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一穂ミチ 竹美家らら
Krovopizza
ネタバレ
「ハナビ」ではなく「ヒバナ」。 何故に?と思いましたが、読んでみて納得。 この心がヒリつくような切なさには 花火なんて綺麗な形容より、火花の方が相応しく思えます。 夏休み。志緒が大学生の頃の話です。 「月の夜っていうのはつまらない」 この一節がどの小説の言葉だったか思い出せない桂。 志緒は、多忙な桂のかわりに その本を探してあげようとします。 図書館で会った栫のお…
snowblack
黄色いポップな表紙、今(?)より若い頃の桂と志緒くんのお話。 『雪よ林檎の香のごとく』通称『林檎』の番外編は、本編終了後 本人達がリアルに生きているように年輪を重ねながら、沢山出ている。 今や桂は志緒の母校から転勤し、志緒は大学を卒業して大学院に進み そして本編中で生まれた小さな妹は、小学生になっている。 今回の一編は時間が少し巻き戻って、多分桂の転勤前 志緒が大学生の時代の話…
riceplant
「ふったらどしゃぶり」から「ナイトガーデン」へと刻々と流れる時間を一顕と整、和章と柊が生きる。 「あわ」 社員旅行で伊勢神宮へ、事故の後遺症で車に乗れない整は一顕という精神安定剤と共にタクシーを無事に乗車する。交通安全のお守りの悲しい思い出が優しく色を変え、一顕が贈った赤いお守りは整の心臓を温め続ける。 親しい同僚に赤ん坊が生まれて、その幸福の形が自分とは縁遠いことに世間との隔たりを感じ…
「月の夜っていうのはつまらない――――」 ワンフレーズだけが頭に浮かぶが、なんの本だったかは思い出せない桂。 学校でトラブルを抱えて電話が鳴るとすぐに出て行く桂と志雄の間にわだかまりが落ちる。志雄は自分が置いてけぼりにされる現状に耐え、桂が疲労していくのになにもできない自分を歯がゆく思う。 せめて思い出せない本を見つけて喜ばせてあげたいと探し始めるのだが・・・。 不平不満を漏らさず…
ココナッツ
ディアプラス文庫フェアで、対象の既刊を買うと貰えたポストカード。 その裏のSSです。 久々に桂先生と志緒ちゃんが読みたくて、持っているのにも関わらず購入(涙 内容は当たり前ですが短いです。 桂先生の部屋のカレンダーに載っている『二十四節気と七十二候』。 その中の今日の日付けにあった『腐草為螢(6月11日〜15日くらい)』。 その話から螢、そして妹の美夏の子供らしく可愛い勘違いへと進…
※閲覧注意※ ネタバレが苦手な方はご注意ください。 『ナイトガーデン』本編後の話。 和章視点。 和章は影が嫌いだった。 薄い闇は己の怠惰や嫉妬や憎悪がしみこんでいる気がするからだ。 決して自分から離れない影は、自分の『悪いこと』をすべて知っている気がして怖かった。 整は昔、ある漫画(影を影武者にして使役するうちに主従が入れ替わるという物語)を怖がっていて、その対処法(…
『ふったらどしゃぶり』で大変気になる退場の仕方をした 和章のスピンオフ。 読後まず思ったのは、非常に精神的な作品だということ。 ややもすると地味ですが、 脳裏に一面の緑が浮かぶような自然の描写は素晴らしく、 哲学的で繊細な心情描写にも大変引き込まれました。 プロダクトデザインの仕事を休職中の和章は、 大学の恩師で、今は静かな山の中に暮らす石蕗の下で 書庫整理を手伝うこと…
雀影
「ふったらどしゃぶり」で、取り残されてしまった方の和章のお話。 「ふったら~」の和章の印象と、この作品の和章が違うように、 「ふったら~」の整と、この作品で和章が思っている整の印象も随分違う。 本当に弱くて、依存していたのは和章の方だったんだなぁ。 そんな和章が、それまでの生活すべてから逃げ出して、偶然たどり着いた大学時代の元恩師・石蕗の家。 石蕗とその孫・柊のそばで、和章は、徐々に…
だん
みなさんの評価が凄かったので遅れながらも手に取ってみました 個人的にロマンス風とか夢見がちな作品が好きなので リアルな作風は「神」評価まではいきませんが、面白くは読めたと思います BLはファンタジーだと言われますが これはリアルな感じでBL本といいますか、恋愛小説と言った方がいいかな・・・ どうにもできない思いをそれぞれ持つ登場自分人物たちの、モヤモヤした感じが 何ともいえず切…
『ナイトガーデン』書き下ろしペーパー。 本編の後半『ブライトガーデン』で、山を出て一緒に暮らす未来が示されていた。 そんな二人の新しい家の寝室には大きな窓があり、 そこに頭を向ける形でベッドが置いてある、 月光の冴えた晩、周囲に高い建物がないのを幸い、ガラスに夜を透かして交わる。 シーツにうごめく影、白い壁に滲む影。 影を巡る、幼い日の思い出。 そこには幼馴染みの姿があり、今…