杉原理生さんのレビュー一覧

愛になるまで 小説

杉原理生  小椋ムク 

ちょっと物足りない

互いに好きあっているのは何となく分かるのですが、しっかりとした表現があるまで、かなりのページ数を要しています。
だからなのか、私は少しじれったく感じめてしまいました。
光里が思いきれないのも生い立ちが原因で、義母の存在も光里の性格を形成する一因だし、互いに好きだからとすぐに結ばれるのはおかしいのだから、じわじわと進む内容でいいのは分かっているのですが、ならばその先ももう少し覗かせてほしかったで…

2

親友の距離 小説

杉原理生  穂波ゆきね 

年月を経たからこその二人の関係

親友だと思っていた男から突然告白され、応えないまま「忘れてくれ」と告げられ、そのまま疎遠になってしまった親友。
それから6年。

大学時代の親友・七海と仕事で再会した進一。
動揺すると進一とは対照的に、七海は気まずい過去など忘れたように振る舞ってくる。
そんな七海がなんとなく腑に落ちない進一は、次第にモヤモヤを募らせていく。
そして、七海の元恋人に会った進一は……

と…

0

硝子の花束 小説

杉原理生  佐倉ハイジ 

穏やかでどこか壊れている話

大学生の瑛は、兄の恋人だった脩一と一緒に暮らしている。
数年前、兄・雅紀の死に落ち込む脩一と一時期関係を持っていたが、兄を思う脩一の気持ちに耐えきれず、二人の関係は、一度はそこで終わってしまう。

けれど、どうしても脩一のそばを離れたくない瑛と瑛を傷つけてしまったことを申し訳なく感じる脩一との間に成立してしまったいびつな関係。

ところがそこに、現れたかつて雅紀が家庭教師をしていた…

0

錬金術師と不肖の弟子 小説

杉原理生  yoco 

架空世界

yocoさんの挿絵が気になって購入しました、ファンタジー小説としては相当面白い部類だと思います。

BL的にはやはりもう少し萌えが欲しかったですね、美形だらけなのは良いのですがみんな冷静かあまり色気のない感じなので。

アダルバートとリクトの前世の話がもう少し読みたかったです、ここら辺膨らませればもう少しBLぽくなったのでは。

それでも今まで読んだBL小説の中では三本の指に入るくらい…

0

愛になるまで 小説

杉原理生  小椋ムク 

ジレジレ×義兄弟もの=ベストマッチ

読んでて思い浮かんだのが「表面張力」という言葉です。
両片思いなのにすべてが壊れてしまうのを恐れて、ぎりぎりのぎりぎりまで兄弟から逸脱しないように振る舞う二人……。

杉原理生先生お得意の焦れ焦れ&ぐるぐるが、こんなに義兄弟ものと相性がいいとは思いませんでした。
ベストマッチな気がする。
義兄弟は、家族への罪悪感とか葛藤とかで悩みに悩んでナンボよ!って人に読んでほしいです。

お話は…

2

錬金術師と不肖の弟子 小説

杉原理生  yoco 

丁寧に編み込まれた良質なファンタジー

とても楽しめたし、面白かった。

謎が謎を呼んで、それらがどう繋がっていくのか先が読めないミステリアスさにワクワクさせられました。
そして一つも破綻せずにそれらが繋がっていくところがお見事で、最後まで物語の世界にとっぷり浸かったまま読めました。

謎めいた錬金術師や空飛ぶ竜が登場するファンタジーものでありながら、BGMがけたたましいハリウッドの超大作!みたいなド派手なやつではなく、表紙の…

8

恋を綴るひと 小説

杉原理生  葛西リカコ 

じわじわときます

受けの心象風景として竜神や水の底に沈んでいくイメージが何度も登場するので、まるで揺らめく水の中を思わせるようななんとも不思議で幻想的な雰囲気が作品を包み込んでいます。

前半はオカン気質な攻め・蓮見視点。
後半は受け視点という二部構成ですが、後半が断然良かったです。

というのも、主人公である受け・和久井は一言でいうと不思議ちゃんで、思考回路が解りづらい!!
彼は魂を半分持っていく竜神…

3

世界が終わるまできみと 小説

杉原理生  高星麻子 

綺麗な物語です

杉原先生の作品は初めて読みました。レビューが多かったせいか以前から興味はあったのですが、やっと読む事が出来ました。
感想として、綺麗な物語だと思いました。有理と怜人、初めてお互いが出逢い、運命のいたずらか別れがあり、そして偶然の再会。
どの場面も作者さんの表現や場面がとても良いんですよね。
お互いに幼い頃から家族環境による苦労や悲しみ。そしてそれをお互い決して口に出さず、自分の胸にしまい、そ…

3

スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

焦れったいけど、良かった

タイトルからかなり焦れったいんだろなぁと覚悟してたけど、本当に焦れったかったです。

二人のやりとりを読んでて思い出したのは「表面張力」って言葉。
いつコップの水が溢れてもおかしくないギリギリのところにいるのに、極度のヘタレ攻めと鈍感受けという組み合わせなので、奇跡のような表面張力が働いていて溢れてこない。

焦ったさを期待して読んだくせに、友人から脱却しそうでしない二人にウガー!となり…

3

スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

低温低速なのにラブラブ

少し古い作品も電子書籍のおかげで手に取りやすくなりありがたいです。
今回はあらすじの「お前だけは絶対好きにならないから」という一文がとても良いフリだなあと思って購入してしまいました。ジャケ買いでも作家買いでもなく、あらすじ惚れです。

結果大当たり。大好きです。このテンポ。この日常感。男女問わず普通のカップルが抱えそうな葛藤もありながら、ちゃんと二人は大人の男なんです。そこに中学時代からの思…

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