杉原理生さんのレビュー一覧

羊とオオカミの理由 小説

杉原理生  竹美家らら 

ほっこりと可愛らしい2人。

無性に年下攻が読みたくなり、購入。
読み始める前は、あちらこちらで章彦(受)が「お花畑」だの「可愛い」だのと言われていたので、一体どんな不思議ちゃん受が来るのかと身構えていましたが、そんな心配は必要ありませんでした(笑)
全体的な雰囲気はほのぼのアットホームですが、章彦はちゃんと地に足のついた28歳の社会人男性(ただし極度のブラコン)としてきちんと書かれてました(笑)

最初は、重度のブラ…

3

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

幸せと不幸せの連鎖

文字も小さくないし、ページ数も多くない、だけれど、とても重い何かがこの作品には詰められていたとおもいます。

このお話は、単純に切ない恋というだけではなく、三十路を超えた、「社会」の枠組みの中に支配された一人間としてのリアリティーがとても重視されていて、まるで、自分が経験しているかのような辛さと憂いと喜びを感じられました。

両想いなのに片思い。素直になれない現実主義者の野田さん(受)と、…

13

スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

なんとも言えないこの感じ…

ちるちるさんのレビューの評価がとてもよかったので購入してみたのですが、うーん…私の価値観が子供だからでしょうか、いまいちきゅんとしなかったと感じました。

このお話は、まさに題名通り「ゆっくりとした恋」です。
しかし、この「ゆっくり」だだの「ゆっくり」ではありません。
攻めの矢萩はずっとずっとノンケの水森が好きだったのですが、それをひた隠しにするように「お前だけは絶対好きにならない」と言い…

4

親友の距離 小説

杉原理生  穂波ゆきね 

丁寧

高校、大学と同級生で親友だった二人がある事をきっかけに疎遠、数年後、社会人となって偶然の再開。

気持ちが通じ合ってるはずなのにタイミングのズレや、若い頃とは違い、後先考えず進めない。関係を変えるのが怖い。ノンケの攻めとゲイの受けとでは感覚が違うのではという思い。

シチュエーションはそう珍しくもないのですが、心の揺れが丁寧に書かれている作品でした。

特別なトラウマがあるとか恋愛とは別場面で大き…

0

夏服 小説

杉原理生  テクノサマタ 

ザ☆青春。

ぐぁぁぁぁ~~~、青春ですね。
ピュアですね。
なんだかとってもキュンキュンしてしまいました。

個人的には「夏服」が一番好きかなぁ。
それも回想シーンの高校生な場面ではなく、帰って来てからの現在のシーン。
眠る茅原に声を掛けずにじっと見守るシーン。
その意味とかを茅原に話すシーン。
すごく好きです。

茅原がまっすぐにぐるぐるしながらも一生懸命恋をしてる姿も好きなんだけど、な…

2

親友の距離 小説

杉原理生  穂波ゆきね 

親友が恋人になる時

結局の所、これが私の一番好きなパターンなんだと、改めて納得するようなお話。
これこそ、私の好きな杉原さん。

親友だとしか思っていなかった相手に、ふと、告白されて、逃げられて、再会して、
ずっとわだかまっていた思いが、何であるかに徐々に気付いて、
自覚したら、今度こそは逃がさずにちゃんとつかまえる。

片思いだと諦めていた物が、実は両想いで、たまたま恋愛感情に気付くタイミングが合わず…

3

シンプルライン 小説

杉原理生  亀井高秀 

ちょっと鬱々……?

 連れ子同士で、一時期、血の繋がらない兄弟として生活をしていた圭一と孝之。
 十年後、大人になって偶然再会した二人は、改めて兄弟のような不思議な関係を築き始める。
 週に何回か、圭一の家により食事をしていく孝之。
 そんなある日、孝之が圭一の家に泊まろうとした事から、その均衡が崩れる。
 弟だった孝之への恋心を自覚していながら隠す圭一と、兄だった圭一への想いをストレートにぶつける孝之。

2

親友の距離 小説

杉原理生  穂波ゆきね 

等身大の男の姿

いつも杉原理生さんの作品はジワジワとした熱を感じる恋愛もののようなイメージがあるのですが、今回もまた温度は決して高くはないんだけどジワジワと温度というより染みが広がって行くようなそんなイメージを受けました。
色々と親友から恋人に変化するお話がありますが、これは決して突飛でなくて、実に登場人物達が等身大で、一緒に考えながら進むお話だったと思います。

グループ企業の営業担当と、企画担当の社員と…

0

親友の距離 小説

杉原理生  穂波ゆきね 

ゆっくしと近づいていく距離がもどかしいけれどいい感じ。

再会ものです。
設定はとてもいい感じなんだけれど、攻め視点なので切なさがなかったです。
それがちょっと残念でした。
あの時気付けなかった恋がゆっくりとしたペースで近づいて行く・・・。でも好きだ!!と気付いた時からまっしぐらだった攻めの行動は結構好きでした。

重機メーカーの本社の企画部門で働いている塚原進一。
社内ネットワーク新システムを立ち上げるために同期の塩崎と後輩の岩見は…

5

いとしさを追いかける 小説

杉原理生  麻々原絵里依 

どうしようもなく馬鹿な子が許せる方に

私がこの作品の評価を「萌」にしたのは、ひとえに攻めの掛井さんの人間業を超える寛容さの存在があったからです。
それがなければ残念ながら「しゅみじゃない」評価かな(ごめんなさい)。
ストーリーは終始、杜国視点で書かれているのですが、杜国のどうしようもないヘタレさと狡賢さに、掛井の気持ちを思うと切なくて気の毒で。
掛井の寛容さと忍耐強さ、健気さはもう人間のなせる業ではない、と思いました(笑)。

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