杉原理生さんのレビュー一覧

恋を綴るひと 小説

杉原理生  葛西リカコ 

怖い話

読んで痛い。と思う作品は大好物でよく読むんですが、こちらは痛い。より怖い。がより鮮明に描かれていました。
得ることより、得たものを失うのが怖い。


咳をしても一人。
それが安寧だと思ってしまったらどんな幸福も恐怖でしかない

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「錬金術師と不肖の弟子」電子限定SS「錬金術師と休日」 グッズ

2人のやり取りがとても良いです

本編その後の2人のお話です。

リクトのある疑問からアビーがリクトをとても気の毒に思うのですが、リクトの反応がやはりちょっと面白いです。

それは店の定休日からリクトの誕生日にまで話が広がるのですが、アダルバートの店は常に暇だしリクトは錬成術で作られているので誕生日も無いのです。

その事を帰宅後に話すのですが、改めて気が付いたアダルバートがリクトに対して申し訳なく思うんです。
そし…

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錬金術師と不肖の弟子 小説

杉原理生  yoco 

再読です

キャラ文庫アンソロジーの翡翠を読むに辺り再読しました。

実は読んだ時も神評価にしていたのですが、レビューはしていませんでした。
でも素晴らしい事に再読してみても神評価作品でした。

2016年の発売当時に読んだきりでしたが、読むに従って段々と思い出したりこんな内容だったかと再確認して驚いたりして新鮮な気持ちになりました。

初めはリクトの世馴れない感じが微笑ましくて、錬金術師のアダ…

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スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

もどかしくてえずきそうになりました

はぁ…余韻が凄いことになってます。
恋愛って、こんなにも不穏で不確かなものなんだなと、じわっと実感させてくれる作品でした。不器用な2人の長い長いもだもだに、ドキドキしてしまいました。

水森(受)という人は、言ってしまえば綺麗な顔以外はいいところがないんじゃ…というか、人の心の機微や空気を読むということができないタイプで、そもそも恋愛向きじゃない人なんですよね。ゆえに、そんな人を好きになって…

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恋を綴るひと 小説

杉原理生  葛西リカコ 

仄暗い雰囲気がとてもいい

読み込み型の不思議な話。

攻の蓮見は面倒見の良い、しっかりした男。
大学時代に出会った和久井の不摂生な生活を気にして、時折家に伺い食事を作って泊まっていくという友人関係。
一方和久井は、食事は冷凍食品で一週間人と話さないで篭って執筆している作家。家の近くに竜神が住むと言われる池があり、怖さを感じながらも惹かれている。

最初は蓮見目線。サクサク読めます。
次に、和久井目線。こちらが…

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37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

大人の恋は重い

KindleUnlimitedで読みました。挿絵、あとがきなし。
表紙のイラストが素敵なので、中の挿絵も見たかった。ちなみに、杉原先生の作品はこれが初読み。

序盤から、くっついたり離れたりのモダモダがもどかしい。受けが攻めを簡単には受け入れられない理由として、信心深い親に育てられて自分の性癖を責められてるように感じて育った、との記述はある。が、それ以上の具体的なエピソードが語られるわけでも…

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37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

そういう終わり方か~と言う感じ

学生時代に出会う攻めと受け。そのときの二人の関係性が何とも形容しがたい繋がりで、読んでいる方は攻めが受けに夢中なのはわかるのに…受けは関係性が曖昧なのに乗じて受け入れない感じが焦れったかったのですが、背景には受けの育ってきた環境、大人になって再開した頃にはまた違う要因があって、どうしても幸せを受け入れられないのが切なかったです。総じて攻めがかわいそうだな、という印象で読み進めたのですが、ラストが思…

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恋を綴るひと 小説

杉原理生  葛西リカコ 

静寂

風景の描写が素晴らしかった。

蓮見視点では謎が多かった和久井だが、すべての行動の意味を知ってから見ると可愛くて思えてくる。
こういう不器用な生き方しかできないのが切なく、愛おしい。
寂しいことを寂しいと言えず、心の傷を気づかないふりをして池の底に沈めることで自分を守る幼い子供を想像するだけで胸が苦しくなる。

蓮見も自己主張が激しすぎず、大人しい性格だが面倒見が良く、和久井をずっと支…

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いとしさを追いかける 小説

杉原理生  麻々原絵里依 

攻めが一途で素敵!

腐友さんより「攻めが一途で萌える!」というプッシュをいただき読んでみました。
(ただし「受けがぐるぐるしてて鬱陶しい」という注意つき。)

読んでみたら、ほんと〜に攻めが一途で、懐深くて素敵だった。
メンタルが安定してて非常〜に好ましい。

そして、どうしようもなく受けのことが好きで好きでたまらなくて、穏やかな表面のその下から熱いパッションが時折ちらちらと垣間見えるところもたまらんかっ…

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37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

この余韻は、好みが分かれるかも……

切なかった……
ハッピーエンド?メリバ?
終わりの始まり?
読後の余韻は不安いっぱいでしたが、作品自体は愛に溢れたものでした。

若杉みたいな男にここまで愛され、求められたら幸せだと思う。
意地っ張りだった野田の心境の変化を、とても丁寧に描写していました。
心変わりじゃなく、10年引きずった初恋だと思う。

若い時には分からなかったことが、年をとると分かってくる。
それは絶対に…

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