藤たまきさんのレビュー一覧

Don't look back 小説

ジョシュ・ラニヨン  藤たまき 

さらりとそれなりに楽しめる

1冊でさっくりとまとまった記憶喪失モノのミステリー風味ゲイロマンスもの。
やはり日本のBL小説とは毛色が違いますが(金髪だし…というような意味でなく!)、本格ミステリーかと言うとそういうわけではなく、やはりミステリーのエッセンスを散りばめたロマンス小説です。
正直なところ、途中で展開は読めるし犯人も見当がつきます。
しかし、美術館のキュレーターである主人公と、彼をとりまく2人の男との間の心の…

1

アナトミア コミック

藤たまき 

素敵な表題

柔らかくて優しい童話や絵本のようなふんわりとした雰囲気ながら、テーマは結構重いものでした。

焼身自殺をする前に、エバに謝罪して自分の行ってきた行為を悔いていたエンリケ。
そんな彼に無垢な顔をして、自分のことを信じ切ったエバの言葉はどんなふうに届いたんだろう…。
幼いエバから沢山のものを奪いながら、結局その罪の重さに耐えきれなくて“逃げた”のかな。
その中途半端な行動のせいで、死して尚エ…

0

蛇崩、交差点で コミック

藤たまき 

独特な空気感

藤たまきさんの独特な、幻想的な世界観が好きで見かけたらつい手を伸ばしてしまう。

円の背景が想定したよりも複雑だった。
実は途中まで叔父さんに性的虐待受けてるんだと思いながら読んでました。
違うかったー!
叔父さんごめんなさい_|\○_ズッシャァァァ
それにしても父親の病気(HIV)、叔父との関係……でも円が生まれたってことは……お父さんorz
そら叔父さん、円にきつく当たっちゃう…

0

天国までもうすぐ 小説

五百香ノエル  藤たまき 

映画のシナリオのよう

前半は「中立」、後半は「萌x2」…で、中を取って評価は「萌」です。

小説の魅力って色々ありますが、その一つは登場人物の内省的な描写だと私は思います。コミックやテレビドラマ、映画では、登場人物の表情、動作、コマ割のバリエーション、音声、カメラワーク、BGM…なんかで見る側が察する必要のある「心の声」。それが小説では文字として明確に表現されているゆえに、より深く感情移入したり共感できるというのが…

4

縁側のレシピ コミック

藤たまき 

痩せることと愛への飢えとの関係性

これは問題作ですね。
「衝撃の展開」が好きな方にはホントにおすすめします。
以下、ネタバレあります。



表紙はパステルっぽい色調と、散りばめられたスイーツ、にっこり笑う2人。メルヘン調です。
裏表紙の粗筋でも、太っちょ青年がダイエットで見違えて意外な一面を見せ始め、とあって、可愛らしいお話っぽい。
ずっと物語に絡んでくる恩(めぐみ)の姉泉は、とんでもなくイヤな女で、意地悪で、計…

3

明日が世界の終わりでも 榎田尤利作品集 小説

榎田尤利  藤たまき 

人生を考える物語

音大生の凛と六実の恋愛が描かれた『largo』
他の男性に抱かれる様子を視るだけで決して自分を抱こうとしない恋人・玲と望の『明日が世界の終わりでも』
玲の友人・城下が本気の恋をする『約束』
『明日が~』と『約束』のその後が語られる『集い』
そして、さらにその後が語られる『witness』
『largo』は音(聴く)が、『明日が~』は視線(視る)に深く関わる物語です。

初めて読んだ時…

4

寄せては返す波のように 小説

六青みつみ  藤たまき 

じわっとくる

こっちのほうが好き。
育ての子、ショアを失って、後悔に押しつぶされて。
似た少年に許しを請う姿に胸が痛かった(´;ω;`)ウッ…
いつも失敗した後に気が付く。
だから私は・・・
でも、だからこそ今度は。それが今回のお話し。

ある日、エリィはショアによく似た面影の少年に出会う
記憶障害を持った彼はすぐに記憶を失ってしまう。
だからショアの代わりにした。
本人にかけられない言葉を…

10

蒼い海に秘めた恋 小説

六青みつみ  藤たまき 

ピュア

最後、自らの髪を赤く染めるシーンに
思わず号泣してしまった(´;ω;`)ウッ…
どんな目にあわされてもひたすらけなげにいちずな受が愛おしい。

お話しの主人公は
特殊な抗体を唯一体にやどした少年。
特効薬を作るために研究所で研究体として育てられていた。
育ての親であるエリィが大好きだった。
でもある日その大好きなエリィの口から・・・
飛び出した先、一度会いたいと思っていた青年のも…

4

青を抱く 小説

一穂ミチ  藤たまき 

『青が降る』をじっくり読んでほしい

一穂さんの作品は、色で入ってくる作品が多くて(自分の頭の中にという意味で)その中でもこれは特に色の感覚とか視覚的なインスピレーションを強く受ける作品でした。
結末というか真相?の部分には少し驚いて、『まさか一穂さんが~?』と思うところもあったんですが、それを呑み込んで『青が降る』を読み進めたところにもっと深い真相があったので納得して、読後感も格段に良くなった。それはもしかしたらサラッと読んでしま…

2

カフェオレ・ランデブー 小説

栗城偲  藤たまき 

攻めに癒されました…!!

栗城さんのお書きになる年下ワンコ攻めに
今回もうっとりさせていただきました!!
明るくて人当たりの良い年下ワンコ、
ほんっと可愛いなぁ!!

5年も交際してきた笹野という恋人が実は既婚者で
それを自分の29歳の誕生日にホテルで知らされ
どうしようもなく傷付いた久能ですが
家にすぐ帰りたくなくてふと目に入った純喫茶に
ふらりと入ってみると
そこにはギャルソンの恰好をした若い男が……

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