竹美家ららさんのレビュー一覧

上海 小説

かわい有美子  竹美家らら 

美しくて、純愛で、切なくて温かい気持ちになります。

執事、使用人の階級についても結構細かく書かれてます。
いわずもがなかわいさんは本当に文章が綺麗なので、この作品もはやBL小説というより、メロドラマ。
人間模様中心で、しかも恋愛という言葉では言い表せない、まさに「人生」そのもの。二人の間には大きな壁があり、それは性別しかり、身分だったり、戦争であったり・・・
スケールが大きい上に時間の流れも人一人の半生程の長さ。
1冊でよくおさめたよなぁ・…

3

帰る場所 小説

椎崎夕  竹美家らら 

大切なものを守るために

室瀬玲一のたった二つの生き甲斐は姉の残した小さな喫茶店と、彼女の忘れ形見の姪、桃子の成長を見守ること。
この小さくてささやかな世界を守ることだけに心を砕く玲一の前に、一人の男が現われた。
ある日店の前に倒れていた男は自分に関する記憶がないという。
その状況は七年前に姿を消した桃子の父親の時に酷似していた。
そんな時喫茶店が地上げの標的になって嫌がらせが始まって……

生まれ育ちのせいで…

1

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

綺麗でした。

今から1年前に本屋さんで出会いました。
題名が『雪よ林檎の香のごとく』
もともと北原白秋が好きで知っていたんですが
題からしても綺麗だなあとつい手にとってしまいました。
が、
すっごく良かったです!!
ふんわりと、やさしく心の中に入ってきてくれるんですよね・・・

けっこう本にはうるさい友人も
「・・・・・・すごい・・・・綺麗・・・・・・・」
と返しに来たときにいってくれました…

8

しもべと犬 小説

玄上八絹  竹美家らら 

ワンコは切ない

「愛されたい」
「愛しているから、愛せない」
お互いに深く愛し合っているのに、お互いを大事に思うあまり、求めることができなくて、すれ違ってしまう。
そんな、切ない、すれ違いラブ。

この「切ない、すれ違いラブ」を盛り上げるのが

犬として人の形に作られた生命体、人の血肉も、人の感情も持っているのに、人であって人間ではない信乃。
過去にある事件に関わってしまったがために、警視庁内の裏…

4

篝火の塔、沈黙の唇 小説

玄上八絹  竹美家らら 

ちょっと苦手かな

かなり痛い話でした。痛くて痛くて、途中読むのを躊躇されるものがありました。だからお兄さん達の鬼畜名場面はすっ飛ばして読みました。

2

おとぎ話のゆくえ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

辛口かも。一穂さんゆえに辛口なのかも

辛口です。
すいません。

萌えたのはエレベーターのシーン。
あそこ良かったー。
流れが完璧。
神シーンでした。

で…ここから辛口です。
まず、野衣家の人間をみんな「物分かりのいい人」にしちたことに違和感。性善説で作品を構築するのがダメという意味じゃなく。
茶鬼さんの感想とちょっとかぶるのですが、脇役がみんな「いい人」なら違和感を覚えなかったと思う。「いい人」と「物分かりのいい人」、この二つは似…

7

上海 小説

かわい有美子  竹美家らら 

何もかも、たまらんです

三回泣きました。
最初の別れ。
二度目の別れ。
そして、巡り会えたとき。

かわい有美子さんの歴史に対するアプローチの仕方、かなり好きです。
ここまで丹念に調べ、それを極めてナチュラルな視線でもって背景を描くことができる作家さんなんて、めったにお目にかかれない。
読みながら、唸らされるような描写がいっぱいでした。
魔都上海。今はなき魅惑的な街です。
その街を舞台に、イギリス人の主人と中国人執事の切…

9

おとぎ話のゆくえ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

ずっとこのままでいられますように。

現代でも、まだ、お城の若様として、地方の城下町で暮らしている湊。
定職も持たず、人の空気を読むことだけで渡り歩いていた隼人。

それにしても、なんでこんな二人が出会っちゃったのかね?

という、根本的な疑問は持ってはイケナイ。
それこそがおとぎ話だから。

吾川という地方の城下町での暮らしは、紛れもないおとぎ話のよう。
なにも持たない、なにも持つ気がない隼人が、そんなおとぎの国に…

2

愛の謎が解けたとき 小説

斉藤まひる  竹美家らら 

意外な展開

あらすじだけならなんとなく似たようなお話を思い浮かべられるんですが、
読んでちょっとびっくり。意外な方向にストーリーは転がっていきます。
そもそも、この料理人さんというキャラクターがあんな犯罪しそうもなくて、困惑します。でもそれがきっかけなので、まあいいかと読み進むとまたまた何故こうなる?的な方向に…
でもなかなか良い感じの攻めキャラさんで楽しめるのと、そこここにくすっとなるところもあります…

1

おとぎ話のゆくえ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

性善説・・・ですよね

何日も前に読み終えているので、記憶も曖昧になりつつありますが、キュンキュンさせてもらったお話でした。

持ち前の世渡りの上手さで、東京の底辺で生き延びてきた来杉が、なんとなく友達の帰省に着いてきた田舎町で、殿様の子孫・湊に出会ったことにより始まるお話です。

何につけ冷めていて、自分の気の向くまま“今”だけを生きている来杉と、おっとりとしながらも芯は強く、“若様”としての公の立場も保ちなが…

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