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伏線も綺麗にすべて回収された上に、予想もしていなかった事実を唐突に知ったりもして、ハラハラが止まらない最終巻でした。蒼磨と正崇の関係に集中したいけれど、2人の周りはそれを許してくれず。何より蒼磨が今まで生き抜いてきた世界、築いてきた人脈がそれを許さない。こんな家にさえ生まれてなければとつい考えてしまう一方で、この家に生まれたからこそ正崇に出会ったのだと思うと、何が不幸とは一概には言えないなとも思…
中巻も相変わらずのスピード感と濃さで、まったくだれることなく終始楽しんで読むことができました。蒼磨も田神も美しさに拍車がかかっていきますね。上巻の時点では、私も蒼磨の田神への気持ちは、確かに今まで他人に向けてきたものとは異なるけれど、何か辛いことなどがあればすぐ手放してしまえるくらいのものなんじゃないかと思っていました。BLを読んでいるとよくある、相手を想って身を引くシーンが来るんじゃないかとか…
ストーリーも抜群に面白くぐんぐん引き込まれ、各キャラクター達もそれぞれが魅力的で個性も色濃く、この時代、この階級ならではの重厚感の中に、純情さも淫らさも両立して描かれている、どこを取っても素晴らしい作品でした。個人的にシリーズものは巻数が進むごとに惹かれていくことが多いのですが、こちらは上巻の時点で既に続きが気になって仕方ありません。最近の作品でもこれくらいシリアスを極めた作品が出てくるといいな…