杉原理生さんのレビュー一覧

薔薇と接吻 小説

杉原理生  高星麻子 

妖しく麗しく美しく

評価の高さに釣られて読んでみた本作。
楽しく読ませてもらったのですが、ビビッときたかというと正直……うーん、という感じでした。
理由はただ一つ。
耽美な雰囲気に入りきれなかったから。それだけです。
攻めの前では乙女化する受けのことのも、嫌悪感などはなかったけれど「本当に攻めが好きなんだな…」と他人事として淡々と読んでしまった。
特に難などはない作品だと思うので、単純にハマる人はハマる、そ…

0

神獣と騎士 小説

杉原理生  サマミヤアカザ 

無償の愛を捧げてくれる騎士と出会える話

内容はあらすじからわかる通りの、いわゆる異世界トリップ系。
昨今はやりの異世界モノも、みんなこれくらい作り込んでくれたら読み応えあるのに……という「正しいお手本」のような本でした。
壮大すぎるという意見もあるようですが、私はそうは思わなかった。
別の世界を想定するなら、このくらい作り込んでくれなきゃ!と思います。

キャラクターもみんな魅力的で。
特に攻めのクインは実に騎士然としていて…

1

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

「神」か「趣味じゃない」かの二択

「萌」や「萌×2」などという生半可な評価を許さない作品だな、と感じました。
「神」か「趣味じゃない」かのどちらかしかない。
「趣味じゃない」が選択肢に含まれる最たる理由は、あらすじ・冒頭部を読んで抱いていた印象と、実際読んだ内容が180度違ったから。

あらすじと冒頭部を読んだときは、「いい加減で酷い人間なのに、どうしようもなく魅力的な悪魔のような攻め」に魅了され、翻弄されてしまう「真面目…

6

恋を綴るひと 小説

杉原理生  葛西リカコ 

さびしい子供

竜神が棲むという池の近くに住んでいる受けは、まるで霞を食っているのではないかと疑われるくらいに浮世離れしている変人。
そんな変人にロックオンされて、世話を焼く羽目になっている攻め。
前半「恋の棘」はそんな攻め視点、後半「恋を綴るひと」が受け視点という構成です。

内容は、あとがきで杉原先生ご自身が「長年、友人だったふたりが、「作り話」という小さなきっかけによって関係を変化させるお話」とまと…

1

きみと暮らせたら 小説

杉原理生  高久尚子 

幼馴染再会モノ

設定は、ベタというならばこの上なくベタ。
しかしベタだけどやっぱ面白いよな、と感じさせてしまうのはさすが杉原先生だなと思いました。

本作の攻めは、攻めの従兄弟が「ほんとムカつく」「かわいくない」と言うだけあって、確かに可愛げがないし変わってるし無愛想で神経質で、よくわからないキャラクター。
……なのに、読み進めるにつれてどんどん可愛く思えてくる。
よくわかんない攻めだけど、でも受けのこ…

1

制服と王子 小説

杉原理生  井上ナヲ 

学生寮の、王子様とお花

寮ものが読みたくなって、人気のこのお話を選びました。淡々と静かに進むお話です。高校生らしく、爽やかで甘い読後感です。

寮で王子と呼ばれる同室の先輩(2年)篠宮と、女顔でトラウマ持ちの真面目っ子(1年)遥のお話。
あるトラウマを持っている遥が、寮の1年のリーダーに選ばれ、王子と呼ばれる寮長 篠宮に励まされたり友人に支えられながら、一生懸命寮生活を送るストーリーです。

男子校ものらしく、…

1

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

終わり方が好きです

お話は3部構成になっています。
大学時代に出会った二人の10年に渡るお話です。

二人は両片思いどころか10年前から両思いなのだけど両思い感はなく、ずっとお互い相手に対して実らぬ恋をし続けている……そんな気分になりました。
というのも、受けが凝り固まって捻くれためんどくさい男なんですよ…。

攻めはお互い魂だけの状態になったとしてもきっとお前だと見つけられる、というほど受けのことを愛し…

3

スローリズム 小説

杉原理生  木下けい子 

なぜかときどき読みたくなる

もだもだ焦れ焦れ大人の恋…みたいなものが読みたいときに取り出す一冊。
感動した!萌えた!神!って興奮する感じではないけど、ふと思い出して読みたくなる不思議な引力があります。

何度も読んでいると、片思いする攻め・矢萩の気持ちを分かりながら受け・水森視点を読むことになるので、読むたびに切なさが増します。水森の無自覚な矢萩への信頼がチラ見えするだけで萌えるので、たぶん矢萩に肩入れして読んでいるん…

0

錬金術師と不肖の弟子 小説

杉原理生  yoco 

良ファンタジー

ファンタジーものが読みたいなと思っていて、yocoさんの奥行きが感じられる素敵な表紙に目を引かれて手に取りました。
良作でした!
錬金術や竜が存在するパラレルワールド、別世界のお話です。
幼い頃の記憶のない少年リクトが主人公。
リクトと養父や新しい奉公先の錬金術師アダルバート、失われた記憶と過去の事件、独特な世界観のなかでどんどん謎が散りばめられ絡み合いつつも丁寧に紐解かれて行く、展開の妙…

2

羊とオオカミの理由 小説

杉原理生  竹美家らら 

メルヘンなブラコン兄弟

スピンオフを先に読んでからこちらを読んだので、
感想がズレてるかもしれません( ;´Д`)

先にスピンを読んでいても特に問題はなかったですが
スピンを読む前にこちらを読んだ方が面白かっただろうなぁと思いました。
勘違いやすれ違い要素部分の楽しみを先に知ってしまってる感よ…( ;∀;)oh


血の繋がりはないけれど、弟を大切に育てて目に入れても痛くないほど可愛がっている受け。

1
PAGE TOP