椎崎夕さんのレビュー一覧

本当のことは言えない 小説

椎崎夕  街子マドカ 

思考もきっと、丁寧語

攻・篠倉司 大学講師
受・向井晴臣 サラリーマン

大学の同期です。
30代前半くらい?

高校生の時に同級生(男)と駆け落ち騒ぎを起こした晴臣。
以来、実家とは縁を切って生活しています。

晴臣はその時々にセフレを作ることはあっても、特定の恋人を作ることは在りません。
本気で好きになった相手とその家族に与えた傷、自分自身が受けた傷がまだ癒えてないんでしょうね。

自分らし…

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隣に居るひと 小説

椎崎夕  竹美家らら 

涙腺崩壊

今回も泣けました。こうまで自分を犠牲にしなくてもいいじゃない! と思うほど。
でもそれは、大事な大事な姪や愛する人を守るため。それが愛し方なんでしょうねぇ。
わかっていても、辛い、切ない。
そして、今回はその姪の選択が追いつめてしまうことになるんですよねぇ。姪だって、相手を思い遣っての行動だったのに、過程がわからず結果しか見えないから、傷つけることになってしまって。
あれやこれや、もう泣け…

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三十二番目の初恋 小説

椎崎夕  金ひかる 

学習出来たでしょうか

切ない系健気受けというカテゴリに収まらないんですよね、このお話の受けちゃんは。
なんて言ったらいいのかなぁ。バカ(おバカじゃない!)なんですよねぇ、もっと上手く立ち回ったらいいのにといいたくなるほど。
しかも、ちゃんと手に職持って自力で生きていけるのに、どうしようもない男に引っかかってばかりで。
ろくでなしな男ばかり引っかかって(引っかけて?)、苦労を背負い込まなくてもいいのにと思うんですが…

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水底の月 小説

椎崎夕  高階佑 

客に惚れたら遊女は地獄

遊郭以外の世界を知らない深月。
楼主の言いなりでいるのかと思えば、なかなか芯はしっかりとしています。
いくら周りが諦めろと言わんばかりに「いつかは国へ帰る人だ。国には妻や子供がいるかもしれない」と言い続けても、好きでいることを止めなかったし、身請け話を断ったため別の店に売られることが決まっても、それを受け入れコンラートの傍にいることを選んだし。
綺麗なだけの人物とは、ちょっと違いました。

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隣に居るひと 小説

椎崎夕  竹美家らら 

子供の健気さに胸を打たれました

この作品は2001年同人誌として発表した
原稿をベースにまとめられ、
今回ルチル文庫から発売されました。
『帰る場所』の続編です。

『帰る場所』がとても良い作品で。楽しみにしていた続編。
メインカップルは勿論ですが、
彼らを囲む登場人物達がみんな愛しくて。
あの人達は??あの人とあの人はどうなったの??と、
ドキドキしながら本を開きました。

今回はどんな妨害があ…

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帰る場所 小説

椎崎夕  竹美家らら 

デビュー作も切なかったんですね

家族は桃子しか残っていなくて、桃子と喫茶店を守り育てることだけが生き甲斐な玲一。桃子と喫茶店に関しては、本当に自分を忘れて必死になってしまうんです。
「なぜ、ここまで頑張れるんだろう」と周りの人間が不思議に思うほどに。(私も思った)

それに対して西崎ですが、なんだコイツ、役立たず! と罵りたくなりましたよ。
たしかに見た目もいい男で仕事も出来るんだろうけど、肝心なときにまるっきり玲一の役…

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三十二番目の初恋 小説

椎崎夕  金ひかる 

自己評価の低すぎる主人公

攻・梶山敬之 医者
受・瑞原想 美容師

腕の良い美容師の瑞原は、じつはダメ男にハマる恋愛下手な人。
恋人だと思っていた同僚美容師に誘われ、勤めていた美容室を辞めます。
開店資金を出資し、新しい美容室の共同経営者として働き、恋人と同棲もしていましたが。

その恋人が付き合っていた女に子供ができたので結婚する、だから部屋を出て行け、と言われて驚き傷つくと同時に「やっぱり」という諦めにも…

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帰る場所 小説

椎崎夕  竹美家らら 

胸がきゅんきゅんする

攻・西崎征一(32) 謎の行き倒れ
受・室瀬玲一(23) 喫茶店経営

両親を亡くした姉弟は記憶喪失の行き倒れの男を拾います。
やがて姉と男の間に子供が生まれますが、男は行方不明に。
姉も亡くなり、姪の桃子と2人で姉の喫茶店を引き継いで暮らしています。

周囲の人々に助けられ穏やかに暮らしていた所に、様々な問題が一度に降りかかります。

まず、西崎という男が喫茶店の前で行き倒れて…

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帰る場所 小説

椎崎夕  竹美家らら 

椎崎さんのデビュー作

97年に出版された文庫の新装版で、
この作品が椎崎さんのデビュー作(投稿作)だそうです。
可哀想な主人公を書かせると上手い椎崎さん。
やはりデビュー作の主人公も可哀想で健気で、痛々しい人でした。

若くして亡くなった姉の忘れ形見・桃子を育てながら、
姉の残した喫茶店を切り盛りする玲一。
穏やかに幸せに暮らしていた二人の前に、
行き倒れの男・西崎が現れます。

玲一・桃子・西崎の…

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きみの背中を見ている 小説

椎崎夕  あさとえいり 

心情で読ませてくれるBL

不器用で人間不信の主人公が好きな人の弟という微妙なポジションの成章に惹かれていく過程がすごく自然で、どっぷり感情移入して読みました。
冒頭の知らない男とのエピソードがいい感じに後半の話を進める装置になっていて、やっぱり椎崎さんは上手いと思った。
切なさにうわーっとなって、それからちょっと心が温かくなる。
BLにはこういう出会いを求めている気がします。

ただ単に二人の世界~ってするんじゃ…

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