わせるメロドラマ。
何よりこの表紙の様に、美しいのかと思いきや、である。
美しいドイツ人のコンラートは、使用人や没落子爵の妻に恨まれ、肥溜めの中に落ちた煙草入れを拾う羽目になる。小蝿が飛び交い臭そうな糞まみれになるコンラ…

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探偵青猫(6)(表題作 「ネペンテスの袋 序章・其の壱~其の参」) コミック

本仁戻 

グロテスクなエロチカ

6巻。
一応ラスト巻です。2つの物語収録。

「夜の骨牌」(上)(下)
再び大人の虎人と、同じく大人の洵(まこと)の切なすぎる物語。
自殺未遂の果てに、男娼だった過去や青猫に愛された記憶を失い、緑川伯爵の家で暮らす洵。
しかし、言葉の家庭教師に襲われて快楽と共に全てを思い出し、自分は汚れているからもう虎人と会えないと言い出す。
舌ったらずな洵の一生懸命な言葉の切なさ。
「対のカルタ…

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探偵青猫(5) コミック

本仁戻 

早乙女巻

5巻。
5巻は3つのエピソード収録。そして「早乙女伯爵大特集」巻。

「うぐいす」
元芸者の母と、貴族か政治家かの父、の料亭「よしの」の息子・鶯。
15才で女衒となる鶯、18才で早乙女が父なのかと疑うが…
大切なひと(←青猫の父男爵・恵太郎)を喪った早乙女が、鶯を抱く…!

「早乙女」(其の壱〜参)
父男爵・恵太郎と早乙女の、言葉にはしなかった告白の行方は…⁈
扉絵は燕尾服での…

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探偵青猫(4) コミック

本仁戻 

カサノバ・青猫の遍歴

4巻。
4巻は4つのエピソード収録です。
(3巻で成長して超美男になったハズの虎人は、この巻ではまたコドモになってる…)

「夜啼き鳥」
蜂王子刑事活躍編!
硝子蝙蝠の挑戦状、「夜啼き鳥」と名付けられたダイヤモンドの盗難予告に対抗して、青猫が蜂王子を「生き人形」として女装させて…
…という展開で、美しい貴婦人になった姿と、硝子蝙蝠と対決する凛々しい姿が拝めると同時に、青猫と蜂王子の間…

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