茶屋町勝呂さんのレビュー一覧

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

二人のやりとりに震える

続編。主に櫂谷視点で苦悩が描かれ、切なさと苦しさと熱さが増していた。

今作は殺人事件に挑むお話。黒澤と櫂谷はそれぞれの立場から、別々に捜査を行う。とはいえ、ところどころで必然的に絡まり合い、そのたびに新たな謎は生まれるし、見えてくる感情にかき乱されるしで、どんどん深みにハマっていく感覚を味わえた。

印象的だったのは、櫂谷が信じていた黒澤からの信用が、幻想だったのかと衝撃を受けるシーン。…

3

世界の果てで待っていて -天使の傷痕-(新装版) 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

二人の関係性は神レベルに好き

高遠さん初読み。硬質だが読みやすい文章で、事件ものの緊張感を際立たせており、とても良かった。表現力が高く、BLにしては珍しく小説らしい比喩に触れられた。一般書に近い読み心地。

メインキャラは元刑事の探偵と現役刑事。この一冊では、主に攻めの黒澤の事情を掘り下げている。櫂谷視点で描かれる黒澤の苦悩は生々しく、心理描写は少ないのに痛いほど内面が伝わってきて苦しかった。
櫂谷の方はまだ深くは語られ…

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夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

前評判通り

腐女子友達から何度か勧められてやっと読みました。このJUNE?時代のBLのようなBLじゃないような感じがすごく良いですね。商業BLが何でもBL展開過ぎて無理。だったり、最近BL食傷気味かも。という方には特に読みやすいと思います。魚住が受けで久留米が攻めになると思うのですが、受け攻め関係なく二人の関係性や青春の何気ない話にドキドキできます。しんどいシーンもありますけどね・・・。

私が今作で特に…

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世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

神の中の神!  先人達のナイスレビューに賛同して、完結編を乞う!

 自分と同じく、この作品にボコボコにされた苦悩に満ちた知性あふれる先人達の、切実なレビューが良いです!
 2005年に一作目、2010年に新装版と続編が出た後、未だ続編はでていません。…クッ…
 もう待ちくたびれて萌えどころか、妄想と苦悩にのたうちまわること七年。それでも常時自分のベストスリー内のこの珠玉の作品。
 私にとっては、BLの真打ち。
 
待つ意味がある以上は、いつまでも待ちま…

5

世界の果てで待っていて -天使の傷痕-(新装版) 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

続編出ないと墓に入れない。萌の真骨頂がここにある。

攻、受、共に刑事です。
 2005年、そして続編が2010年と刊行されています。肉体関係成立まで性急で安易な展開ストーリー運びのエロはすぐ満たされるが、すぐ忘れ去られる一発勝負作品( シリーズものを含む
) が多いなか、その対極にある作品です。初動萌えがいつまでも燻り残り続けます。しつこく。
エロよりエロスを求める人におすすめしたい。

…………… そういう意味では読…

1

夏の塩 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

よく生きるには?

よく生きるには?・・を考え直すきっかけになる作品だと思います。
人はひとりでも生きていけるけど、沢山の人と支えあって生きているんだと気づくことで、生きる力が増します。人は、群れで生きて進化してきた猿だからかな。

「宮廷神官物語」シリーズを先に知って、著者名漢字とひらがなの違いで超人気のデビュー作があると知り、興味を持ちました。レビューに「この作品に出会えてよかった」の一文が多いことにもびっ…

1

帰宅 小説

剛しいら  茶屋町勝呂 

何が家に戻って来たかで変わる

帰宅に関連する家族についての三つの短編集。
その中の「一枚の遺書」は剛先生のデビュー作と紹介があったので、読みました。表紙絵と挿絵が無い電子版です。

読後に、これで良かったんだ、とスッキリ思えない毒を夫々含んでいるので、心に刺さります。
ファンタジーで実際にあるかのような嘘物語でも、生きていると色々あるんだ、と読後に思う一冊でした。
こういうもの悲しい結末は、JUNだから?どれもハッピ…

1

秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

苦手

以前、木原さんの「片思い」を読んだ時に「この人はもしかしてMY NG作家さんになるんじゃないか」と思った。
その後、気がついたのだけど木原さんの作品は以前にも2回も読んでいた。
とっくにNG作家だった。
「ウィード」だったか…男を拉致してゲーム感覚で輪姦レイプして金押しつけて堂々と逃げる出だしのものがあって、その時に一発NG作家になった。
ムカつき過ぎて記憶から削除して数年経ち、BLランキ…

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造花の解体 小説

西条公威  茶屋町勝呂 

読めなかった

これは読めなかった。
痛い、というレベルではなく、人間としてあり得ないような一線を超えてしまっています。気分が悪くて読むことができませんでした。
特に、幼児への虐待を超えた非人道的行為や、腐敗し肉体が溶解する中での性行為など、とてもではありませんが一人の人間として受け入れることができない内容でした。

1

背徳のマリア 下 小説

綺月陣  茶屋町勝呂 

男同士の恋愛の終着点

ー神様、無垢な禁忌を裁くのですかー

圭介×彰、結城×和巳、各カプの完結話2編が収録されている。
背徳の生誕に取り憑かれた男たちの悲哀を描いた傑作。
読後感が色んな意味で凄い!
上巻よりずっとダークでヘヴィーで痛いので元気な時に読むことをオススメします。

「背徳のマリア-後編」イマージュクラブ1996年11月号初出
研究の末、実弟・和巳との間に胎児を誕生させた結城は
本人に知ら…

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