奈良千春さんのレビュー一覧

赫蜥蜴の閨 小説

沙野風結子  奈良千春 

人生はわからない

 
 光己はつくづく思ったに違いない。つい先日まで「この男と結婚して幸せになる女がいるとは思えない」と思っていた相手が、自分の生涯の伴侶となったのだから。
 
 本来なら接点すらないはずの2人だった。光己は堅気のエリートビジネスマン。かたや臣は広域暴力団熾津組若頭。でもそれぞれの壮絶な過去をたどれば、合わせ鏡のように見事な一対をなしてもいる。母に殺されかけ、生きることを選んだ光己。母と異母兄…

12

交渉人は黙らない 小説

榎田尤利  奈良千春 

先輩…。あんた、バカですか。

 「魚住くん」シリーズが大好きで、思い入れの強い作家さんでした。そんな榎田さんの代表作を読まないわけにはいかないよなぁ…と思いながらもヤクザ×交渉人という重く堅苦しそうな設定に尻ごみしていたのですが、ようやく腰を上げて読んでみました。一気に蘇ってきたBL熱。もう上げた腰が下がりません。
 現在出ているシリーズ8冊目「交渉人は休めない」までを読んでのレビューです。

 シリアスな設定、ハードボ…

9

恋する絶対の法則 小説

いおかいつき  奈良千春 

弁護士×高校生

前作でどーんと登場し、主役ふたりの恋路を邪魔した高城の弟・優弥。
その彼が今回の主役。
ということは弟よ、君もアレかい?親泣かせかい?

**********************
攻めは本編受けの高城(兄)の双子の弟、優弥。
弁護士で29歳のわりに、どこか軽いと言いますか若いと言いますか…

受けは高校生で美少年の曹。
こちらは複雑な原因で、現在では女性恐怖症。
*****…

1

君こそ僕の絶対 小説

いおかいつき  奈良千春 

ブラコン登場

シリーズ二作目です。
こちらのシリーズって十年近く前のものなんですね。
全然違和感なかったですし、いおささんの作品ではこのシリーズが一番好きです。

受け攻めとも前回と同じく、バイクと高城LOVEな攻め、刑事課刑事・諏訪内。
そして受けは、仕事ではクールでデキる検事の高城。

なんとか恋人同士となり、お互い忙しい仕事の合間に関係を深めていくというなにやら微笑ましいふたりなのですが、そ…

2

夜明けのスナイパー 愛憎の連鎖 小説

愁堂れな  奈良千春 

2時間サスペンス

シリーズモノなんですが、結構冒頭に彼等についての説明が入っているのと
今回は純粋に大牙に来た依頼と事件の推理展開がメインで、余り賑やかな周囲が出張ってこないので単独で読める作品になっているような気がします。


さる事件により刑事を辞めた大牙は超ビッチな兄の開く探偵事務所で探偵をしている。
そこへ、遺産相続に絡む行方不明の男子を探してほしいと依頼が来る。
見せられたその子の父親という男…

6

悪辣色男 小説

中原一也  奈良千春 

エロは多めだけど…

会社をリストラされた妻子持ちの地味な男39歳が、
(受け:表紙後ろの茶髪の男、挿絵ではあんまり地味には見えない…w)
なかなかいい仕事が見つからず、男性相手の会員制高級クラブで働くことに。

そこのクラブのオーナー(攻め:表紙の手前黒髪の男)から、
執拗にエロいことをされ、そもそもその原因は…と過去を遡りつつ進む物語。

この本は、エロいことがとにかくいっぱいです。

受けは、本…

7

山倉造園チョキチョキライフ 小説

吉沢純  奈良千春 

タイトル・表紙絵に反して、チョキチョキ度は低め

庭師ものが読みたくて購入。
庭師BLと言えば、メインはやはり身分差愛もの。
庭師と、庭師を必要とするような広大な邸宅の主の、禁断で甘美な恋・・・これ個人的にかなりツボなシチュなんですが、そこはかとなくハーレクインの匂いも。BL庭師ものの源流はハーレなのかもしれませんね。

ただ、本作に限って言えば、「山倉造園チョキチョキライフ」なるタイトルからして、ハーレ臭とは無縁の、ライトでコミカルなイ…

3

嘘つきな天使 小説

ふゆの仁子  奈良千春 

交渉が上手いとは言い難い二人

最初のうちは、受けの遥がまだ20歳の大学生って事に引っ掛かりを感じた。

そもそも遥が、自分の一族が経営している百貨店を何とか立て直そうと躍起になる気持ちはともかくも、まだ大学生の身の上で経営に口が挟めるって設定に無理がある。
これでウエルネスグループを相手にした大人の駆け引きを仕掛けるには早すぎるんじゃないか?、
遥の年齢設定を24歳位に引き上げたほうがもっとすんなり読めただろうになぁ……

0

駆け引きはベッドの上で 小説

ふゆの仁子  奈良千春 

表紙からは想像つき難いですが、中身はれっきとした仕事モノです

ウエルネス・表バージョン(と、勝手に命名)で、メインとなるヨシュア×遊佐のカップルの話。
時事系列でいくと『龍』の四冊よりあとの話になるらしい。
こちらから読んだほうが裏バージョンももう少し解りやすかったのだろうか、とその時はちょっと後悔したかな。
(でも、『龍』のほうを先に読んだ代わりに、表側ではティエンの猫被りっぷりを楽しめるって見方もあったりする。)

駆け引きとはいえ、しょっぱな…

2

龍の覇道 下 小説

ふゆの仁子  奈良千春 

ティエンと劉先生の主従関係を理解するのが鍵です

う~ん…

ティエンと劉先生の間柄を掴もうと自分なりに考えてみた事だから、てんで見当違いかも知れないけれど。
今まで強固な主従関係で問題なかったのが、予期せぬ高柳の出現でティエンとの恋愛に発展した為に、主を取られたという思いが度を越して暴走したのかなぁと…

しかし、「ティエンの傍に居られれば良かった」って気持ちを高柳にはっきりと告げているとはいえ、ここまで読んでおきながら、先生がティエ…

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