竹美家ららさんのレビュー一覧

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

雨音が聴こえてくる空気感

この作品の持つ雰囲気が好きです。
雨音と一緒に雨の匂いまで香ってきそう・・・どの場面でも雨がすごく効果的だったと思います。

メールの誤送信から始まった交流。顔が見えない相手だから本音を明かせて、顔が見えないからこそ心に惹かれる。文字だけのやりとりなのに、そこから相手の気遣いを互いに感じ取るところ、いいなぁと思いました。
互いが同期だとバレた後、整と萩原がさらに惹かれあっていく過程は、雨粒…

1

ナイトガーデン 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

贅沢なボーナストラック

本作程度の甘さがどの作品にも含有されて
いれば、この作者さんの評価の振れ幅は
現状より少し狭まるかも知れませんね。
少なくとも上方向に。

本作単独で読んでも実際の所そうそう
混乱する事はありません。
そう言う所がこの作者さんは折り目正しい
ですね。
本一冊の空間を用いて力技も使わずに
世界をきちんと分けている。
しかも毎度の如く、生みの親のエゴを
極力排して産んだ子供〔小…

4

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

腑に落ちる、かも知れない

この作家さんへの評価が余りにも判り易く
二極化する要因が視えてくる様な、そう言う
一冊でした。
非常に整った世界観ですね。
そして無駄な冗漫さが入り込む余地が一切ない。
後書きにしてみても作品の補完の一部であって
作者自身の内面の吐露ではない。
観客として物語を俯瞰したい人にとっては
垂涎ものの物語でしょう。
ただ、疑似体感を読書作法として取り入れて
いる方にとっては取り付く島…

1

おとぎ話のゆくえ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

おとぎ話とは

あ、自分はこういう無垢な受が苦手なんだな、と気づいてしまいました。なんだろうな…二人の温度差がどこで縮まったのかよく分からず、お互いに「この人じゃなきゃダメなんだろうな」という気がしませんでした。

あと、この作品には竹美家ららさんのイラストはマッチしてないんじゃないかな~。特に、隼人が普通の優しいお兄さんにしか見えませんでした。表紙絵の感じもこう、優しいしね。

作家買いしそうなほど好き…

3

上海 小説

かわい有美子  竹美家らら 

心の琴線が震えました

かわい有美子さん
初読みでした。
舞台は近代、第二次大戦前の上海の租界。
歴史もの、外国人が出てくるものは避けていたのでしたが。
もうきっと歴史の中でしか存在しない租界のノスタルジーと
主従関係でも結ばれたファンタジーとダブルで感動しました。
皆様が行っている通り戦火のなか、イギリスに帰ろうとするレイモンドだけどエドワードには旅券がない。どうしても二人で船に乗りたいのに、外国籍以外中国…

2

イエスかノーか半分か 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

無自覚的小悪魔系受様

一穂ミチさんは「朝から朝まで」以来2作目です。
「朝から~」は感動!!ってほどでもなかったのですが、
新規の作家さんを開拓したくって、
私が「神!」と思ってる作品に
同じような評価をしているレビュアーさんの
評価の高い作品を漁ってたらこの作品にたどり着きました。

計=オワリだと、いつ気づくのかなぁ
そのときどんなリアクションが‥と思っていたので、
その点に関してはちょっと拍子抜…

1

イエスかノーか半分か 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

キャラクター萌の本でした

キャラクター萌の本でした。計はとても可愛く魅力的なキャラですが、それも後半になってくると少し乙女思考が強かったかな…という感じがしました(最初の印象が強烈だっただけに笑)。
そこがかわいいツンデレとして物語を彩っているのもあるんですけどね。

私はどちらかというと攻めの潮の人柄に惚れ込みました。やっぱりツンデレは攻めの魅力があってこそ成り立つものだと痛感しました。
決めるところはしっかり決…

1

赤ずきんとオオカミの事情 小説

杉原理生  竹美家らら 

ツンツンな赤ずきんとわんこ系オオカミ

「羊とオオカミの理由」のスピンオフで、私は前作を読んですぐ後に読んだのですが、単品でも読めるように書いたとのことなのでおそらく単品でも読めると思います。
でも私はこれを読んで攻めの太一の印象が前の「羊とオオカミの理由」から大分変わったので、やはり前のを読んでからのほうがいいかな?とも思います。

同じ大学でゲイで、人を介して知り合って付き合い始めた太一と真紀ですが、わずか数ヶ月で破局。
そ…

2

羊とオオカミの理由 小説

杉原理生  竹美家らら 

一瞬、三角関係ものなのかと思いますが

大学生の弟・太一と、会社員の兄・章彦。互いに大好き!という空気を振りまいている二人暮らしの家に、太一の親友・亮介が転がり込んでくるというストーリー。

最初は兄と弟+その親友という三角関係ものかと思って、もしそうなら複雑だなーと思ったのですが、わりと早い段階でそうでないとわかり、それ以降はスンナリ面白く読めました。

亮介のイジワルでワイルドな攻めキャラと、しっかりしていてどこか抜けている…

1

イエスかノーか半分か 2 世界のまんなか 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

『国江田さん』と『計』

ネタバレしたくないのですが、どうしても少しにじみ出てしまう・・・すみません・・・。
相変わらずセリフとかモノローグのひとつひとつに『クスッ』と笑える部分がたくさんあります。前作もそうでしたが、計の心の中のブラックトークがハンパない。「このくそ野郎のやってるSNSがことごとく炎上しますように」とか普通に思っちゃう計のキャラが突き抜けていて、唯一無二なキャラではないかなと思います。
今回まさかの事…

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