茶屋町勝呂さんのレビュー一覧

非BL作品

咎狗の血(1) 非BL コミック

Nitro+ CHiRAL  茶屋町勝呂 

非現実に踏み入る始まり

生死を賭けたバトルの中で生まれる愛憎と
凄惨な戦闘シーンで話題となったBLゲームのコミカライズです。
重苦しい雰囲気と廃墟の街がこれでもかという位描き込まれ、
自在なアングルでみせるコマもやや多めです。
台詞や説明が多く読みづらい感はどうしても否めません。
が、見せ場でもある戦闘シーンは切迫感があり一見の価値あり。

3度目の世界規模の対戦により、東西に分断された日本。
かつての首…

0

明日が世界の終わりでも 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

切なくて温かい

表題作は玲[攻]と望[受]との切ない話、「約束」はその6年後で玲の友人の城上[攻]と悠一[受]との話、最後の「集い」はその4人が出会うエピソードで締めくくられています。

心にずしんと来るのは表題作。
玲と望は恋人同士なのですが、玲自身は決して望を抱かずに城上を始め他の男に抱かせそれを見ているだけ。
SMプレイのそれではなく玲は過去のトラウマからそうやってしか愛せない人間。
望は次第にそ…

1

魚住くんシリーズ・メモリアル I'm home 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

また会えて嬉しいよ

本当にどうしようもなく惚けてしまったのですよ、
このシリーズを読み終えた時に。
実在していると言われれば微塵も疑わない程、
彼らは文字という形を飛び出して息づいていました。

本編後の近況を伺えるメールのやり取りは、
マリや濱田、サリームに響子たちのお喋りそのものです。
そんな中でも、魚住にとってマリは久留米とは違う部分の
心を預ける人なんだな、と感じました。

各話のダイジェ…

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秘密 小説

木原音瀬  茶屋町勝呂 

「秘密3」で涙ぼろぼろ

3部に分かれてます。
「秘密」→啓太目線
「秘密2」→充の従兄弟の榎元目線
「秘密3」→充の弟樹目線

あらすじの「大きな冷凍庫が唸る部屋で、独り夢を見たくなかったから」から始まるミステリーのようなホラーのような話かと思いきや、このような“ジャンル”という一言ではくくれない物語です。この作品を読んだあとの感想としては、作品としての萌度はほとんどありません。

杉浦充というキャラクター…

9
非BL作品

Lamento-BEYOND THE VOID- 2 非BL コミック

茶屋町勝呂 

呪いの片鱗が明かされる

同名BLゲームのコミカライズです。
ゲーム内でのキャラルートの偏りもほとんどなく、
代わりにゲームでは見られなかったキャラ同士の
掛け合いが拝めます。

2巻では賑やかな悪魔達が勢揃いし、コノエの痣が消えるまでが
描かれます。ライの戦いぶりの見せ場もあり、
長髪とマントのなびく姿は大ゴマに映えます。
ゲームでは黒の印象だった服も、表紙で紫がベースとなっていて
とても美しいグラデー…

0
非BL作品

Lamento -BEYOND THE VOID-1 非BL コミック

Nitro+ CHiRAL  茶屋町勝呂 

紡がれるはじまりの物語

耳としっぽ、敏捷でしなやかな肢体を持つ猫型種族のリビカ。
彼らが暮らす世界で起こる禍々しい浸食と、
知らずに世界の運命に巻き込まれた青年達の物語で、
同名BLゲームのコミカライズです。

ゲーム内で印象的な深い森の風景が、
コミックスでも十二分に描き込まれています。
鬱蒼とした自然風景が大好きなので、
これぞファンタジーの醍醐味といった所でしょうか。

ゲーム内におけるキャラル…

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3は、キライ。 コミック

茶屋町勝呂 

3冊目の単行本だそうです

99年発行ですが茶屋町さんの絵はやっぱ上手いですねー。
表題作は3の数字を嫌う受験生(多分浪人生)公和は商店街のくじ引きのくじを交換したのを切っ掛けに同じ受験生のユキヒコにアパートに居着かれちゃいます。
ユキヒコは公和に夜中にそっとキスをするんですが、そのキスシーン自体は描かれてはいません。そこがいいんですよねーーーそこが!
実は幼馴染みでしたってお話。
BL色が一番強いのは「ベッドロー」…

0

CHAYAMACHI CHiRAL WORKS コミック

茶屋町勝呂 

再構築された世界

BLゲーム「咎狗の血」「Lamento」のコミック版から、
カラー、モノクロの扉絵を含め
70点以上のイラストが収録されています。
巻末には出典記載があり大変参考になる上、
今ではお目にかかれない書店用POPや
店舗配布ペーパーも載せている豪華さ。

ゲームのコミカライズにあたって、
ご本人は「大胆な世界観の解釈が許されること」を
条件とされたそうです。
キャラの仕草や背景、色…

1

カオルくん コミック

茶屋町勝呂 

純粋なキス

表題のカオルくんが主人公。
彼が子供の頃から始まり、学生になってからの彼と彼が出会う人々との短編集です。
トーンも効果線も殆ど無し、しっかりしたデッサンで描かれた人物とモノクロの空間は時に冷たく、時に暖かく見る者を持って迎えます。

エロは皆無、BL要素は薄いです。
けれどそれだけに巻頭での不法滞在労働者ユニさんの虐待され愛されない幼いカオルへの純粋な慈愛のキスが心にすーっと染みて行きま…

3

世界の果てで待っていて -嘘とナイフ- 小説

高遠琉加  茶屋町勝呂 

胸が痛い!

イラストレーターが変わるとこうも与える印象も変わるのかと思うほどに、重苦しさが押し寄せて、胸がつぶれそうになる。
1作目も切なさが押し寄せて苦しかったが、今作もどうしようもない、やりきれない2人の想いがひしひしと迫ってきて、思わず悲しくなってしまう。
そこまでして、2人が追い詰められるほどに警察と一般人の溝は深く、自分の中に気持ちを抑え込んでいる黒澤が、どうにかしたいのにどうしようもできない雪…

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