杉原理生さんのレビュー一覧

光さす道の途中で 小説

杉原理生  三池ろむこ 

不器用な三角関係

とっても微妙な三角関係のお話。
おとなしくて不器用な真野、明るくて友達の多い栗田、栗田の連れてきたちょっと読めない高東。
男の子の友達三人組の中で生まれた恋愛感情は、友情と絡まってすっごい切ないです。
当初栗田が死んでいることにすごく「ん??」と思ったのですが、読み終わって納得した。
これはこの形だからより切ないんだ。
愛情と友情と、お互いを想い合うせいで前に進めない不器用な彼らにじれじ…

5

夏服 小説

杉原理生  テクノサマタ 

夏服は、初恋の服

5本短編が入っていて、時系列はバラバラで同じCPのお話です。

白い開襟シャツの制服の先輩を見つけて
目が離せなくなって・・・
同性の先輩に初恋してるかわいい後輩のお話。

物語は現在からはじまり、過去にさかのぼっていくんですよ。
ハッピーエンドが見えた状態で過去を紐解くシナリオ・・・
ちょっとしたタイムスリップをした感覚で思い出話を読みすすめるわけです。

『夏服』なんてタイ…

3

シンプルライン 小説

杉原理生  亀井高秀 

じりじりとして煮え切らない

圭一の態度が煮え切らない。
好きなのに兄弟だと疑って、孝之を拒否するけれど、孝之の押せ押せなアプローチに流されちゃって「これで終わりにする」って抱かれたり。
兄弟だからっていうことだけで、諦めない情熱的な孝之の求愛を拒むのは、ちょっと弱い気がするんですよねぇ。
もっとはっきりと圭一の狡さも描かれていたら、読後の印象も変わっていたような……。まぁ、圭一があまりに狡かったら、読者の共感が得られな…

2

夏服 小説

杉原理生  テクノサマタ 

きらきら高校生

高校生の男の子の、夏服の白シャツって、いいよね
ぺなぺなしたシャツの中で、細いからだが泳ぐ感じ
自転車をこぐ後ろ姿、
どこまでも続くような青空に
はためくような白いシャツ
先輩のたくましい腕

なんだか、恥ずかしいくらいの、ド直球で爽やか

「高1のクリスマスは忘れられない」
って
ここまで臆面もなく、かわいいのって!!

この二人には、おとぎ話のように、末永くむつまじく…

1

夏服 小説

杉原理生  テクノサマタ 

爽やかなのはよろしい

本編と番外編4作収録されています。
実はなかなかハードなお話と平行読みしていて、あまりに落差が激しいので、逆によりいっそうこちらの爽やかなキュンキュン少年のお話がキラキラして見えました。
いつもは学生同士(それも、高校生)にはあまり入れ込めないんですが、これは良かったです。
イラストもピッタリだったので、神評価にしちゃおう。

本編は、高校生の頃から付き合っていて只今同棲中のカップルの、…

4

夏服 小説

杉原理生  テクノサマタ 

胸キュンキュンのワンコ物語

こんな青い季節、もう遙か彼方の昔のことと懐かしく(?)新鮮に感じました。
それにしても、このワンコぶり、尻尾と耳が本当に見えるようだ。

一緒に暮らす社会人一年生の先輩・坂江と、就職活動中の真っただ中の大学4年の茅原の些細な喧嘩から、過去の回想を綴った形の物語です。

いつも行く朝のコンビニで気になった坂江、その背中を追いかけながら一生懸命な茅原。
その情景描写が、青春にふさわしい坂道…

2

夏服 小説

杉原理生  テクノサマタ 

高校生に戻って恋がしたい気持ちになる

先輩×後輩。
可愛いお話でした。
『いとしさを追いかける』が好きな人は気に入ると思います。
そんな感じの雰囲気ですね。
同時収録4編は続編(といっても時系列は表題作が後ろから2番目)です。


就職活動中の大学生・茅原は、高校の時の先輩である坂江と一緒に暮らしている。
すれ違いからケンカとなり、気まずくて朝帰りした電車の中で、過去の坂江を彷彿とさせる高校生を見つける。
そして6年…

5

サンダイヤル―日時計 小説

杉原理生  宮本佳野 

うわー、めっちゃ良かった(´Д`)

杉原節が冴えわたってました。素晴らしかったです。
いままで読んだ杉原さんの本のなかでは、『37゜C』の次に好きでした。

しかしなんという文体の美しさ。うっとり酔っ払いそうでした。
杉原さんの文章は、ずーっと読んでいたい感覚になってしまう。ほんとに好きです。
もうさー、杉原さんの文章ならどんなストーリーだっていいって気分なんだけどw、ストーリーじたいも本当に良かった。
少年の傷ついた心が流麗な文章…

2

シンプルライン 小説

杉原理生  亀井高秀 

絡みのシーンの挿絵が文章に追いついてない

親の再婚で義理の兄弟になった後、離婚・・・音信不通
そして再会したというお話なんです。

まあ・・・杉原節ですから
最初からお互いの好きという気持ちは駄々漏れ。
弟の気持ちを悟った上で兄から弟に手を出します。
合意なんだろうけど
弟を完全な“被害者”にしたいために
兄しか触っちゃダメ!プレイ・・・どんだけ拷問w
なんか弟のためとかいいつつも、ものすごい棘を刺して
姿を消してしま…

0

光さす道の途中で 小説

杉原理生  三池ろむこ 

誰も傷つかない三角関係を望んだ3人の高校生のお話

杉原さんの作品っていつもそうなんですが
激しい熱のようなものはなくて
わりとモノトーンのように淡々と物語が進んでいくのに
何故か常にじわじわと微熱に犯されていくような感じがします。

この作品も
冒頭のプロローグ部分でいきなり核心に触れるくだりがあって
それ以降は、その事実に向かってただ進んでいくだけ。
でも、ちょっとずつ登場人物たちの世界に引き込まれて行っているんですよ。

3
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