菱沢九月さんのレビュー一覧

熱病の花 小説

菱沢九月  桃山恵 

こっ…これは…!方言萌え!?

「溺れる体温」からのシリーズものだそうです。
福井県を舞台に、新聞記者と居酒屋で働く青年が奏でる清楚で情熱的な愛!
いや~あ、いいですなー。
都会モンのようなド派手さはない、むしろ普通の生活では地味なほどの二人。
双方ともに、仕事に対しては真摯で生真面目なところに好感が持てる。
ラキア・スーパーエクストラシリーズってことで、どんだけエロいのかと思いつつ読んでみたら、
北陸の海辺に咲く可…

2

好きって100回言ってみな 小説

菱沢九月  金ひかる 

俺様パティシエ×引きこもり(気味)高校生

これ、すごく好きなんです。続編(『いいから黙って愛されな』)も合わせて菱沢さんでは断トツですね。

私の大好きな年の差ものです。三嶺(攻)は、本来私の苦手な俺様ですが、これくらいならまだまだ許容範囲内でした。というよりも、『俺様』には違いないかもしれませんが、私が受け付けないタイプの俺様じゃなかったんです。小鳩(受)に対してはベタ甘で大事にしてるので、それもポイントアップということで。
そし…

3

夏休みには遅すぎる 小説

菱沢九月  山田ユギ 

逃げたら駄目でしょー…

サラリーマンの覚[受]は突然に会社に従兄弟だと偽ってやってきた大学時代の後輩・倉島[攻]に強引に連れ出され、理由の分からないままに彼と電車に乗り、行き先の分からない旅に付き合う事になってしまう。
覚はゲイで、かつて倉島を好きだったのだけれど言えないままでいた。
倉島の意図が分からないまま、温泉旅館に泊まりそして彼に抱かれます。
そうやって旅行を続ける内に次第に倉島の意図が分かってくるのですが…

1

飼い主はなつかない 小説

菱沢九月  高星麻子 

色が見える男

帯『料理も掃除も愛想笑いもできなくて、駄目なあなたが好きなんです』

夏生〔受〕は子供の頃から他の人が見る事の出来ない人の声を聞いたり見たり出来るという不思議な能力を持っている。
そしてそれだけではなく、彼は人の周りに色が見えるんですね。
そんな能力を持って生まれた夏生は親からも敬遠され、また話しかけてきた相手がホンモノの人間かどうかも分からないので人との接触も極力避けて生活しています。

1

好きで子供なわけじゃない 小説

菱沢九月  山本小鉄子 

まさに、好きで子供なわけじゃない、でした

親の海外赴任で半年だけ一人暮らしする事になった広野〔受〕
彼には既に一人暮らしをしている兄が居るのですが、その兄と比べて広野は母親からちょっと度を過ぎているんじゃないかという位の過保護な寵愛を受けてます。
なのでこの一人暮らしも何とかごまかして、広野は無事に日本で高校へと通う事となります。
その際に、大きな味方になってくれたのが隣人の年上で、広野にとってはお兄ちゃん的存在の剣介〔攻〕で広野は…

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憂鬱な彼と無敵のロマンチスト 小説

菱沢九月  桜井りょう 

不幸を呼ぶ男

不幸を呼ぶ男って事で、あらすじ読んだ時点ではもっとコミカル系な話かと思ってたんですが、相田〔受〕が心底愛した男が事故で亡くなって彼の事が忘れられなかったりと「不幸」ってより「悲劇」な面もありました。
そんな過去もあり、付き合う男とはあくまで割り切った関係で三ヶ月のみという相田。
そんな彼に対して、あくまでマイペースでやってくる羽川。
この2人の関係に、相田に付きまとう男が絡んできます。
最…

0

溺れる体温 小説

菱沢九月  北沢きょう 

シリアスサスペンスはお好きですか?

今作品は大人向けでのお話だったとあとがきでも書かれていますが、
まさに、そんな雰囲気です。
エロ場面がなければ2時間サスペンス系とか冤罪や時効の
ドキュメンタリーとかがイメージとしてしっくりくるかも。
まぁ、犯人と思われる人は亡き兄の親友で兄の意思を継ぐような形で
受け様も新聞記者になり時効まじかな事件の真相解明に躍起になる。

そんな中で知り合ったのが新聞社で利用する居酒屋の青年。…

2

飼い主はなつかない 小説

菱沢九月  高星麻子 

まさになつかない猫

主人公の夏生はまさに猫って感じです!
外見が綺麗で人になつかない感じとかマイペースさとか…

攻めの佐倉に会うまでは真剣にただの「顔が綺麗なイヤな奴」ですよね(^_^;)

本人に傷つける気がなくても淡々と述べる言葉は鋭いしよく佐倉は相手してられるよなあと高校生ながら器の大きさに何度も感心しました

佐倉みたいなのは爽やか包容攻め、でしょうか

夏生はクールというわけでもなく素直だけど人嫌いでマ...

1

小説家は懺悔する 小説

菱沢九月  高久尚子 

睦言が優しい

主人公の二人はお互い過去に大好きな人を亡くす、という共通のトラウマがあります。
と言うと、暗~い雰囲気の話かなという印象を受けるんですが、お話の雰囲気はそれ程暗いものではありませんでした。
確かに、亡くした人達の影を感じる場面も出てくるんですが、死んだ人をずっと想っていても仕方がない、というある種の割り切った雰囲気もあるので、ジメジメした雰囲気ではないと思います。

攻めは物書きで難しい性…

2

年下の彼氏 小説

菱沢九月  穂波ゆきね 

ありふれた日常

他人が傷つくくらいなら、自分が傷ついたほうがいい。

子供の頃に両親を失った石田は、年下の妹が結婚して家を出てからはまるで隠居したおじいさんのような心境です(まだ27歳なのに!)。
他人には限りなく優しいけど、自分には何も望まない。
そういった、石田の心境がとてもよく理解できて共感することができました。
友人の数は決して多くはないけど、周囲にいる人達は皆、よく石田を理解していて温かく見守…

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