日高ショーコさんのレビュー一覧

憂鬱な朝 6 コミック

日高ショーコ 

再読してみて初めて気付く。桂木智之にとっての憂鬱な朝。

再読して、私はおそらく初めて気付いたのだと思う。これは、桂木にとって『憂鬱な朝』だったのだと。どうしてこれまで見落としていたのだろうか。
「共に夜を過ごしても、目覚める度に鬱々とした気分になる。いつも昔の夢ばかり見てしまう…。」桂木の台詞の中に、それはさりげなく潜ませていた言葉。

一夜で覆させられた森山邸の夜会の後。暁人さまは兼ねてからの予定通り、療養を装って石崎家が手配した豪奢なホテルに…

5

憂鬱な朝 5 コミック

日高ショーコ 

たった数時間をスリリングに描ききる、ストーリーテリングに麻痺れる‼︎

見事‼︎ としか言いようの無い、第五巻。たった2、3時間の出来事なのだ。それだけを人々の思惑を乗せて、丸っと1巻に仕上げ、スリリングに描き切ったそのストーリーテラーとしての手腕にまず拍手を贈りたい。素晴らしいと思う。

『自分の我儘をぶつけ合って、互いの声を聞こうとしない。』暁人さまと桂木。
前巻の終わりに初めて、桂木からの愛の告白を受けて、夢のように浮かれてしまう暁人さま。しかし、桂木の奸…

4

憂鬱な朝 4 コミック

日高ショーコ 

封じ込めたはずの熱が溢れ出て…。シリーズ中最も評価の高い第四巻‼︎

この第四巻の評価が最も高いのは、やはりあの冷静な桂木が自ら暁人さまを抱き寄せ、混乱しながらも触れたいという気持ちに抗えず、淫らに抱かれてしまうという、熱いシーンがあること。さらに終盤では決して言葉にする事なく逃げていた、その事で暁人さまを苦しめていた桂木が、自ら暁人さまに告白したことだと思います。『夢でもいい…。』と暁人さまが望んでいた言葉。たった一言。「…好きです。」と。

暁人さまは桂木が…

3

憂鬱な朝 3 コミック

日高ショーコ 

想い合うが為にすれ違う心。台詞の哀しい美しさに涙。

もう少し進むと、物語は込み入って参りますが。この3巻は割とシンプルに進んでいるかの様に見えています。物語の冒頭で、暁人さまは嫌々ながらも縁談を受け入れ、佐条伯爵家に粛々とお伺いを立てに出向いている。嫌々と言っても、育ちの良い暁人さまはこの箱入りのお姫様とカルタに興じたりして、親切に優しくお相手している。何しろ俔子さまもたった15歳の少女なのだ。とても美しくておっとりとした、この少女と結ばれることが…

6

憂鬱な朝 2 コミック

日高ショーコ 

桂木がそこに立っている、というだけで。匂い立つような色気を感じる程に。

少年の頃の記憶を夢に見る桂木。その朝、寝乱れたベッドには暁人さまが…。1巻の終わりから数日経ったものと思われ、暁人さまは桂木を抱くことに夢中になっている、といったところか。学院をさぼって休んでいるというので、心配した学友の石崎が久世邸に見舞いに訪れる。

桂木があまりにも美しいので、真っ昼間からベタベタと触ろうとする暁人さまが可愛いらしい。多分、桂木もだいぶほだされている筈なのだが、このツンデ…

4

憂鬱な朝 1 コミック

日高ショーコ 

漆黒の闇。夜はまだ明けない。

もうすぐ完結してしまうのですね。とても寂しい気がしています。確か、4巻あたりが最も評価が高かったかと思いますが、私はこの1巻がとても好きです。何度読み返したか分からない程。
幼い暁人さまの何とお可愛いらしかったことか。とても情報量の多い、この1巻ですが、ものの4分の1弱程度で、ページをめくると暁人さまはもう17歳。あっと言う間に成長していらっしゃる。もっと幼少期を見ていたかった気がします。なので…

10

After(電子限定版) コミック

日高ショーコ 

ファンには嬉しい、美しい恋人たちのその後。

ああ。表紙がもぅ!美しい。いつまでも見ていられます。久々に見てはため息。
「嵐のあと」「初恋のあとさき」そして、「シグナル」の彼等のその後。ショート過ぎて、あぁ、もう少し見ていたいと、ジタジタしてしまうこの胸の苦しさよ。
けれど、物語をそれぞれ終えた彼等が、また、ずっと幸せに暮らしているのだと思うと嬉しくてたまらない。「嵐のあと」の岡田がほんの少し、髪型を変えていて、それが時間の経過を感じられ…

5

足りない時間 コミック

日高ショーコ 

時間足りなかったっけ?

初コミックスですね!短編集です。

日高ショーコさんの作品は、あの長編大作を2作積んでいてまだ読んでないのですが、いつもレビューの難しいお話だなあと思います。

今回は短編集ということでBLにこんなことを言ってはいけませんが、世の中にゲイしかいないんじゃないかと思えてきます。

〈足りない時間〉
優柔不断で執着しない攻め。高校生の時に受けに手を出して、卒業以来2ヶ月前に突然受けが訪ね…

2

愛すること グッズ

愛することは、きっと信じることから始まる

全サ小冊子だった本作品。後から木原さんの作品にはまった私には本当にありがたい電子書籍での配信です。電子書籍なのに、プリントアウトして小冊子みたいに綴じて、本編2冊と共に手元に置いているという…。思い出したときサッと手にとるには、やはり紙がよくて。何度読んだことか。もう好きすぎて…すみません(笑)。

やっと結ばれた寛末と松岡。物語は、二人が新幹線の駅で別れた後、松岡が職場に遅刻するところから始…

14

憂鬱な朝 7 コミック

日高ショーコ 

時代のうねり。憂鬱な朝7

7巻です。
もう完結の運びという事で、1巻から積んでいた本作を一気読みしているわけですが。
う〜〜ん…
美しいですよ。それはもう。
華麗で。
身分制の縛りからくる禁断性や。
家制度の窮屈さや。
若き子爵の一途さや。
はじめは冷酷だった年上の桂木が、やがて甘く彼を受け入れていく様子や。
桂木が抱えている(らしい)出自に関する業や。
この設定や時代考証の重厚さ、絵柄の美しさ、BL的…

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