朝南かつみさんのレビュー一覧

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

じわりと心にしみ入る

不幸キャラを書かせたら右に出るものはいない凪良さん。今回の主人公はオトコ相手の恋愛詐欺師。需要あんの?それ?と思わず突っ込まずにいられませんでした。ストーリーとしては、どんでん返しもなく安心して読めた。かもにしていた病院の長男、加賀谷のひたむきさにほだされ、ミイラ取りがミイラになる受けのの図。まあ、そうなるよね。うんうん。

一見、控えめに見える加賀谷が、蓮に見せる執着がよかった。
「君…

3

神に弄ばれた恋 ~Andalucia~ 小説

華藤えれな  朝南かつみ 

筋金入りのヤンデレカプ?

タイトルに「Andalucia」とある通り、スペイン南部の雰囲気ムンムンの作品ですが、内容は痛いです。そして攻と受の互いを想う気持ちが切なくて泣けます。最後までハラハラし通しの痛い作品でしたが、凄くお気に入りです。また、朝南さんのイラストがピッタリ嵌まっています。特に表紙イラストとカラー口絵は超絶美しいです。

以下ネタバレしています。

サタナス(攻)は身分の低い闘牛士で浅黒い肌の超美形…

11

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

脆く積み上げられた「積み木」

あとがきで先生が書いていた通りまさに積み木のような話だな、と思いました。
今まで蓮が積み重ねてきたもの、その土台は脆く、一瞬でがらがらと崩れ落ちてしまう。
でも崩れたってそこで終わりじゃない。
加賀谷の存在のおかげでまた一から積み重ねていくことができる。
攻めの加賀谷がとても完璧な男というわけではなくて、金はあるけど冴えない退屈な男なところが人間くさくて良い。
家を持ちたいという蓮のささ…

1

この世の楽園 小説

綺月陣  朝南かつみ 

綺月陣なのにエロくない! 3Pなのに青春!

綺月陣の3Pモノときたら、すんごい変態モードを期待してしまうわけですが
案外マトモです。ただし、心理面で非常にねじけています。

まず最初の感想。
これね、フランスの有名コメディ俳優、ピエール・リシャール主演の「玩具 le jouet」をもんのすごく思い起こさせるストーリー。
ってか、あの名作映画の日本語版がないってなんなのーーー!!!!
ワガママで人を人とも思わぬ金持ちのおぼっちゃま…

2

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

恋愛だけでなく奥が深い・・・

BLと言っても、ちょっと犯罪がらみの考えさせられる内容でした。
たしかに蓮は詐欺師で決して褒められたことではないのだけど
それまでの生い立ちを知ると、蓮ばかりを攻められないとちょっとだけ思ったり。
みなさんレビューで書かれていますが、タイトルがいいですね。
積み木という言葉でいろいろな発想が生まれる。
単純に考えればこどものおもちゃなのに、すごく意味深い。
「恋愛詐欺師」よりいいと思い…

4

忘れないでいてくれ 小説

夜光花  朝南かつみ 

忘れられるわけがない!

朝南かつみ先生が挿絵を手がけた本の中でも
一、二を争うくらい好きなこちらの表紙。
切ないドラマを予感させる表情、構図の美しさに
ただただ見惚れてしまいます。

内容はというと、
シリアスな特殊能力系サスペンスでありながら
個性豊かな主人公たちの言動にクスッと笑える部分もあり
端的に言うと「すごく面白い!」作品です。


人の記憶が見える能力を生かし、
依頼人の記憶を消す仕事…

10

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

タイトルの意味がいい

何もかもすべてうまくいって終わるというわけでなく、あ、主人公とその相手との関係はうまくいくんだけど。
周りの環境が。
バイト先の嫁さんのお母さんがあのおばあちゃんだったと出てきた時はもしかして、警戒心がとけて仲良くなれるのかと思いきや、余計に警戒心を増幅させてしまってバイトも解雇されちゃうとか。
甘くないんだなって。

後書きやレビューにもあった、タイトルの積木、ひとつひとつ積み上げてい…

2

天狼は宝珠に酔う 小説

浅見茉莉  朝南かつみ 

切ない

朝南かつみ先生のイラストもすごく良い。

なんか、抱えてる受の景瓏。
抵抗もせず旋牙を受け入れる。
最初の夜は、強引に……でも、旋牙に景瓏に対する優しさがあり、
酷さは感じません。

でも、旋牙は従順な景瓏を腹の内は違うと疑う。

私の好きな設定。受が何か抱えてるとか、傷付けられたりとか。
旋牙に逆らいもせず、謙虚で世間知らず最初は旋牙を恐れていたが、
それが愛に変わっていく…

0

心理療法家の愛罪 遠い恋花火、めばえる渇恋 小説

柊平ハルモ  朝南かつみ 

解離性同一性障害

かなり、あらすじからは想像出来ないようなシリアスで切ない物語に引き込まれました。

あらすじには書いてなかったですが、攻の大斗が解離性同一性障害で長いこと心療内科に通ってます。

父の仕事を継いで大斗の事も引き継ぎ、人格を統合するために作られた大斗の中の『彼』にカウンセラーで受の朔哉が恋をしてしまいました。
でも、『彼』は消えてしまった。

朔哉に悲しみだけが残り、また大斗に対してわ…

1

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

タイトルも秀逸

愛によく似たものが降ってくる灰色の空を見上げた―

本編の最後に二人が結ばれる場面で、それでもなお、「愛」を溶けてなくなる雪に例える蓮(受)が非常に切なく、愛しく感じました。

加賀谷(攻)のような、馬鹿がつくほど誠実な人間に惹かれる反面、どうしようもなく劣等感を掻き立てられる蓮の心境がよく分かり、私は終始、蓮に肩入れしながら読みました。

加賀谷が蓮に惹かれた切っ掛けが、長年の片思い…

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