竹美家ららさんのレビュー一覧

羊とオオカミの理由 小説

杉原理生  竹美家らら 

羊さんもオオカミさんも、お花畑で和みましょう♪

某所で出ていた羊話からの連想で読みました(笑)
杉原理生先生、「夏服」「ハニーデイズ」と私的にはイマイチが続いたのですが、
これは三度目の正直というか、三人目の正直というか
(だって、前二作受けがダメだったんだもん)好きな作品でした。

基本的に作者も後書きで述べているように、ラブコメならぬホームコメディです。

章彦(玩具メーカー勤務、担当はぬいぐるみ♡)は、弟の太一(大学生)と二…

5

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

女の生きざま

言わずとも知られている作品。

私は 「葉子」という女の意地物語だと思っています。
お昼のメロドラマです。
女教師と教え子の禁断の恋。
思ってた以上に嵌まってしまう二人。
女教師には 婚約者がいた。
それでも逢瀬を重ねてしまう。
・・・妊娠。
愛してしまった教え子の子ども。
身体を壊してしまうほど想い悩む。
・・・別れ。
婚約者が女教師と子どもを連れて行く。

私は葉子…

4

Summer Tune 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

いつまでも、いつまでも、愛する人々が 欠けないビー玉のようであって欲しい、という願い

夏休み、遠方の法事に出かけた両親の留守の数日間。
大学生になった志緒は、幼稚園児の妹・美夏と二人で過ごすこととなる。
美夏はお兄ちゃんが大好き、
両親の留守も「しーちゃんがいるから平気」と言ってくれるが、
幼児と二人の慣れない生活はなかなか疲れるものだ。

猛暑の昼下がり、庭にビニールプールを広げて美夏を遊ばせていると
丁度差し入れを持って りか がやってきて、水着になって一緒に入る…

4

BLOOMIN’! 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

匂へどもしる人もなき桜花…

「Lie to me」のあと、湊の大学の入学式前後の話。
この2冊の番外編を読んで、湊の進学先を京都にした作者の上手さに改めて舌を巻く。

進歩的で閉鎖的な街、余所者に邪険で学生に寛容な街。
生まれた時から「若様」として特別だった湊も、この街では一人の新入生だし、
なんとか定職なんていう馴染みのないものが続いている来杉も、
普通にうさん臭い余所者だ。

新しい生活に好奇心の眼を輝か…

7

Lie to me 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

若様と野良犬のような男の、その後のお話

「おとぎ話のゆくえ」の番外編、湊が京都の大学に進学して来杉と再会してからのお話。
60ページの、なかなかに読みでのある話です。
「ドーナッツ」(ドーナツじゃないのよw!)が沢山の表紙も可愛い。

何故か来杉は一緒に夜を過ごしても、湊に手を出してこない。
それに疑問や不安を抱いている中、湊は持ち前の彼にとっては当たり前の正義感で
困っている芸妓・鈴子を助ける。
実はそれが来杉が知り合っ…

4

Summer Tune 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

心配になりすぎてしまいました!!

この度の桂×志緒は萌えを堪能するというより、
お子さんがいらっしゃる方ならわかっていただける筈ですが
もう心配で心配で心配で…!!
ハラハラしました。

というのも、志緒の両親の不在中、
志緒が美夏の面倒を見る事になりまして、
庭でプール遊びをしている時にりかがおかずを差し入れに来てくれます。
美夏のお誘いで、りかも水着に着替えて来て一緒に遊ぶと
カメラを持った不審者にりかが気づ…

4

my name is Red 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

赤い記憶

「雪よ林檎の香のごとく」の番外編。時間的には色々な、短いお話が入っています。
朱肉、紅玉、ナナカマド…と、赤をテーマにした短編集。
相変わらず小物の使い方が上手い!

志緒くんの、独特な鋭くて真っすぐな感性の魅力。
無自覚で熱烈でそして実はエロティズムに溢れたレポート=ラブレターに痺れました。
桂じゃなくても、やられちゃうよー。
二人の会話も相変わらずいい。

どうでもいいことで…

2

春情終夜 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

二十歳になっても志緒くんは志緒くん!

一穂ミチさんの清冽なデビュー作、「雪よ林檎の香のごとく」の番外編。
タイトルは、「しゅんじょうよもすがら」と読みます。

志緒の二十歳の誕生日を迎える少し前から当日の話。
妹の美夏(いつの間にやら幼稚園児、そしてmeet,againでは小学生になっているのよ〜)が
拾ってきた捨て猫の貰い主を探すのに、
相変わらず人間関係の狭い志緒がメールを送って頼んだのは、桂とりか(多分)。
職業柄…

2

Saturday night paralysis 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

清いながらも色っぽい

志緒が成人を迎えます。おめでとう!

桂はあいかわらず飄々としていつつ、
表にはそんなに出さないだけで
志緒に夢中なんだなーっていうのがすごく嬉しい。
そんな桂に志緒はやきもきしたりするのも可愛い。

『サタデーナイトパラリシス』とは
橈骨神経麻痺、という症状らしいです。
腕枕をすると、なるんですって。うふ。
なかなか痺れが治らず、満足に右手が動かせない為
志緒は責任を感じて…

6

帰る場所 小説

椎崎夕  竹美家らら 

子供は、泣けるよね

姉が残した娘・桃子と二人、
姉が残した喫茶店を守って生きている怜一。
ある日、店の前で一人の男が行き倒れていて、
それは、7年前にいなくなった桃子の父との最初の出会いを・・・。

なんというか、いろんな要素満載。
思いっきり頑なな主人公に、謎の男。
肉親のように親身になってくれる死んだ姉の親友。
元気なバイトの女の子。
地上げ屋とその手先。
離島のお婆さん。
そして、姉が残し…

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