杉原理生さんのレビュー一覧

愛になるまで 小説

杉原理生  小椋ムク 

ジレジレ×義兄弟もの=ベストマッチ

読んでて思い浮かんだのが「表面張力」という言葉です。
両片思いなのにすべてが壊れてしまうのを恐れて、ぎりぎりのぎりぎりまで兄弟から逸脱しないように振る舞う二人……。

杉原理生先生お得意の焦れ焦れ&ぐるぐるが、こんなに義兄弟ものと相性がいいとは思いませんでした。
ベストマッチな気がする。
義兄弟は、家族への罪悪感とか葛藤とかで悩みに悩んでナンボよ!って人に読んでほしいです。

お話は…

2

錬金術師と不肖の弟子 小説

杉原理生  yoco 

丁寧に編み込まれた良質なファンタジー

とても楽しめたし、面白かった。

謎が謎を呼んで、それらがどう繋がっていくのか先が読めないミステリアスさにワクワクさせられました。
そして一つも破綻せずにそれらが繋がっていくところがお見事で、最後まで物語の世界にとっぷり浸かったまま読めました。

謎めいた錬金術師や空飛ぶ竜が登場するファンタジーものでありながら、BGMがけたたましいハリウッドの超大作!みたいなド派手なやつではなく、表紙の…

8

恋を綴るひと 小説

杉原理生  葛西リカコ 

じわじわときます

受けの心象風景として竜神や水の底に沈んでいくイメージが何度も登場するので、まるで揺らめく水の中を思わせるようななんとも不思議で幻想的な雰囲気が作品を包み込んでいます。

前半はオカン気質な攻め・蓮見視点。
後半は受け視点という二部構成ですが、後半が断然良かったです。

というのも、主人公である受け・和久井は一言でいうと不思議ちゃんで、思考回路が解りづらい!!
彼は魂を半分持っていく竜神…

3

世界が終わるまできみと 小説

杉原理生  高星麻子 

綺麗な物語です

杉原先生の作品は初めて読みました。レビューが多かったせいか以前から興味はあったのですが、やっと読む事が出来ました。
感想として、綺麗な物語だと思いました。有理と怜人、初めてお互いが出逢い、運命のいたずらか別れがあり、そして偶然の再会。
どの場面も作者さんの表現や場面がとても良いんですよね。
お互いに幼い頃から家族環境による苦労や悲しみ。そしてそれをお互い決して口に出さず、自分の胸にしまい、そ…

3

スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

焦れったいけど、良かった

タイトルからかなり焦れったいんだろなぁと覚悟してたけど、本当に焦れったかったです。

二人のやりとりを読んでて思い出したのは「表面張力」って言葉。
いつコップの水が溢れてもおかしくないギリギリのところにいるのに、極度のヘタレ攻めと鈍感受けという組み合わせなので、奇跡のような表面張力が働いていて溢れてこない。

焦ったさを期待して読んだくせに、友人から脱却しそうでしない二人にウガー!となり…

3

スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

低温低速なのにラブラブ

少し古い作品も電子書籍のおかげで手に取りやすくなりありがたいです。
今回はあらすじの「お前だけは絶対好きにならないから」という一文がとても良いフリだなあと思って購入してしまいました。ジャケ買いでも作家買いでもなく、あらすじ惚れです。

結果大当たり。大好きです。このテンポ。この日常感。男女問わず普通のカップルが抱えそうな葛藤もありながら、ちゃんと二人は大人の男なんです。そこに中学時代からの思…

3

羊とオオカミの理由 小説

杉原理生  竹美家らら 

とにかくイラストがかわいい

表紙に惹かれて購入しました。
竹美家先生の描いた人物はとにかく可愛いくて見ているときゅんきゅんします。
でも可愛いだけじゃなくて、温かみがあって血が通ってる感じが好きです。

で、内容ですが。
杉原先生の文章は読みやすくて、するする胸に入ってきます。
主人公の章彦は重度のブラコン。8つ下の弟(義理)が日々の癒やしのもと。
ある日、弟の友人が居候することになり・・・

ということで…

2

錬金術師と不肖の弟子 小説

杉原理生  yoco 

夢見るファンタジー

すごく久しぶりに著者の作品を読んだせいかもしれないし、
このところずっと電書での積読を勢いよく消化中だったせいかもしれない
それでも自分をアホかとショック受けつつ
読了まで成瀬かのさんのつもりだったことを懺悔します…

ええと、成瀬さんでは、とくに『獣の理』『異界の王』などが好きで、数十冊読んでいて、
杉原さんは、ことによると十年くらい前がとくに集中して読んでいた作家だというあたりを言…

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親友の距離 小説

杉原理生  穂波ゆきね 

タイミングって大切ですよね

せつない描写が秀逸な作品でした

攻め視点で進んでいくので、せつなさが少し伝わり難いというか、想像し難いというか‥
受け視点の方が、個人的には好きな流れかなと思いますした

後日談も掲載されてますが、もう少しイチャイチャしててもよくないですか?
なんか、読んでてちょっと辛くなってきました
片想いをこじらせるとこんな風になっちゃうのかなぁ
幸せって、恐怖と隣り合わせなんですよね
気…

2

星に願いをかけながら 小説

杉原理生  松尾マアタ 

受けがグルグルしすぎ

同じところで、足踏みが続くなぁと思いながら読み進めていました。
とにかく受けが臆病というか、しつこい程後ろ向きすぎる。

なかなか切り替えが出来ない性格で、実らなかった初恋を10年経っても何かと思い出すという性格なので、眼中にない相手、しかも初恋相手の弟に恋を打ち明けられるも、なかなか受け入れられずグルグルしちゃうのも仕方ないと思いながら読んでいたけれど、それにしても限度っていうものがある…

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